【感想】『漱石漫談』いとうせいこう (著), 奥泉光 (著), 施川ユウキ (イラスト) これ夏目漱石先生、マジ怒りますよ……
さてみなさん、GW楽しんでいますか?
GWを全然楽しんでいない管理人です。下には下がいますよね。ちょっぴり安心しましたか?それでもGWは通常に比べたらやや暇ですから、ブログも書けるというものです。
世間では
コミティアとか、
コミティアとか、
コミティアとか、
コミティアとか、
コミティアとか、
言われているようですが……。
行けません。仕事で。
みんな、楽しんできてね(涙)。
ということで、
ちょっぴりぐれモードの管理人は久しぶりに漫画じゃない普通の本を紹介します。またまた夏目漱石本です。ところがイラストというかおまけ漫画がバーナード嬢の施川ユウキ先生でした。やっぱり漫画から離れられないのを痛感しました。
いやいやいやいや、奥泉光先生もいとうせいこう先生の本編も大変楽しいです。奥泉先生は夏目漱石の本もいっぱい書いているし、こんなに夏目漱石をディスっている本ってないです。あれ?一体これってなんの本だ……。
「そ ん な に マ ジ メ に 読 ま な く て い い ん で す」
「こころ」はBL? 「坊っちゃん」は童貞小説?
夏目漱石生誕から150年。
稀代の作家二人がガチで紐解く
誰でも楽しめる、漱石入門!★★★本文中のマンガはあの『バーナード嬢曰く。』の施川ユウキ! ★★★
◎『こころ』
……「残念なことに、もう国民的にネタバレしてるミステリー」(奥泉)
◎『三四郎』
……「この美禰子型に振り回されるタイプと振り回されないタイプがいる。奥泉さん、ひょっとして振り回されるタイプじゃないですか?」(いとう)
◎『吾輩は猫である』
……「やってることは「トムとジェリー」ですよ」(いとう)
◎『坊っちゃん』
……「自分から「私は損ばかりしていました」と主張する人って、どうなの?」(奥泉)他「三四郎」「草枕」「門」「行人」「坑夫」を収録。
【目次】
はじめに 「文芸漫談」とは?
鮮血飛び散る過剰スプラッター小説 『こころ』
「青春小説」に見せかけた超「実験小説」 『三四郎』
猫温泉にゆっくりお入りください 『我輩は猫である』
ちょっと淋しい童貞小説— 『坊っちゃん』
反物語かつ非人情— 『草枕』
人生の苦さをぐっとかみしめる 『門』
ディスコミュニケーションを正面から捉えた 『行人』
プロレタリア文学の先駆け 『坑夫』おわりに 「漱石ランド」から愛をこめて
<夏目漱石関連記事>
夏目漱石の主要作品を、いとうせいこう先生と奥泉光先生がディスる、イントロで施川ユウキ先生がイラストでディスる、という画期的な本です。もしも夏目漱石大先生が読んだら出入り禁止になるレヴェル。
「遺書が長いヤツってダサイよね!!」
すげー、こころにひびいた! さすがド嬢!!ハンパじゃねー。各章ごとにド嬢の本音が炸裂しています。まあ『草枕』とか笑いました。これだけ読んでも元とりました。
いとうせいこう先生と奥泉光先生の本編も素晴らしく面白いです。
『こころ』がBL小説っていうのはよく分かる。偉大な失敗小説っていわれると「なるほど」って思います。
『門』もめちゃくちゃ。 『門』とかいて『かど』と読もう、とか書いてます。
ふざけるな。
最後に「易者もなんとかしてよ」「反省してほしい」でこの章が終わるとか、
ふざけるな。
という大変に面白い本ですが、もしもあなたが夏目漱石を敬愛していたら
迷わず床に叩きつける本の筆頭
でしょう。
いとうせいこう先生と奥泉光先生は以前から文芸漫談っていうおかしな芸(怒られそうだ)をやっておられます。まあ、教科書とかに載っているような超名作小説を二人でディスってるんですが、これが面白いのなんの。下手な小説紹介を読むよりずっといいです。
いつもこのお二人の漫談は楽しく読ませてもらっています。特に今回は夏目漱石大先生ですからおすすめ。漱石自体を読んだことなくても楽しめると思います。
ご参考になりましたら幸いです。