勤務医開業つれづれ日記・3

「このマンガがすごい!2021」参加してます。あふれる”好き”を形に。マンガ感想とか書評を中心にしたブログです。

【感想】『Artiste アルティスト 2巻』 さもえど太郎 (著) 技術は一流、対人三流、気弱な料理人のビッグチャレンジ!【マンガ感想・レビュー】

 

『Artiste アルティスト』 2巻読みました!

漫画読みの方々には知られているのかもしれませんが、自分も勧められて読んでみてびっくりです!

この作品、すごいいいじゃないですか!!

  

基本的な漫画としての作りがしっかりしていて本当に読ませる作品です。かといってぎっしり情報があふれるほどに描いてあるわけではありません。一コマ一コマ読ませて、しっかり最後まで読んで、またもう一度読み返す、っていう作品です。あまりないですよね、読んだ直後にもう一回読み直したくなる作品って?実はこれがそんな作品です。いいワインのような深みがありますね。

 

いままで読んでなくてゴメンなさい、って感じの良作。ほんとオススメです!! 

 

 

 

 

 

 

 

タイトルの『Artiste アルティスト』 はフランス語で芸術家。英語のアーティストですね。ちなみにイタリア語ならアルティスタです。関係ないですけど。  ”さもえど太郎”先生のサモエドは犬の名前ですね。 

 

へたれな料理人ジルベールはコミュ障&対人恐怖症ぎみ。絶対味覚と絶対嗅覚を持っていて、子供の頃から匂いと味に以上に敏感。そのために周囲からは気持ち悪がられてジルベールは極端に引っ込み思案になってしまいます。

 

でも経歴はすばらしく料理人としても有名なルヴェルの元で修行し、今はカルマン、そして次にメグレーに引き抜かれてどんどんとレヴェルアップしていきます。でも料理の深さとは味覚や嗅覚だけではなく、人としての成長も求められます。でも対人関係に難ありのジルベールはいったいどうやって問題をクリアしていくのでしょう?

  

 

1巻 

ジルベール 

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主人公、ジルベールくん、27歳。超敏感味覚と超絶嗅覚を持っていますが、自分の才能に振り回されて主に不幸な方向に感じています。そのため対人関係に弱く、極端な人見知りというかコミュ障です。

 

有名どころのレストランから今のレストランに紹介されてきています。だから経験は十分、でも自分に対する自信はあまりありません。自己評価かなり低い方です。名前はジルベールだけどBL要素はないです。

 

 

 

マルコ 

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マルコは新入りの皿洗いです。ジルベールの下について働きます。いろいろな職業を転々としています。ジルベールとは違って他の人とコミュニケーションを取るのが上手です。話すところを見たことがないキム爺さんともいきなりコンタクト取ったりしてます。ジルベールの隠れた才能に気づきます。

 

 

 

レストラン 表と裏 

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こんなこともできねぇのか低能野郎

タヒねーーーーーーーッ!!

 

とにかくレストランは大忙し。しかも男性中心の職場だから荒い。レストランは上品でエレガントでも厨房は嵐のようです。

 

 

 メグレー、見抜く

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メグレーはマルコの紹介でジルベールと会います。そして彼のかくれた料理人としての才能を見抜きます。

 

 

2巻

エルザ 

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メグレーに振り回されっぱなしのジルベールですが、幼なじみのエルザと出会います。エルザは親の反対を押し切って料理の世界に飛び込みます。ジルベールを見るエルザの表情はどこか微妙です。出会えてうれしいけれどもどこか別のことを考えているような……。エルザは何を目標としてこの世界に入ってきたのでしょう?

 

 

 

ジャン  モブその1(笑) 

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ジャン、面白すぎます。売れない画家で自称ドラクロワの再来(ぷぷぷ)。

 

他にも色々なキャラがいてそれぞれにいい味出しています。アパートのカトリーヌとかしっかりしていてジルベールを導いてくれるキャラな感じです。マリアはマイペースのよくいるおばさんで、管理人は結構好きです。

 

 

 ミシェル

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ミシェルはメグレーの娘。美人でわがままっぽそうですけど、きちんとジルベールの力量を見抜いています。口癖は”理解?”フラ語だと”Compris?”って感じでしょうか?

 

ミシェルは接客を中心に、そして厨房はジルベールが担当して新しいレストランのオープニングレセプションに向かって色々と準備しています。しかし、みんな一流だけあってひとくせふたくせある人ばかりです。コミュ障のジルベールはうまくやっていくことができるのでしょうか?

 

まとめ

フランスの描写が全く違和感なく、素晴らしいです。フランス料理の知識もすごいです。一番この作品がすごいのは、それらの知識を感じさせないレヴェルまで十分に消化されていることです。

 

ジルベールはコミュ障で自分に自信がありません。でも超一流人々がジルベールの味覚と嗅覚の才能を見抜いています。そしてジルベール自身もほんの少しずつではありますが、自分を変えていこうとしていきます。多くの人が成功を求めてものすごいパワーで新しいことを作り上げていこうとします。ジルベールはそのなかで新しい自分を見つけることができるでしょうか。そして自分の才能を発揮することができるでしょうか。

 

というわけで、すごいお話に引き込まれる作品でした。ちょうど試し読みのキリのいい3話までですし、多分3話まで読んでしまったら買うよね。すごいオススメの作品です!!

 

 

 

<試し読み>