勤務医開業つれづれ日記・3

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開業医が個人事業主の資産形成を考える(1)人生100年時代の資産形成スタンス【老後に備える資産形成】

はじめに

令和はじめての記事はお金についてです。みなさん資産運用はしていますか?資産形成を意識していますか?みなさんは人生100年時代にどのような資産形成を考えているでしょうか。

 

 

お金のことって難しいですよね。でも、いつの世も知識がある人が優位に立てることは間違いありません。

 

お金の知識は学校では教えてくれません。ですから自分で勉強しなくてはいけません。感覚で「みんなこうやっているから同じでやる」「テレビで言っているからこれがいい」という決定方法ではかなり損をしてしまいます。

 

立場によってお得なお金の知識は変わります。その状況で正解は変わってくることを認識するべきなのです。株式がいい、といわれても子供の教育資金や住宅の頭金などの必要なお金をギャンブルのようにつぎこんでやる人と、十分に勉強してから余裕資金でゆっくりチャレンジする人とではまったく正解は異なるのです。

 

サラリーマンの方々の資産形成は多く語られております。勤務医も大きなくくりでは会社員と同じになります。しかし開業医で、しかも法人化していない個人事業主の資産形成についてはほとんど知られていません。

 

今回、管理人はあまり語られていない個人事業主としての資産運用について書いてみたいと思います。お金関係のネタはすでに70回分まであるのですが、人気が出たら続きを書こうと思います。まずは守りの年金について。

 

人生100年時代を本気で考える

本当に人生が100年あるとしたら、どのように考えますか?どんな心配事があるでしょうか?100年生きるときに皆さんはどのような心配を感じるでしょうか。

 

1)お金はどうしたらいいだろうか

2)健康にすごせるだろうか

3)幸せが続くだろうか

 

多分、これらの疑問が湧くと思います。お互いに関係していますが大雑把に言うと、

 

1)は資産問題

2)は身体的な問題

3)は精神的な問題

 

になると思います。不確定要素は多くありますが、2)と3)については医学や心理学の進歩によって大幅に改善されてきています。簡単に言うと、昔よりずっと世界は良くなっている、ということです。

 

さてここでは人生100年時代について特に1)の資産について本気で考えてみたいと思います。

 

まずは100歳まで生きることが前提

今回の話題である人生100年のお金の問題について考えましょう。ほとんどの検討では平均寿命を中心にして考えてます。しかし今回はきちんと100歳まで生きる、と仮定してみましょう。

 

平均寿命を中心に考えるのではなく、100年生きることを前提とするといろいろと今までとは違った風景が見えてきます。

 

最初にでてくるのが年金問題です。

 

 

100歳までなら基礎年金は繰り下げて受給

 

100歳まで生きるには、国民年金は繰り下げ受給が大前提になります。65歳から受け取りになりますが、現在は最大70歳まで受け取りを伸ばせます。

 

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老齢基礎年金の繰下げ受給|日本年金機構

 

通常の65歳受給開始とくらべて70歳受給開始に繰り下げると、42%増額になります。82歳まで生きると受け取る年金の総額が追いつきます。

 

つまり70歳で年金を受け取り始めて、12年で通常の年金総額に追いつきます。その後100歳の寿命までの18年間、 42%増額のまま年金を受け取ることができます。

 

マクロ経済スライドがあるため単純な金額で言うことはできませんが、1年間の年金金額を1とした場合、通常は18年間で18もらうところを、70歳繰下げ支給では

 

1.42 x 18 = 25,56

 

と、7.56年分も多く支給されるわけです。

 

 

100歳までなら繰り上げ受給はつらい

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老齢基礎年金の繰上げ受給|日本年金機構

 

最大30%の手取り減少です。満額の7割でもらっていくと75歳である15年で通常の受給者に追いつかれてしまいます。

 

もし100年生きると、60歳から100歳までの40年間で

 

0.7 x 40 = 28 

 

65歳から100歳までは35年間で、

 

1 x 35 = 35

 

70歳からの繰り上げ受給だと100歳までの30年間で、

 

1.42 x 30 = 42.6

 

となります。通常の65歳支給開始のときに受け取る1年分の年金を1とした場合、60歳支給開始と70歳支給開始では100歳までの総額が1,5倍以上に開くことになるのです。

 

とはいえ、満額でも年金は78万円です。月じゃなくて年額です。20歳から60歳まで40年間支払をした方の場合、平成31年4月分からの年金額は780,100円(満額)になっています。 

老齢基礎年金の受給要件・支給開始時期・計算方法|日本年金機構

 

1.42倍されても年額110万円です。基礎年金だけでは厳しすぎます。なんとかしないといけませんね。

 

100歳のiDeCo、国民年金基金

勤務医や会社員だと想像がつかないと思いますが、法人化していない開業医は基礎年金しかありません。厚生年金がつかないのです。 

 

自営業やフリーランスは将来のことは自分でなんとかしろ、というのが国の方針なのですが基礎年金だけではどうしようもありません。そこででてくるのがiDeCoと国民年金基金です。

 

細かいことはいろいろと他の記事で書きたいと思いますが、大きな違いは

 

国民年金基金は終身年金

iDeCoは確定拠出年金

 

ということです。

 

終身年金は生きていればずっと年金がもらえるものです。長生きするといっぱいもらえます。ふつうは平均寿命を超えると得します。逆に早く死ぬとその後はお金が出ませんので損します。掛け捨てです。

 

一方、確定拠出年金とは受取人の生死にかかわらず決まった期間もらえる年金(確定年金)です。もしも年金の受け取り期間中に死んだら、残高を遺族が受け取ります。その原資を自分で拠出しているのが確定拠出型年金のiDeCoです。

 

 

国民年金基金のタイプは複雑

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加入のコース(型)|全国国民年金基金 日本医師・従業員支部

 

終身年金と確定年金をミックスしたのが”保証期間付き終身年金”で、民間年金にあります。 国民年金基金もA型は”保証期間付き終身年金”であり、さらにIからV型までを追加して”保証期間付き終身年金”を自由に設計できます。ただし自由度があまりに高すぎて、混乱を招いています。

 

簡単に言うと、100歳まで生きるならすべてをB型にするのが一番いいと思います。とにかく長生きした場合に一番得するのがB型です。でも年金基金連合の8つのモデルケースにB型は一切入っていません。逆に言うと、これにみんなはいると困るんでしょうね。

教えて!みんなのプラン設計 | 国民年金基金連合会

 

一方、お金を無駄にしたくない人はすべてをA型にするべきでしょう。そのかわり受取額は少なくなります。すべてA型のモデルケースはこちらです。

Case2 | 教えて!みんなのプラン設計 | 国民年金基金連合会

 

IからV型は終身年金ではなく確定年金ですから期限があります。国民年金基金に期待するのはこれじゃないと思いますので、IからV型は個人的には無視していいかと思います。

 

iDeCoは有限かつ運用次第 

iDeCoは税制優遇があり、逆に60歳まで引き出せません。

 

1)iDeCoに資金を入れることで所得税も住民税も軽減されます。

2)運用益も非課税

3)受け取るときも「公的年金等控除」「退職所得控除」の対象 

 

といいところずくめです。iDeCoを使える人は、めちゃくちゃ検討したほうがいいです。

 

それにもかかわらず、当ブログではiDeCoをあまり押しません。なぜなら100歳まで生きるならiDeCoでは困る。それはiDeCoは終身年金ではなく確定拠出年金だからです。

 

自分で払う金額は限界があり、しかもそれを運用するのです。有限の資産かつ運用次第で未来が変わってくる可能性があるのです。

 

 

公的な終身年金を最大限ゲットする

 

自営業やフリーランスは終身年金が少ないことが大きな問題とされています。その問題をクリアするには、

 

1)なるべく長く働いて老後自体を短くする

2)基礎年金に加えて、国民年金基金で終身年金をふやす

 

ということをするべきだと思います。ですからなるべく基礎年金は全期間を支払い、国民年金基金はB型の終身年金を選ぶべきなのです。

 

 

まとめ

身も蓋もありませんが、国民年金を支払いましょう。実は本当にすばらしいのです。基礎年金は半分が税金です。しかも障害年金など、万が一のときにも安心な保険の役割も果たしています。ですから、国民年金は絶対に払うべきです。

 

国民年金はお金がなかったり、学生で払えないときにもきちんと手続きをしましょう。手続きをしたらもしもの時には半分だけもらえます。なぜかというと、基礎年金の半分が税金だからです。自分支払い分はもらえませんが、手続きをしたら税金で支払われている分がもらえるのです。こんな美味しい商品は民間ではありえません。

 

100歳まで生きるなら、基礎年金に加えて国民年金基金を考えましょう。終身年金を増やすのが一番大事です。iDeCoは金額が決まっていますが、国民年金基金は終身ですから長生きするとオトクです。長生きする前提なら公的な終身年金を増やしましょう。

 

こんないろいろな知識を書いていきたいと思います。資産を守って、そして攻める。一般的な知識から、個人事業主しか知らないようなことまで、お金のいろいろなことを話してみたいと思います。よろしくお願いたします。

 

 

 

参考文献 

1)

人生100年時代の年金戦略 単行本(ソフトカバー) – 2018/11/22 田村 正之 (著) 

「あなたの選択」しだいで年金額は大違い! 人生100年時代。2050年には、男性の4人に1人が93歳、女性の4人に1人が98歳まで生きます。長生きの最大の支えが「死ぬまでもらえる公的年金」です。幸せに長生きするために、公的年金のフル活用術を知りましょう! ●「最強の受給者」はどんなタイプ?●「繰り下げ、繰り上げ」どっちが正解?●パートの「130万の壁超え」の損得は?●70歳まで働くといくら増える?●年金の税金、どう減らす?●運用できちんと増やすDC活用策は?……など知りたかった答えを一挙紹介! ! 

 

2)

LIFE SHIFT(ライフ・シフト) 単行本 – 2016/10/21 リンダ グラットン (著), アンドリュー スコット (著), 池村 千秋 (翻訳) 

■リンダ・グラットン、政府の「人生100年時代構想会議」に起用! ■テレビ東京「ガイアの夜明け」、NHK総合「おはよう日本」、NHKEテレ「ニッポンのジレンマ」など各メディアで大反響! ■読者が選ぶビジネス書グランプリ2017にて、総合グランプリ受賞! ■ビジネス書大賞2017にて、準大賞受賞! ■「人生100年時代」ムーブメントのバイブル! ■反響の声続々! あらゆる世代から圧倒的支持! 誰もが100年生きうる時代をどう生き抜くか。 働き方、学び方、結婚、子育て、人生のすべてが変わる。 目前に迫る長寿社会を楽しむバイブル。 世界で活躍するビジネス思想家が示す、新しい人生のビジョン。 みんなが足並みをそろえて教育、勤労、引退という 3つのステージを生きた時代は終わった。 では、どのように生き方、働き方を変えていくべきか。 その一つの答えが本書にある。 100歳時代の戦略的人生設計書。 

 

 3)

医学生・若手医師のための 誰も教えてくれなかったおカネの話 単行本(ソフトカバー) – 2019/1/25 Dr.K (著) 

誰が何と言おうと、「お金は大事!」。 医師は聖職だといわれます。そして、医学とお金って、まるで磁石のS極とN極、油と水のように扱われます。しかし、誰が何と言おうと「お金は大事」なのです。 医業のかたわら株式投資もバリバリこなすスーパー勤務医Dr.Kが、医学生・若手医師に知っておいてほしいおカネの話を書き綴ります。 医師賠償責任保険/お金vs医師のやりがい/診療科をどう決める?/医局に入るべきか?/患者からの謝礼金/副業のススメ/勤務医vs開業医/資産運用/ふるさと納税……etc。 

 

 

 

ご参考になりましたら幸いです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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