【月間ランキング】2017年4月に購入した、おすすめ漫画リスト【ネタバレ漫画レビュー】
4月に購入したマンガを振り返ります。いやあ、充実の1ヶ月でした。本当に素晴らしい作品が目白押しで、読んでいて楽しくて仕方ありませんでした。
当ブログでレビューした作品はリンクを載せてありますので、詳細はそちらを読んでください。レビューを書けなかった作品にも簡単に感想を書きました。こんなにいい作品がいっぱいあって、幸せすぎますね。
- 青のフラッグ 1
- 背すじをピン!と~鹿高競技ダンス部へようこそ~ 10
- 劉備徳子は静かに暮らしたい 1
- 転生したらスライムだった件(4)
- 幼女戦記 (4)
- とつくにの少女 3
- 荒ぶる季節の乙女どもよ。(1)
- BEASTARS 2
- きみを死なせないための物語(1)
- マンガ 自営業の老後
- 人馬(二)
- 星野、目をつぶって。(5)
- レイリ 第3巻
- ぼくの姫島くん
- バンデット(2)
- 妻に恋する66の方法(2)
- グレイプニル(3)
- 空電ノイズの姫君 (1)
- 彼女の腕は掴めない 1巻
- 八雲さんは餌づけがしたい。(3)
- 早乙女選手、ひたかくす 2
- あげくの果てのカノン 3
青のフラッグ 1
4月のマンガ購入は『青のフラッグ』からスタートでした。『青のフラッグ』は本当にいい作品になりそうで期待です。
<当ブログレビュー記事>
背すじをピン!と~鹿高競技ダンス部へようこそ~ 10
『背すじをピン!と』は最終巻でした。打ち切りという意見も多いですが、個人的にはとてもいいフィニッシュだと思っています。
<当ブログレビュー記事>
劉備徳子は静かに暮らしたい 1
個人的にはスマッシュヒットでした!めちゃくちゃ萌えます!!すごい好きです。三国志ファンならおすすめ。
<当ブログレビュー記事>
転生したらスライムだった件(4)
『転スラ』は安定の面白さですよね。
幼女戦記 (4)
『幼女戦記』は最高に面白いです!コミック版は絶対読んで損はなしです。2巻以降、毎巻レビュー中です(現在5巻)。
<当ブログレビュー記事>
とつくにの少女 3
『とつくにの少女』はなんとも表現しがたい作品です。絵本のような、という形容が多いと思いますが、ミヒャエル・エンデ の作品のよう。『魔法使いの嫁』と似ているという人もいますが、個人的には全く別物の印象です。
荒ぶる季節の乙女どもよ。(1)
疾走する青春エロってかんじがいいです!「あの花」「心が叫びたがってるんだ。」の岡田麿里先生ですから期待です。ちなみに部長の曽根崎さんがツンからデレて欲しいです!!
<当ブログレビュー記事>
BEASTARS 2
うわぁ……。エグくなってきました。動物間の関係がなかなかに複雑です。人間世界の縮図ですね。
<当ブログレビュー記事>
きみを死なせないための物語(1)
『きみを死なせないための物語』はスタートアップですね。これからどう進んでいくのでしょう。
マンガ 自営業の老後
必見!!この本は自営業の方必読だと思います。私個人もかなり勉強になりました。
<当ブログレビュー記事>
人馬(二)
初連載のとんでもない新人の方です。画力が半端なく、そしてストーリーも余分なところが一切ありません。第一部完ですが、第二部もすごい期待しています。
<当ブログレビュー記事>
星野、目をつぶって。(5)
『星つぶ』は新キャラブッ込んできましたね。なかなかの展開ですが、弓削先生があっさり去ってしまって残念です。
レイリ 第3巻
レイリは暗殺されかけて、いよいよ高天神城の戦いですね。歴史的な結果はわかっていますが、一体レイリはどうなるのでしょう。
ぼくの姫島くん
これは傑作!めちゃくちゃいい作品です。1巻完結なのがもったいないです。「姫島さん」が素晴らしいのに「姫島くん」が最低です。何を言っているかわからないと思いますが、ぜひレビューみてください。
<当ブログレビュー記事>
バンデット(2)
相変わらずの『バンデット』は勢いがあります。石もオンナ知ったしな(うふふ)。2巻は爆発前の感じですね。すごい期待。
妻に恋する66の方法(2)
1巻に引き続きすごく面白かったです。あとがきまで楽しませてもらいました。レビュー書いていないのが残念!
グレイプニル(3)
意外と知名度低い『グレイプニル』ですが、めちゃくちゃ色気ありますよね。すごい好き。もっと評判になっていい作品だと思います。
<当ブログレビュー記事>
空電ノイズの姫君 (1)
雰囲気にやられました!さすが冬目景先生の作品です。好きな人なら必読ですね。
<当ブログレビュー記事>
彼女の腕は掴めない 1巻
この作品は微妙というか、すれすれ。レビュー書くかどうか最後まで迷いました。二人の関係を誘拐でなく、純愛のかたちで作品をつくって欲しかったです。危ない要素がいっぱいあるけど、かなり注目の作品。
八雲さんは餌づけがしたい。(3)
もうなんだか自分の頭の中ではすっかり『めぞん一刻』に置きかえられている作品です。二人はいったいどうなるんだろう?
<当ブログレビュー記事>
早乙女選手、ひたかくす 2
早乙女さんがホント、かわいいですね。でも美都ちゃんもいい味出してる。
<当ブログレビュー記事>
あげくの果てのカノン 3
これは傑作ですね。胸に突き刺さるような作品です。必読だとおもいます。
<当ブログレビュー記事>
4月はとんでもなく良作がいっぱいありました。これからもいろいろな作品を読んでいきたいと思います。いい作品ありましたら教えてください。
ご参考になりましたら幸いです。
【速報】『ど根性ガエルの娘』 大月悠祐子 第18話配信 『ど根性ガエルの娘』も『ど根性の娘』だった!【ネタバレ漫画レビュー】
『ど根性ガエルの娘』第18話が更新されました!また泣けた。
この連載はもともとアスキーだったのですが、アスキーでの連載中断→ヤングアニマルで再開 についても思いっきり描いています。原稿引き上げとか、描いていいのかよ、これ?
まあ、とにかくこの作品は読む価値ありです。
素直な気持ちで1巻を読んで家族崩壊に涙して、2巻で家族の再生を感じる。
そして、そして……、15話からある意味本当の『ど根性ガエルの娘』です。2巻まででも大変なのに、一気にぶち壊し。さらにぶっ飛びます。オススメの作品です!
以下、第18話ネタバレありです。
家族の内情を作品にしていく『ど根性ガエルの娘』。連載について弟さんに詰め寄られる大月先生。
さらにはアスキーでの『ど根性ガエルの娘』の連載打ち切りが決まります。
どうしてもここで作品を終えることができない大月先生は連載を引き上げることにします。
弟に言った「姉ちゃん どうしても 描きたいことがあるんだ」という大月先生の言葉がとても気になります。この作品には全体をつらぬく一つの信念があって、それを描くためにたとえ連載を中途半端になったとしても曲げられないことがある気がします。
中途半端に円満な最終話をでっち上げるぐらいなら、連載引き上げてでももっとドロドロな内情を描き切る方を選ぶってなかなかできないですよね。つまりは、
『ど根性ガエルの娘』も
やっぱり『ど根性の娘』だった
ってことですね。大月先生が覚悟を決めて、旦那さんである大井昌和先生がバックアップして、ヤングアニマルの編集部が男気出したことで、『ど根性ガエルの娘』という作品に本当に命が吹き込まれたのでしょう。読んでいて泣けてきた。
ネット民騒然の15話から一気に突っ走っている『ど根性ガエルの娘』はどえらい作品になりそうです。リアルタイムに読むことオススメ!!
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<『ど根性ガエルの娘』はこちらから>
【感想】『幼女戦記(5)』東條 チカ、カルロ・ゼン 前線突破、首都の軍事施設を直撃だと!?【ネタバレ漫画レビュー】
『幼女戦記』5巻出ました!
いよいよダキア戦です。4巻で鍛えに鍛えた直属の大隊に早速出撃命令が下されます。デグちゃんが自ら鍛え上げた帝国の近代式軍隊で、前近代の「ボーイスカウトのような」敵軍を粉砕します。
めちゃくちゃに面白いです! やることなすこと全て裏目にでるデグちゃんですが、戦果だけは超一流。だからさらに激烈な戦場に派遣されるてしまいます。頑張れば頑張るほど墓穴を掘るジャパニーズビジネスマン的な悲哀を感じます。
3ヶ月連続刊行という、これまた狂気のスケジュールをこなしている関係者のみなさん、お疲れ様です。6巻は6月10日に発売予定です!かなりオススメです!!
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【感想】『人形の国(1)』弐瓶勉 ゴスで 球体関節人形で超構造体ときた!【ネタバレ漫画レビュー】
人形の国1巻でましたね!
好きな人だけにどっぷりはまって読んでもらいたい作品です。分からなければ、まあしょうがないですよね。『BLAME!』『シドニアの騎士』が好きなら絶対好きだと思います。
弐瓶勉先生で、
ゴスで、
球体関節人形か!
自然とニヤける……。単語並べただけでなんか妖しいです。 超構造体やヘイグス粒子、エナ(胞衣)とか聞き覚えのある単語も多数出ています。知らない人でも楽しめますが、弐瓶ワールドを知っている人ならなお楽しめる作品になっていると思います。マニアックな人にかなりオススメ!!
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【感想】『鬼滅の刃 6』 吾峠 呼世晴 ”腹を切ってお詫び致します”覚悟の6巻【ネタバレ漫画レビュー】
『鬼滅の刃』6巻出ました!
吾峠 呼世晴(ごとうげ こよはる)先生の雰囲気がすごい好きです。読み応えありますよね。6巻では鬼殺隊の最上位の"柱"が登場します。
鬼も敵、でも鬼である妹の禰豆子を連れている炭治郎も"柱"には十分理解されず、という苦しい状況が続きます。さらなる鍛錬の末、実力をあげる炭治郎。しかし鬼舞辻無惨ひきいる鬼たちも下弦を粛清しさらに強さを増します。ストーリーの深みが増す6巻でした。かなりオススメです!
冨岡義勇、柱の中では嫌われていたんだね……w
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【感想】『漱石漫談』いとうせいこう (著), 奥泉光 (著), 施川ユウキ (イラスト) これ夏目漱石先生、マジ怒りますよ……
さてみなさん、GW楽しんでいますか?
GWを全然楽しんでいない管理人です。下には下がいますよね。ちょっぴり安心しましたか?それでもGWは通常に比べたらやや暇ですから、ブログも書けるというものです。
世間では
コミティアとか、
コミティアとか、
コミティアとか、
コミティアとか、
コミティアとか、
言われているようですが……。
行けません。仕事で。
みんな、楽しんできてね(涙)。
ということで、
ちょっぴりぐれモードの管理人は久しぶりに漫画じゃない普通の本を紹介します。またまた夏目漱石本です。ところがイラストというかおまけ漫画がバーナード嬢の施川ユウキ先生でした。やっぱり漫画から離れられないのを痛感しました。
いやいやいやいや、奥泉光先生もいとうせいこう先生の本編も大変楽しいです。奥泉先生は夏目漱石の本もいっぱい書いているし、こんなに夏目漱石をディスっている本ってないです。あれ?一体これってなんの本だ……。
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【感想】『八雲さんは餌づけがしたい。 3巻』里見U いっぱいご飯を食べる。一緒に食べる。微妙で絶妙な16歳と28歳。【ネタバレ漫画レビュー】
『八雲さんは餌づけがしたい。』3巻出ました!
大和くんの妹のさくらちゃんが登場します。さらに3巻では、八雲さんのキスシーン(しかも相手は大和くんじゃない!)があったり、大和くんが八雲さんに抱きついたりと誤解をまねくようなイベント目白押しですが、まあ安定の餌づけ状態に変わりありません。
八雲さんは未亡人で、大和くんは野球部特待生の高校1年生です。
16歳と28歳。
高校生と未亡人。
微妙というか絶妙。
二人の年齢的にも立場的にもこれからどうなるんでしょう。まずいよね。ドキドキするけど安定の3巻でした。おすすめ!
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【感想】『スーパーヒロインボーイ(1)』ぱらり 不良が好きになったのは女の子向けアニメ、目指せ”大きいお友達” !【ネタバレ漫画レビュー】
いやあ、笑わせてもらいました! 『スーパーヒロインボーイ』1巻は最高!!
俗に言う”大きいお友達” の漫画です。女の子向けのアニメや漫画が好きな大人のことを”大きいお友達”と言いますが、不良の高校生が「アリス少女隊☆シャイニーハート」という少女向けアニメにどっぷりはまって”大きいお友達”になっていくお話です。
とにかく不良の大石くんが 「アリス少女隊☆シャイニーハート」にはまりまくります。それなのに自分でははまったことを認めたくない。グッズは欲しい!映画は見たい!!イベントに行きたい!!!でも、素直になれない。つねに自分に言い訳しながら参加します。こころの葛藤を経て、同じような”大きいお友達”である先生や、妹に幼女先輩がいる南条くんと不本意ながら交流を深めていきますw
”大きいお友達”の素質がある人でなくても普通にアニメや漫画が好きなら十分楽しめる作品だと思います。かなりニッチなニーズだと思いますが、興味がある人にはめちゃくちゃオススメです。
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【感想】『あげくの果てのカノン(3)』米代恭 きっとこの恋は実らない。だけど、どうにもできないほど好き……。【ネタバレ漫画レビュー】
『あげくの果てのカノン』3巻出ました!
超話題作で、かなりすごい作品です。SFで、しかも不倫もので、なんだかトンデモナイお話になってきました。
北海道への不倫逃避行の末、二人は一体どうなるのでしょう?戦い、負傷してどんどん変化していく宗介、ストーカーのように宗介を好きなかのんちゃん、かのんちゃんが好きな弟のヒロくん、そして宗介の妻である初穂。 4人の恋愛感情と思惑が入り乱れて目が離せません。めちゃくちゃにオススメです!
超話題作! 1集、発売直後に緊急重版、4刷りめ! 異色のSF・ラブスト-リー!
日常は崩れゆく。
世界は悪化の一途。
恋心はまっすぐに、狂ったまま、重さを増していく。
この世界を救うヒーロー境と、彼に8年間片想いをよせる高月(こうづき)。
ふたりは
この“不道徳な恋”を誰も知ることのない北海道へと
エスケープするが…
不倫地獄のループを断ち切るため、妻は…!?世界の緊迫と、個人の切実さが
はじけ飛ぶ
大注目、不倫SF、第三集!
以下、ネタバレ有りです。
ゼリーと呼ばれる生命体が人間に襲ってくる世界。東京はゼリー襲来以降、ずっと雨が降りっぱなしです。SLC(異星生物対策委員会)がゼリーとの戦闘を行っています。
境宗介はSLC特務隊員で、ゼリーとの戦闘を行っています。一般市民にも大人気でヒーロー的な存在です。SLC特務隊員は傷ついた体をゼリーで修繕しています。決して死にませんが、修繕するたびに肉体と一緒に記憶や人格も変わっていきます。
高月かのんは境宗介のことが高校生の頃から好きで、卒業後は宗介のファンを超えてストーカーのようになってしまっています。宗介の行動を読みまくって現れそうなケーキ屋さんでアルバイトをはじます。そして8年ぶりにかのんちゃんは宗介に再開します。マジキチですね。
かのんちゃんは他の人が見たらドン引きするぐらい宗介のことが好き。ストーカーとかマニアな感じです。8年ぶりに宗介と再開して、その上で会話もできてかのんちゃんは有頂天になります。
宗介は戦って傷つくたびに修繕を行います。修繕は敵であるゼリーの力を使っているようです。肉体を修繕するたび記憶や人格が少しずつ変わっていきます。幸せな夫婦生活を送っているように思えた宗介はかのんちゃんにアプローチしていきます。
そしてSLCで宗介とカノンはデートします。しかしその時にSLCで実験で使っているはずのゼリーが脱走して宗介はとんでもない傷を負います。かのんちゃんは宗介が生きていることを知って、喜びます。たとえどれほど宗介が変わろうとも。
「……俺は、姉ちゃんが好き。」
宗介と連絡が取れなくなったかのんちゃんは落ち込みます。弟のヒロくんはそんな姉のかのんに告白します。てもヒロくんの心はかのんちゃんには届きません。
宗介の妻である初穂はSLC研究員であり、宗介のためにすばらしい業績をあげます。まわりには理想のカップルだと思われています。しかし、内面では宗介がどんどん昔と変わり、かのんに心を奪われていることに我慢できません。
かのんに直接会って釘をさします。あげくに宗介の心を試すようなことをします。まあ、わざわざ好きな相手のところに行くように仕向けて、それで自分への愛を確かめるって恋愛としては悪い作戦だよね。
初穂はやっぱりプライドが高いのか、変わり続ける宗介を受け入れられないのか、なかなか素直になれません。2回SLCのゼリーが脱走して大変な被害がでたのも初穂が宗介を呼び戻すため。初穂も全然まわりの迷惑を考えてません。
「もう……
全部捨てて逃げちゃおうか。」
宗介はかのんちゃんと逃避行します。仕事もSLCも妻も全て捨ててふるさとである北海道へ逃げます。
「不倫旅行中ですか?」
→はい正解!
北海道でかのんちゃんは宗介のおさななじみにずばっ、とつっこまれます。
でも二人が何かをする前にゼリーの脱走があり、宗介はすぐにSLCに呼び戻されます。二人はすべてをすてて北海道に来たつもりでいても、実際はSLCに行動を全部把握されていたのです。
かのんちゃんは自分の宗介に対する恋愛感情が、まわりの全てを壊していることにようやく気付きます。でも、どこにも出口は見えません。
というドロ沼の人間関係。この作品はSFの設定ではありますが、かなり人間関係に深い作品です。
高月かのん ⇔ 境宗介: 不倫
高月ヒロ ⇒ 高月かのん: 姉弟関係(血縁なし)
境初穂 ⇒ 境宗介: 夫婦だけど一方通行
そして境宗介がSLC特務隊員で、修繕でどんどん記憶が消え、人格が変わります。
この作品が読者に問いかけていることって、何でしょう?
人が変化すること、自分って一体なんだ?
ずっと変わらずに好きでいることってなんだ?
宗介の人格は変わります。でも、それって普通の人でもそうですよね。宗介ほどではないにしろ、経験や成長で振る舞い方や好き嫌い、仕草が年を経るごとに変わるっていっぱいありますよね。
じゃあ、どこからどこまでが自分?昔の自分と今の自分は同じなのか別なのか?昔、自分のことを好きになってくれた相手は今も自分のことを好き?人を好きになるってどういうことなんでしょう?
そして宗介はゼリーと合体している人間です。どんなに傷ついても修繕できます。腕が切れても、たとえ頭が切れても、生き続けて修繕することができます。でも、それって本当に人間といえるのでしょうか。
自己同一性とかアイデンティティって言ってもいいと思いますが、 現代のように異常に変化の早い社会では人のアイデンティティって案外もろいものなのかもしれません。社会も人も変わり続け、適応していくことを求めます。自分たちはどんどん新しいことを取り入れていきます。適応できなければ社会的な価値は下がります。しかし適応することで、自分は自分として変わらない部分を保っていられるのでしょうか?
登場人物のそれぞれの人間関係について考えてみました。
高月かのん ⇔ 境宗介:不倫
普通なら、かのんちゃんのストーカー行動を宗介は受け入れられません。でも肉体的にも精神的にも、どんどん変化している宗介にとっては高校の頃から8年間も変わらず好きでいてくれたかのんちゃんは、基準点のような存在です。宗介にとって、かのんちゃんはたとえストーカーであっても、灯台のような人なのです。宗介はかのんちゃんに対して「希望をもってしまう」と思っています。でも不倫関係なので倫理的には許されません。
高月ヒロ ⇒ 高月かのん:姉弟関係(血縁なし)
ある意味一番まともな恋愛関係かもしれません。実際はヒロくんとかのんちゃんとの間に血縁関係はありません。でも、生理的には一番気持ち悪い。なぜなら、普通は家族として一緒に育ったら恋愛感情は生まれないはずです。
多分ヒロくんの、かのんちゃんに対する恋愛感情はずっと前から変わっていないはずです。かのんちゃんが宗介に対する恋愛感情を変えないのと同じ。二人は平行線でいつまでたってもこの恋は実りません。ちなみにかのんちゃんはヒロくんのこと「先輩(宗介)以外の人に好かれたところで、なんの意味もない」 と、かなり無関心状態です。やっぱり、ヒロくんはかわいそう。
境初穂 ⇒ 境宗介:夫婦
夫婦です。宗介は冷めきっていると言っていいかもしれません。初穂は昔の宗介が好き。どんどん変わる宗介を食い止めるために、初穂は研究に没頭します。そして宗介に近づくかのんちゃんを激しく拒絶します。ある意味、一番ありふれた夫婦の形で、一番わかりやすいキャラクターです。既婚ですから法律的には一番強い。でも夫婦関係がすでに壊れてしまっていることを本人が一番認めたくないのです。
しかも初穂は自分の方に向かせるためにゼリーを使います。暴れるゼリーをおさえらえるのは宗介を含む少数の特務隊だけ。そして毎回、宗介は傷を負い修繕され、変化していきます。毎夜、腹を引き裂かれてもすぐ戻ってしまうプロメテウスのように宗介は死ねません。初穂は結果的に自分で宗介がどんどん変化するようにしてしまいます。
みんな、どの方向にも救いがない。
不倫で、家族で、冷めきった夫婦。なのに恋愛感情だけが止まらない。
物語は出口がない方向に向かってどんどん進んでいきます。好きって気持ちが全ての障害を乗り越えることになるのでしょうか。あるいはバッドエンドへ一直線なんでしょうか。いまの段階ではわかりません。
結局、みんなドロドロの恋愛って好きだよね。かなりハートつかまれる作品だと思います。激しくオススメの作品です。
<試し読み>
4巻感想書いています。よろしくお願いいたします。
kaigyou-turezure.hatenablog.jp
完結5巻の感想書いています。
kaigyou-turezure.hatenablog.jp
【感想】『のぼる小寺さん(4)<完>』珈琲 ついに完結!まっすぐ一生懸命な小寺さんがとても素敵【漫画レビュー】
『のぼる小寺さん』完結しました。
とってもいい作品でした。1巻表紙で制服姿で壁登っている姿が印象的です。小寺さんは金髪だけど、とても頑張り屋さんで裏表がありません。
小寺さん、いい子だ!
小寺さんクライミングを愛する感じが読者に伝わってきます。小寺さんが一生懸命にチャレンジする姿に思わず応援したくなっちゃいます。
4巻で完結してしまったのが残念な作品ですが、最後もびっくりです。エピローグでそこまで飛ぶか!という感じでオチがつきます。髪の毛長くなっていたし。かなりオススメの作品です!珈琲先生、楽しかったです。お疲れ様でした!!
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【感想】『早乙女選手、ひたかくす(2)』水口尚樹 ”うっす”でラブがコメるなんて!【ネタバレ漫画レビュー】
腹筋女子の時代が来た!
1巻が爆売れして全国で品切れになったという『早乙女選手、ひたかくす』の2巻が出ました。これがまたラブがコメてるんだな!すごいおすすめです!!
早乙女さんは女子ボクシング部のエースで、語尾が……っす、うっす、で終わる体育会系筋肉バカ。ボクシングも勉強もすごい優秀なのに恋愛だけは不器用。語尾が……っす、の女の子が主人公でラブがコメるってみたことないです!!
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【感想】『空電ノイズの姫君(1) 』冬目 景 君からあふれ出る音を聞いてみたい【ネタバレ漫画レビュー】
冬目景先生の新連載 『空電ノイズの姫君』が出ましたね!この作品、めちゃめちゃよかったです!管理人はもともと冬目景先生の作品が好きですからバイアスかかりまくってますけど、それを抜きにしてもとてもいい作品です。
普通の女の子だけどギターがめちゃくちゃ上手い磨音と、ミステリアスな転校生の美少女、夜祈子の女子ダブル主人公です。ふたりとも自分の未来がどっちの方向にあるかわからない。
迷いながら手探りで進んでいく冬目景先生の登場人物の雰囲気がとても好きです。いままでの冬目景作品を知らない人でもここから入るといいかも。すごいオススメです!
【4/24発売】冬目景先生最新作!「空電ノイズの姫君」第1巻発売直前! スペシャルPV公開!! #空電ノイズの姫君 #冬目景 pic.twitter.com/TGRXztJspd
— 月刊バーズ編集部 (@comic_birz) 2017年4月21日
支倉夜祈子(はせくらよきこ)
夜祈子は転校生で、家庭的に色々ありそう。歌がすごく上手いけど、それを知っているのはマオちゃんだけ。古い団地に一人で暮らして古いCDやラジカセを持っています。どうやらバーでのお仕事もちょっとやっているらしいです。
駅で夜祈子に突然起こったフラッシュバック。血まみれ女性の腕とぬいぐるみ。床に飛び散る血痕。夜祈子に一体何が起きたのでしょう?
自分が美人なことをある程度自覚はしているだろうけど、周りに注目されてしまう自分自身をいまひとつ上手く扱いきれていない感じです。
夜祈子はネズミのホルマリン漬けとか剥製とかも持っています。壊れている部分もあって不安定な感じです。
保坂磨音(ほさかまお)
マオちゃんはパパがギタリスト。2、3歳からギターを弾いていたサラブレットだけど、学校では普通の女の子。天然パーマで学校では髪をしばっていますが、ギターを弾く時は髪をほどきます。
自分でギターアレンジした曲を持っていきます。ギターを弾いている上のと同じ人とは思えませんよね。
高瀬士(たかせつかさ)
スリーピースのバンド、アルタゴ のベース担当がツカサ。
人との距離感を取るのが下手な天然タイプ。作詞作曲をします。弟でギターだった知明(チアキ)が自動車事故で急死して、代わりのギターを探しています。
ツカサはマオちゃんをアルタゴ のメンバーにしたいけど、口説き文句がまるでプロポーズですね!大学生が高校2年の女の子にせまりまくってます。
日野君&マオパパ
ドラムの日野君は常識人。バンドのまとめ役。まじめでツカサは日野君がいないとまともな日常生活を送れない感じ。
マオちゃんパパは日野君に中学の頃のマオちゃんのギターの録音を聞かせます。マオちゃんにギター英才教育をしてしまったらしい。中学でピンクフロイドのどれ完コピしたんだろう?気になりすぎる。
ということで、冬目景先生の作品でバンド系がくるとは思いませんでした。冬目景先生の作品はどちらかというと雰囲気あふれる無音の印象でした。でもこの作品は冬目景作品だけどちゃんロックロックしていて、かなり感動しました。なにより昔の音楽が好きなんだって感じがあふれ出ていていいですよね。
ちなみに冬目景先生って女性だって知っていた?
”3大びっくり女性漫画家”の一人だと自分では思っています。他に女性で荒川弘先生(「鋼の錬金術師」「銀の匙」)は有名だとしても、久保ミツロウ先生(「モテキ」「アゲイン!! 」)とか中村光先生(「聖☆おにいさん」「荒川アンダーザブリッジ」)は知ってびっくりしましたよ。「結界師」の田辺イエロウ先生とか「皇国の守護者」や「シュトヘル」の伊藤悠先生が女性だと知った時はかなり驚きました!
空電ノイズのあとがきを男性だと思って読むのと、女性だと思って読むのとじゃ雰囲気違うと思いません?女性の冬目景先生がギターいじって、美大受験でギターやめて。ずっと離れていたけど、最近またギター漫画描き始めるとか、いいですね。
1巻ではまだ話が動き出したばかりだけど、この作品は光があるよね。
マオちゃんと夜祈子がツカサたちと一緒にバンドを組んでメジャーデビュー、とかが現段階では目標になるのでしょうか。冬目景先生の独特の雰囲気の中で、キャラクターみんな頑張って欲しいと思います。
ロックが好きな人、冬目景先生の作品が好きな人はもちろん買いです。あと冬目景先生の絵が好きって人もぜひ手にとって欲しい作品ですね。オススメです!!
【感想】『ぼくの姫島くん』成平こうじろう 胸がキュンとしたら性格最悪の女装男子でした【ネタバレ漫画レビュー】
『ぼくの姫島くん』でました!この作品、とってもいいですね!!
学校一の美少女、姫島さんはじつは性格最悪の女装男子でした。偶然それを知ってしまったメガネ系男子の古賀くんは姫島さんに振り回されてしまいます。
成平こうじろう先生の絵がとってもいいですね。すごい好きです。もしかして、 ためこう先生ですか!?この路線でもマジで行って欲しいです。
第1話が2013年ですから、とても時間をかけてできた作品です。めちゃくちゃ気になっていましたので予約して実本買いました。手元に届いて感無量!!現在、売り切れ続出のようです。すごいオススメの一冊です。
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【感想】グレイプニル(3) 武田すん 女子が男子の身体の中に入って戦うってエロくね?【ネタバレ漫画レビュー】
武田すん先生の『グレイプニル』3巻出ました!
1、2巻の謎がさらに謎をよびます。ドライブ感があって読ませます。この作品好きです。なにより武田すん先生の絵がエッチです。ものすごい色気がありますよね。
紹介文ではラブコメ&バトル、って書いてますけど、実際はもっと切実な生き残りをかけた異能バトルとエロティシズムな感じです。決してラッキースケベではなく、死と隣り合わせの命をかけたバトルにサスペンスが混じります。いよいよ3巻では大きく話が動いてきました。かなりオススメ!
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