勤務医開業つれづれ日記・3

「このマンガがすごい!2021」参加してます。あふれる”好き”を形に。マンガ感想とか書評を中心にしたブログです。

【感想】『あげくの果てのカノン 4 』米代 恭 (著) 私の好きだった人はどこにいる?それはあなた?【マンガ感想・レビュー】

 『あげくの果てのカノン』4巻出ましたね。

……でちゃいましたね。

 

宗介とかのんが北海道に逃避行しているときに、SLC本部ではゼリーが脱走して増殖を始めます。ふたりともなにもかも捨てて北海道に来たつもりだったのに、あまりにも早い幕切れ。浮気旅行ですら組織には確認済みです。二人の行動を把握していたSLCが宗介を迎えに来ます。

 

かのんはやはり宗介が好き。友情を失っても、マスコミに叩かれても、それでもどうしようもないほど好きで好きでたまりません。宗介は戦闘を終えるたびにどんどん変わって行きます。

 

そして4巻では衝撃の!宗介と顔そっくりで性格真逆の松木平くんが登場します。姿形が同じであれば、恋愛って成り立つのでしょうか?人間は中身が大事とはよく言いますが、戦闘のたびにどんどん変化してく宗介は昔とは違っています。それでも恋愛は続くのでしょうか?その恋愛は同じ恋愛なのでしょうか?衝撃的な作品です。4巻も引き込まれました。かなりおすすめです。

 

 

 

 

ゼリーと呼ばれる生命体が人間に襲ってくる世界。東京はゼリー襲来以降、ずっと雨が降りっぱなしです。SLC(異星生物対策委員会)がゼリーとの戦闘を行っています。高月かのんは境宗介のことが高校生の頃から好きで、好きすぎてストーカーのようになってしまっています。 

 

宗介はSLCの隊員で、ゼリーと戦います。普通の人間には致命傷であっても、回復できないような傷もSLCでは”修繕”によって回復しますが、少しずつ記憶も好みも前とは異なります。 

 

 

初穂さん、ゼリー暴走させる 

f:id:med2016:20171121140613p:plain

ゼリーを逃したのは初穂くんだよ。

 

SLC内部で極秘に飼育していたゼリーを逃したのは宗介の妻、初穂です。ようは宗介とかのんの浮気旅行に腹を立てて、ゼリーを逃がすことで強制的に東京に戻るようにした、ということです。周囲は夫婦に振り回されっぱなしです。

 

テレビで放送される浮気

f:id:med2016:20171121140625p:plain

”でもやっぱりあの人も浮気してたんですよ!”

 

SLC隊員は”修繕”を受けると記憶や好みまで変わってしまいます。徐々に別の人間のようになる隊員たち。宗介はそのなかでも変わらない方だと言われていましたが、宗介の浮気がマスコミで暴かれてしまいます。ヒーローだった宗介はSLCの内部リークもあって急速に人気をなくしていきます。

 

 

かのん、先輩をクズよばわり

f:id:med2016:20171121140635p:plain

…先輩ってほんとう…

クズですねえ……

 

テレビでは宗介の不倫の話題で持ちきりです。大規模な修繕を行った宗介はまた昔の宗介ではないのかもしれません。

 

かのんは宗介にひかれています。世間がこの二人のことを不倫関係だと知っていて、頭の中では宗介の行動が許されない不倫関係をさらに続けているのだと理解しています。それでもどうしようもなく好き。泣いきながら笑って宗介に「クズ」というかのんは感情に押し流されてしまっています。

 

 

松木平正史くん

f:id:med2016:20171121140650p:plain

避難所で偶然かのんを助けてくれた松木平くん。実はメガネをとると宗介と瓜二つ。宗介はどんどん変わっていくし、松木平くんは全く別人でかなりコミュ障はいっています。

 

さらに混乱要素ふえましたね、これ。でもかのんのことが好きな、かのんの弟君にとってはさらなる敵が増えてしまった感じです。

 

初穂さん、まだ…

f:id:med2016:20171121140700p:plain

SLCでゼリーを暴走させた初穂さんは行方をくらませます。農家に助けられて3週間。夜一人になると猛烈に研究をしています。いままでは夫である宗介を助けるためだと信じてきた研究でした。

 

宗介との未来のためにならずとも。

 

22話の最後にこう書かれています。初穂さんはいままで宗介のために研究を行って来ていました。正確に言うと”宗介と自分の未来のための研究”でした。でもゼリーを暴走させ、ゼリー駆除だけでは十分ではないと考えた初穂さんは何を考えているのでしょう?

 

ゼリーを体に同化させている宗介が自分と幸せになるのでなければ、初穂さんの研究は大きく別な方向に移っていっているのかもしれません。

 

 

まとめ

『あげくの果てのカノン』4巻もすごかったですね。マスコミによる不倫騒動と、松木平くん登場、マリちゃんとの確執と、読んでいて神経がヒリヒリするような内容です。

 

いつまでも変わらない愛ってなんでしょう?人はみな変わっていきます。昔と同じなんてありえません。それでも変わらない方がいいのでしょうか?そして愛は変わらないのでしょうか?変わるべきなのでしょうか?それとも変わらないように執着して固執するべきなのでしょうか?

 

本当に深いですね。5巻がすぐにでも読みたいです。この恋愛はどこへ着地するのでしょう?そしてみんなは幸せになるのでしょうか?現状では登場人物が幸せになる形が全く見えません。ものすごくオススメの4巻でした!

 

 

 

追記: カノン、大増刷されているようです。いろいろと話題沸騰ですね!

 

 

 

 

 

 ついに完結!感想書いてます!

kaigyou-turezure.hatenablog.jp

 

<当ブログ関連記事> 


 

  

 

 

 

 

 

 

ご参考になりましたら幸いです。