【感想】『はじめアルゴリズム(1)』三原和人 (著) 小学5年、数学の才能が花開く!【マンガ感想・レビュー】
『はじめアルゴリズム』1巻読みました!
小学5年生のはじめくんは周りも誰も気づいていないけど数学の天才です。有名な数学者の内田ははじめくんの才能に気づきます。両親もはじめくんの才能を理解できず、でも迷いながらもはじめくんは数学の道を選んで行きます。
数学が嫌いな人でも全然大丈夫。天才少年と老数学者の出会いのお話です。これからどんな世界が描き出されるでしょう?とても楽しみな一冊に出会えました!
連載時のカラーがとても好きなので、こちらを参考にしてください。
はじめアルゴリズム/三原和人 【#1】 はじめのはじめ - モーニング・アフタヌーン・イブニング合同Webコミックサイト モアイ
数学、その声は非常に小さい
残念ながら単行本では白黒になっています。
老数学者、内田との出会い
老数学者の内田とはじめくんの出会いです。決して順調な出会いではありませんでしたが、はじめくんは老人の体系立てられている数学にひきこまれます。
数学者の内田ははじめくんの独創性豊かで破天荒な数学の才能にほれこみます。
このシーン、きれいですよね。美術的に美しいというだけではなく、学問的にこの名言を思い出させるからかもしれません。
I was like a boy playing on the sea-shore, and diverting myself now and then finding a smoother pebble or a prettier shell than ordinary, whilst the great ocean of truth lay all undiscovered before me.
- Isaac Newton (アイザック・ニュートン) -
私は海辺で遊んでいる少年のようです。以前も、そしていまも、普通のものよりもなめらかな小石やかわいい貝殻を見つけて夢中になっています。そして真理の大海は、すべてが未発見のままに目の前に広がっています。
訳は管理人のものなので、ご了承ください。ニュートンの美しいことばがまるでこの二人を包んでいるかのようです。
はじめくんとお母さん
お母さんもお父さんもはじめくんの数学の才能を理解できていません。いきなり現れた老数学者のことばに驚く二人。お母さんはとまどいながらも我が子を理解しようとしはじめます。
お母さんははじめくんとの思い出を大事にしています。はじめくんはきちんとそれを覚えています。でも、お母さんとは全く違う成り立ちで覚えているのです。ADHDかアスペルガー症候群でしかも高IQの子供にありがちな”不思議な世界”が彼の中にはあるに違いありません。
もう一人の天才、手嶋くん
京都についたはじめくんは偶然、天才数学少年として有名な手嶋くんに出会います。まったく無名なはじめくんと、すでに有名な手嶋くん。彼らはどこへ向かうのでしょう?
まとめ
とても素晴らしい作品です。
はじめくんのめちゃくちゃなキャラクターが老数学者の内田と一緒に暮らしはじめて、これからどうなっていくのかが気になります。ライバルであるはずの手嶋くんにも注目。そしてなによりこれからどんな数学を彼らは切り開いていくのでしょう?
「博士の愛した数学」や「ぼくには数字が風景に見える」とかが好きな方ならドンピシャだと思います。あとは「栄光なき天才たち」でガロアとかアーベルが気になる人にはおすすめ。あと「やさしいセカイのつくりかた」も天才についての作品で、本当に素晴らしい作品でした。
個人的にはタイトルの『はじめアルゴリズム』の「アルゴリズム」というのがちょっと気になります。アルゴリズムというのは問題を解くための数学的計算手順のことです。コンピュータ用語で、どちらかといえば数学より情報系なイメージです。はじめくんという天才の頭の中にある数学を、アルゴリズムという型にはめるってことなんでしょうか?どちらかというとアルゴリズムとか枠を取っ払って、ABC問題における宇宙際タイヒミュラー理論とか、学問的にかっ飛んだ方向に進んで欲しいですね。
とくに数学が苦手でも興味があれば全然大丈夫な作品です。天才のつくりかたのお話。すごくおすすめです!
老数学者・内田豊は廃校で出会った、小5の少年・関口はじめと。はじめは、数学において天才的な才能があった。内田は彼の才能に惚れて、彼を導いていくことを勝手に決心したのだった・・・。足す足す引く引くワクワクドキドキ。ワンダーボーイ、数字と一緒に世界を大冒険。数字を見るのが少し楽しくなる成長物語。数学と天才が嫌いじゃなくなります。
ご参考になりましたら幸いです。