勤務医開業つれづれ日記・3

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【書評】NHK「100分de名著」ブックス アドラー 人生の意味の心理学―変われない? 変わりたくない?

【書評】NHK「100分de名著」ブックス アドラー 人生の意味の心理学―変われない? 変わりたくない?

 

NHK「100分de名著」ブックスの「アドラー 人生の意味の心理学―変われない? 変わりたくない?」を読みました。すごい勉強になる内容でした。

2018年版はこちら。 

 

 

 

2016年に発売されたテキストはこちらです。 

 

わたしは両方持っていますが、今回の新版には最終章が加えられています。一方、放送テキストの2016年版にはアドラーの関連写真が多く取り上げられています。 

 

 

 

 

 

 

この本で学ぶ3つの柱 

この本からどのようなことを学べるでしょうか。本当に多くのことが取り上げられていますが、私にとってとくに重要だったのはこの3点でした。 

 

 

・意味付けを変えれば未来は変えられる 

・承認欲求とうまく付き合う 

・貢献感を得る 

 

 

 

 

 

 

第1章 人生を変える「逆転の発想」

 最初の章ではアドラーの人生の軌跡をたどります。次に人のライフスタイルがどのように決定されるのか、そして個人が持つライフスタイルを変えることができるのかを考えます。

 

 アドラーは「意味付け」のことをライフスタイルとよんでいます。つまり「人生における意味付け」はどのような影響を受け、それを変えることができるか、それを学んでいくことになります。  

 

 

 

 

第2章 自分を苦しめているものの正体

 人はより優れた存在になりたいという「優越性の追求」を持っています。「劣等感」があるから「優越性」を求めるのです。

 

 しかし「劣等感」が行き過ぎると「劣等コンプレックス」になり、「優越性」も度が過ぎると「優越コンプレックス」になります。 この2つは英語でいうとわかりやすいと思いますが。日常的に言う「コンプレックス」というのは本来inferiority complex、つまり下の方(inferiority)に向かうコンプレックスと言う意味です。当然、その逆もあります。上の方(superiority)に向かうコンプレックスのことをsuperiority complexといい、これが「優越コンプレックス」という言葉になっています。   

 

アドラー心理学では「私は学歴が低いから成功できない」とAだからBできない、というのが劣等コンプレックス、つまり下の方に向かうコンプレックスになります。 

 

一方、「優越コンプレックス」は過度の学歴自慢やブランド信仰といった「権威付け」にあらわれます。あたかも自分が優れているかのように振る舞い、偽りの優越感に浸るのです。上の方に向かうコンプレックスですね。 

 

 

 

 

第3章 対人関係を転換する 

アドラーは「すべての悩みは対人関係の悩みである」と看破しています。対人関係の問題は、自分が世界の中心にいて周りは「敵」とみなす見方から生まれます。さらに他の人の承認を求める承認欲求が高まります。 

 

他の人が見ていればゴミを拾うけど、見ている人がいなければゴミは拾わない。それは誰かに認められたいために行動しているからで、ゴミを拾うことが正しいとわかっていても誰もいなければゴミを拾いません。他者に認められたい、承認されたいという欲求は「ギブ・アンド・テイク」を求めていることであり、テイクを基準に考えているのです。 

 

承認欲求や周りを敵とみなす意識から脱却する方法が3つ述べられています。 

 

 

・他者に関心を持つ 

・他者は自分の期待を満たすために生きているのではないと知る 

・課題の分離 

 

 

 

「課題の分離」について、子どもが宿題をしないのを怒る親について、宿題をしなくて困るのは子ども自身で、これは子どもの課題です。そんな子どもを見て親がイライラしたり不安に思うことは親の課題です。それを自分のイライラを解消するために子どもの課題に首を突っ込むのは、親の課題を子どもに押し付けることになるのです。2番目の方法にあるように、子どもは親の期待を満たすために生きているのではないと知らなくてはいけません。

 

 

 

 

第4章 「自分」と「他者」を勇気づける

最終章は「共同体感覚」についてです。ドイツ語ではMitmenschlichkeit(ミットメンシュリッヒカイト)や、Gemeinschaftsgefuhl (ゲマインシャフツゲフュール)と表されます。イメージとしては既存の社会ではなく「理想の共同体」です。 

 

 

・人生の意味は全体への貢献である。 

・人生の意味は貢献、他者への関心、協力である。 

(『人間知の心理学』より) 

 

 

 

共同体感覚を持っている人だけが貢献感を持つことができます。 

 

・自己受容 

・他者貢献感 

・他者信頼 

 

この3つが共同体感覚です。それぞれが独立しているわけではなくお互いに円環構造をとっています。「人生の意味は全体への貢献である」とアドラーは言います。つまりこの3つの貢献感を知って実践することが人生の意味をなのです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

まとめ

 以上、「アドラー 人生の意味の心理学―変われない? 変わりたくない?」を簡単にまとめてみました。 

 

人がどのように生きて、他者と関わり、そして自分の人生の意味を知る、という深い部分にまで届く内容でした。アドラー心理学の概略を書くために、一つ一つの内容はかなり要約されていますが大変勉強になりました。

 

 

・意味付けを変えれば未来は変えられる 

・承認欲求とうまく付き合う 

・貢献感を得る 

 

この本ではとくにこの3点が心に残りました。この本を読むと、日常のストレスはこんがらがった糸のようなものだと理解できます。

 

今までとは違う自分のストーリーを新しく作ることはできます。そして素晴らしい生き方とは、承認欲求とうまく付き合い、他者のためではなく自分のために行き、更には共同体に貢献感を得る。

 

人生の方向が変わるかもしれない、おすすめの一冊でした。 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ご参考になりましたら幸いです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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