個人事業主の資産形成を考える(4)【つみたてNISA】現時点でTOPIXや日経平均連動をオススメしない3つの理由【老後に備える資産形成】
つみたてNISAでは米や全世界指標に連動している投資信託が非常に好まれてます。
現時点で当ブログでは、日本株式、とくにTOPIXや日経平均連動をオススメしないという方針です。これはなぜか?
個人的に考えて、理由は3つあります。
1)東証はベスト・オブ・日本じゃない
東証一部がすべていい会社ではないのが一番の問題です。東証のなかに腐ったりんごがります。なぜなら日本は上場している会社が退場するシステムが緩すぎるせいです。
不正を行ったりパフォーマンスの悪い企業が不当に東証一部に居座ることで、TOPIXや日経平均が低くなっているのです。
会社の寿命が短くなっている時代です。優秀な会社が入り、時代遅れになった会社は退場するそんなシステムが必要です。東証の入れ替わりをきちんとしないとTOPIXや日経平均がハイ・パフォーマンスにはなりません。
東証改革は待ったなしです。もしも公平なシステム改革ができなければ市場としての魅力はどんどん落ちていくことでしょう。
ワールドカップで例えてみます。
昔は有名で、でも今は走れない選手がいっぱいいて、ルール違反してもイエローばっかりで退場しないチームが評価されるでしょうか。
あるいは若くてバンバン走れて攻めて、でもルール違反したら一発退場するようなチームが評価されるでしょうか。
みなさんはどのチームを応援しますか?
2)日本自体に魅力はあるか?
日本の停滞は失われた20年とかいろいろと言われていますが、どんどん貧乏になっています。一人あたりのGDPはかなり低く、先進国でビリ争いをしています。
公益財団法人日本生産性本部 労働生産性の国際比較 2018
https://www.jpc-net.jp/intl_comparison/intl_comparison_2018.pdf
日本の一人あたりの労働生産性もずば抜けて低く、さらには日本は人口が減少していきます。一人あたりの生産性も悪くて、人口も減るなら、掛け算の両側が悪い数字ですからどうしようもありません。
公益財団法人日本生産性本部 労働生産性の国際比較 2018
https://www.jpc-net.jp/intl_comparison/intl_comparison_2018.pdf
もし神様視点で見て公平に数字をみるのなら、日本が今後上昇をするには、大きな変革が必要なことがわかります。
生産性の悪い高齢化おじいちゃんな日本と、まだまだ人口が増えて若々しくてパフォーマンスに優れているマッチョなアメリカ、さらに若くてやんちゃで、でもある程度デタラメな新興国のどれにかけるでしょうか?
株式は人気投票、といいます。人気投票であなたは誰に投票しますか?
3)アセット・アロケーション
株式だけ、あるいは投資信託だけ買うときには「世界に分散」「日本と世界と均等に」という話が出てくるのはわかります。
でも、よく考えてみてください。自分が働いているのは日本です。少なくとも私は。現金も日本円ですし、不動産も日本です。
分散が大事といいますが、全自分を見てみるとほとんどの人は資産を日本に集中させているのがわかります。
仕事 → 日本
現金 → 日本
住所 → 日本
家 → 日本
もちろん、米ドルで資産を持っているとか、ヨーロッパに家があるとか、東南アジアで仕事をしている、という方は別です。でも大半の方はほとんどすべての所有物が日本に属してはいないでしょうか?
そのうえで、投資信託を日本と海外に分けたら海外資産ってほとんどないと思いませんか?すべてを日本集中で、実は分散できていないですよ。
余裕資金のほとんどすべてを海外のものにしても、現金や不動産が日本なら資産全体では日本にベットしている(賭けている)ことになります。分散が大事ですが、分散しているつもりで実はほとんど日本、というひとも多いのではないでしょうか。
そしてもし日本が景気良くなれば、海外投資の結果はしょぼくなりますが、それ以外の預金も不動産も賃金も良くなるはずです。日本にいる限り、景気が良くなったら困ることはないはずです。
まとめ
日本が投資先としていいかどうかは意見が分かれると思います。日本株に投資するから日本産業が盛り上がる、というのは正論です。でも、個人的には1)東証の非健全性、2)日本の先行き不安、3)資産分散、という3つの視点から世界に目を向けたいと思います。
つみたてNISAは年40万円ですが、投資のための小さな一歩として非常に優れたものだと思います。
参考文献
まさにバイブルです。インデックス投資について語るとき、必ずあげられる本です。必読。
ウォール街のランダム・ウォーカー〈原著第11版〉 ―株式投資の不滅の真理 単行本 – 2016/3/10 バートン・マルキール (著), 井手 正介 (翻訳)
全世界で読まれている「投資のバイブル」! 1973年の初版以来、全米累計150万部を超え、投資の名著として絶賛されるベスト&ロングセラーの最新邦訳が登場。第11版では、最新のデータに改訂しているほか、市場効率性の問題に関して、いま注目を集める「スマートベータ」に関する内容を拡充しています。