勤務医開業つれづれ日記・3

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【未完の傑作】号泣する準備はできていた『鮫島、最後の十五日 20(完)』故・佐藤タカヒロ先生

『鮫島、最後の十五日 20(完)』がとうとう出版されました。

2018年7月3日未明、佐藤タカヒロ先生は急逝されました。絶筆の鉛筆画が最終巻の表紙になっています。バチバチから3部作を9年間の連載して、第三作『鮫島、最後の十五日』がまさに絶頂を迎えようとしている時でした。

 

本当に最高の20巻でした。マンガの神様のイタズラとはいえ、週刊連載のど真ん中でぶった切られたはずなのに極上の幕切れでした。バチバチで鮫島と最初に戦ったのも猛虎、今回『鮫島、最後の十五日』の十三日目で最後に戦ったのも猛虎でした。そしてこれから迎える横綱戦。おそらくこれ以上の区切りはないであろう部分での最終話、鮫島の最後の最後がもうかっこよすぎて涙出ます。

 

神様がこれ以上描くな、っていったんでしょうかね……。 これから鮫島はどうやって横綱戦をむかえたのでしょう。未完であるがゆえに描かれなかった結末に思いを馳せてしまうような素晴らしい作品です。

 

一人でも多くの人にこの作品を知ってもらいたいです。残念で仕方ありません。

 

 

 

鮫島十三日目の取り組みを19巻から振り返ってみたいと思います。 

 

猛虎 vs 鮫島 

取り組みは十三日目、19巻から続く大関・猛虎との戦いです。この二人はバチバチ1巻1話からの因縁対決です。

 

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『バチバチ』1巻1話より)

 

『バチバチ』1巻では入門前の鮫島が、幕下の猛虎と地方巡業で戦います。ここから伝説が始まるのです。

 

 大関・猛虎

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『鮫島、最後の十五日』19巻 より)

 

そして二人は再び戦います。猛虎は大関になり、鮫島は前頭14枚目になっています。鮫島の命を削るような取り組みは見る者を圧倒します。そして猛虎も王虎の影に隠れていますが、自分自身の全てをかけて相撲に取り組んでいます。虎城部屋で一番、親方の相撲を理解しているのが王虎ではなく猛虎だと言われるほどの努力家です。 

 

 

 

猛虎、鮫島の想像を超える

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(『鮫島、最後の十五日 20』より)

猛虎の相撲は、鮫島の予想を超えていました。ただただ力まかせの相撲ではなく、体に任せる抜きを身につけています。鮫島の技は通じず、猛虎に翻弄されてしまいます。

 

 

鮫島、ゆだねる 

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絶体絶命の場面ですら鮫島は相撲を楽しんでいました。そして鮫島はあらたな境地に達しようとしていました。すべての我を消し、ただ相撲そのものになろうとしていました。 

 

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先代の親方、空流旭。いまは仁王が親方になっていますが、鮫島をじっくり育て上げたのはこの人でした。不慮の事故で帰らぬ人となっています。猛虎との激闘の中、走馬灯のように鮫島の脳裏には空流親方の笑顔が浮かびます。親方が鮫島のことを見守ってくれていたんでしょうね。

 

 

『鮫島、最後の十五日』最後の言葉

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猛虎との激闘を終えた鮫島。最終話、最後のシーンです。本当に背中がゾクゾクするような画面です。これで最後だなんて……。この続きが読みたかったです。残念でなりません。

 

 

 

追悼色紙・ジャンプ『火の丸相撲』川田先生

20巻巻末には追悼の色紙が載せられています。

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週刊少年チャンピオン2018年43号 [雑誌] Kindle版 

週刊少年チャンピオンの追悼特集では、川田先生の追悼色紙をふくめて全てがカラーで載っています。ジャンプとチャンピオン、会社の枠を超えての追悼に目頭があつくなってしまいます。

 

 

まとめ 

佐藤タカヒロ先生の急逝で『鮫島、最後の十五日』はこの20巻で終了です。本当に素晴らしい作品を残してくれてありがとうございます。感謝と感動で涙があふれてきます。

 

突然の死で残された原稿がこんな完璧な終わり方になるとは信じられないです。読んでみると分かりますが、まさに神がかっています。週刊チャンピオンを読んでいて、最終話のページをめくる時に鳥肌が立って、背中にビリビリと走り抜けるものがあったのを今でも覚えています。

 

鮫島がバチバチで最初に戦ったのが猛虎で、『鮫島、最後の十五日 20(完)』で最後に戦ったのも猛虎です。そして二人は最初とはまったく比べ物にならないほどの成長を見せています。

 

最後のページを見て、横綱戦の直前で途絶えて果たされなかった15日間の物語のことを考えると思わず泣けてしまいます。十三日目の取り組みからあと2日間。鮫島はなにを得て、そして何を失うことになるはずだったのでしょう?

 

(別記事で千秋楽までを考察しております。【未完の名作】『鮫島、最後の十五日』故・佐藤タカヒロ先生 独断で千秋楽を考えてみた【描かれなかった最後】 - 勤務医開業つれづれ日記・3 )

 

 

佐藤タカヒロ先生、最高でした。

生前、ブログ記事に感想もらえて本当にうれしかったです。『鮫島、最後の十五日』は本当に素晴らしい作品でした。そして考えられる限り、最高の終わり方だったと思います。鮫島は僕たちの心の中で、いつまでも見果てぬ相撲道に向かって進み続けることでしょう。自分にとって最高の未完の傑作です。本当にありがとうございました。

 

 

合掌

 

 

 

 

 

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