個人事業主の資産形成を考える(2)つみたてNISAが開始1年で100万口座突破!【老後に備える資産形成】
はじめに
個人の資産形成では投資が欠かせません。前回(1)では資産の守りについて国民年金、国民年金基金そしてiDeCoについて書きました。
攻める資産形成での実際の投資はどのように行えばいいでしょうか?管理人としては、スタートはつみたてNISAがおすすめです。
- はじめに
- つみたてNISA、1年で100万口座突破
- つみたてNISAとは
- 積立金額、ボーナス設定で枠を使い切る
- 金融庁が厳選した投資信託
- つみたてNISAは非課税
- 人生100年時代、つみたてNISAは60歳でもスタートしていい
- つみたてNISAか、NISAのどちらかを選択
- まとめ
日本人はリスクを取らず、じっくり貯金するのが性に合っていると思います。一方、世界の伸びに比べて日本は失われた20年とか30年とかいわれていますが、どんどん世界に置いていかれています。世界成長に投資する必要も、若い人ほど肌で感じていると思います。
そんなじっくり積み立てと、比較的安全な投資信託のいいところがあわさっているのがつみたてNISAです。日本人にあっている新しい投資のスタイルだと思います。
つみたてNISA、1年で100万口座突破
つみたてNISA口座が1年で100万口座突破 - ITmedia ビジネスオンライン
2018年1月から買い付け可能になったつみたてNISAが1年間で100万口座を突破しました。しかも、普通のNISAが60歳以上の高齢者が多かったのに比べてつみたてNISAは20代、30代、40代が約7割を占めています。
つみたてNISAは始まってまだ1年で、参加している人は若い人が中心です。老人中心のNISAとは違い、若い多くの人が興味を持っている証拠です。
つみたてNISAとは
買うもの: つみたてNISAでは投資信託を買います。特に金融庁が厳選したものだけが買える対象になっています。
買う場所: つみたてNISA用の投資信託を買うところは証券会社です。既存の証券会社でもできますが、ネット証券会社がおすすめです。
現時点では、楽天証券やSBI証券がオススメだと思います。どちらも証券口座を開くだけなら無料です。
積立金額、ボーナス設定で枠を使い切る
1年間に40万円までの積み立てることができます。割り算すると1ヶ月では3万3333円になります。12ヶ月だと、
33,333 x 12 = 399,996
ああ、なんかちょっとキリが悪い!
でも証券会社によっては、ボーナス払い設定がありますので、それを使ってスッキリ40万円を使い切りましょう。上述の楽天証券やSBI証券にはボーナス設定があります。
つみたてNISAの設定例
1)月々10,000円 ボーナス 140,000円×2回
10,000 x 12 = 120,000
140,000 x 2 = 280,000
ボーナス月 10,000 + 140,000 = 150.000
2)月々20,000円 ボーナス 80,000円×2回
20,000 x 12 = 240,000
80,000 x 2 = 160,000
ボーナス月 20,000 + 80,000 = 100.000
3)月々30,000円 ボーナス 20,000円×2回
30,000 x 12 = 360,000
20,000 x 2 = 40,000
ボーナス月 30,000 + 20,000 = 50.000
どうでしょう?
3)とかいいですよね。毎月3万でボーナス月に5万とか、かなり出来そう。逆に1)のように毎月1万円ですが、ボーナス月に15万とか結構きついですよね。ボーナス払い付きの住宅ローンがあったらかなり厳しい。
ちなみに管理人は自営業ですからボーナスはありません。逆にボーナスを払う立場なので、みなさんのボーナス月には現金が出ていってしまいます。ですからボーナス設定はしておりません。毎月33,333円のボーナス設定なしです。
金融庁が厳選した投資信託
つみたてNISAで購入できる投資信託は、金融庁が厳選したすばらしいものばかりです。
20年間長期で積み立てるのですから、手数料がバカ高かったり、価格の乱高下が予想されたり、途中で潰れてなくなったりすることがないようなものから選ばれています。何千とある投資信託の中からたったこれだけの数が、つみたてNISAとして認められています。
インデックス投資信託 142本
アクティブ運用投資信託等 17本
上場株式投資信託(ETF) 3本
つみたてNISAの対象商品 金融庁 平成30年10月31日
(運用会社別)
https://www.fsa.go.jp/policy/nisa/20170614-2/24.pdf
(対象資産別)
https://www.fsa.go.jp/policy/nisa/20170614-2/26.pdf
なんと、ここにあるのはすべて販売手数料が0円です。運営管理費(信託報酬といいます)も、かなり安いものばかりが選ばれています。信託報酬は1.5%以下と決められています。そのため、つみたてNISAに選ばれている投資信託はかなり安全性が高いものと思われます。
そのなかでもできれば0.3%以下の信託報酬のインデックス・ファンドを選ぶといいと思います。できれば0.2%程度のものがいいと思います。
つみたてNISAは本当に良心的だと思いますが、iDeCoの中にはかなり信託報酬が高くてやばい商品も含まれていますから、注意が必要です。
つみたてNISAは非課税
値上がりの利益には、ふつう約20%の税金がかかりますが、つみたてNISAでは20年間にわたって税金がかかりません。
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実際には2018年はすでに積み立てが終わりましたから、これから始める方は2019年から2037年の19年間になります。つみたてNISAは開始してから20年間使えるのではなく、2037年終了になっているのです。投資できる期間は徐々に短くなるのです。だからなるべく早めに始めたほうがオトクです。
人生100年時代、つみたてNISAは60歳でもスタートしていい
20年間非課税になるつみたてNISAですが、60歳でスタートしたらどうなるでしょう?60歳の初年度の積み立ては80歳になるまで非課税です。
そして20年間じっくり積み立てを続けたとしましょう。つみたてNISAの制度は2037年まで続きます。いま60歳の方は80歳になります(実際は78か79歳ですが)。最終年度の非課税は2057年まで続きます。つまりちょうど100歳までです。
グラフをよく見てみるとわかりますが、横軸はなんと39年目まで入っています。つみたてNISAは全体で約40年間の税制優遇がある制度なのです。つまり人生100年時代には、60歳であっても100歳まで恩恵をうけることができます。30歳の人なら70歳まで税制優遇があるのです。
そしてスタートするなら今が一番です。まだ1年しかたっていませんから、つみたてNISAはあと19年間できます。税制優遇がまだ38年間あります。40年後に小さな積み立てが大きな結果を残すと思いませんか?
つみたてNISAか、NISAのどちらかを選択
つみたてNISAかNISA、どちらかを選ぶことは可能です。しかし1年間でどちらかしか使えません。いったんNISAを使ったらその年はNISAのみになります。その場合、つみたてNISA枠の使用は翌年以降になります。
つみたてNISAとNISAは両方同時には使うことができないし、片方をちょっとでも使ったらその年は変更できないことに注意が必要です。
まとめ
投資って聞くと怖い。そんな人が多いかと思います。でも、つみたてNISAはかなり安全な商品が厳選されています。金額も年間40万円までですから、月に3万円ちょっとで上限です。文字通りゆっくり積み立てることで20年間、税金がかからないのはとんでもないプレゼントです。人生100年時代に、20年間もの長期間で非課税というのは大変なメリットがあります。
日本人の性格にあっているのか、つみたてNISAは1年間で100万口座を突破しています。ゆっくり積み立てて、そして貯金から投資へ。この流れは止められません。NISAはすでに1,100万口座以上あります。つまり隣の人もNISAや、つみたてNISAをすでにやっている、ということです。
普通の証券会社の口座で株式をやるのはもったいないです。せっかく無税のシステムが有るのですから。まずはゆっくりつみたてNISAをやって投資に慣れてから、さらなる余剰資金の運用も考えてみてはいかがでしょうか。
参考文献 :
この本は良著。『人生100年時代の年金戦略』と同じ作者の方です。つみたてNISAとiDeCoについて関心がある人なら一読をおすすめいたします。
“税金ゼロ"の資産運用革命 つみたてNISA、イデコで超効率投資 単行本(ソフトカバー) – 2018/1/26 田村 正之 (著)
NISAとイデコをうまく活用すれば数百万円の得も! 非課税投資制度の充実で、資産運用の大改革が始まる! 2018年1月、大注目の「つみたてNISA」がいよいよスタート。イデコ(iDeCo、個人型確定拠出年金)も2018年からボーナス時の集中拠出が可能になったうえ、金融機関の口座費用の引き下げも進みます。 各制度には多くの誤解があり、正確に知らないために間違った使い方をしがちです。そうした誤解を詳しく説明、どう使えば最大限の利益を得られるのか、具体的な投資ノウハウまで踏み込んで解説します。 つみたてNISAでますます注目される積み立て投資の効果と注意点、また、賢い長期国際分散投資の手法もわかります。
おまけ:
いつか書こうと思っていますが、現時点では楽天証券・楽天銀行・楽天カードの3セットが最強なんじゃないかと思っています。
ご参考になりましたら幸いです。
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