【感想】「レッツ☆ラグーン(5)」がラスト直前。ガチでオススメする3つの魅力【次巻・完結】追記:岡崎武士先生からお返事いただきました!
追記:レッツ☆ラグーン完結を記念しましてレビューを書かせてもらっております。
『レッツ☆ラグーン(5)』出ました。読みました?
すごい良かったですね。読者の心をつかんで離さない、素晴らしい作品になっています。いよいよお話は大詰め、次の6巻で完結になります。
主人公の山田くんは無人島に漂着します。衣舞瀬(いまいせ)チカちゃんや神山さんと奇妙な無人島からの脱出をトライします。SF設定で思いもかけない人物の登場など、しかけも伏線もいっぱいある作品です。
「レッツ☆ラグーン」の魅力を大きく3つの要素に分けて書いていきたいと思います。この作品を未読なら、とってももったいないことをしています。読むなら絶対に今です。すごいオススメです!
恋愛
最初に言っておこう。「レッツ☆ラグーン」は問答無用で恋愛ものです!
ぶっちゃけ、小難しい話はぜーんぶ横に置いておいても、女性陣を見るだけで満足です。そういう作品なんです。魅力的なキャラクターがストーリーを動かしています。
衣舞瀬(いまいせ) チカ
ヒロインのチカちゃんです。ど近眼で、メガネがないので周りがよく見えません。陸上部で体力はあります。でもサバイバル能力はあまりありません。ハイスペックどじっ子キャラです。
ノリちゃんが山田君のことを好きなのを知っています。だから自分は山田君とは距離を置こう、と思っていましたがなかなかうまくいきません。サバイバル生活でだんだん山田君の良さに魅かれちゃったり、未来から来た山田さんに恋心を抱いたりします。
ちなみにチカちゃんはノーブラ裸ワイシャツです。このあまりに高い攻撃力、無自覚にもほどがあるわ!
神山 ノリ
(「レッツ☆ラグーン」4巻より)
ノリちゃんもチカちゃんと同じ陸上部です。能天気なキャラですが、意外と努力家でリアリストです。サバイバル能力もあります。語尾は「っス」。遭難前から山田くんのことが好きで、無人島に漂着してからは積極的にアタックしています。
(「レッツ☆ラグーン」3巻より)
管理人的にグッときたのはこのシーン。やっぱりチカちゃんが好きな山田君ですが、山田君はノリちゃんと二人になっているときに霧が突然やってきます。短い時間の霧が時間を飛び越える力があるようです。
大事なタイミングで山田君と一緒にいるのがチカちゃんではなく自分でゴメン、というノリちゃんのセリフに管理人はヤラレちゃいました。
山田君 vs 山田さん
山田君は主人公です。無人島に漂着します。漂着時に、自分が修学旅行なのを忘れています。チカちゃんやノリちゃんと無人島のサバイバル生活を送りながら、島からの脱出をいろいろと試みます。
山田さんは主人公の山田君の未来の姿です。自分の未来の姿であることを山田君はまだ知りません。そのため勝手にジェラシーを抱いたり、がっかりしたりします。山田さんは「レッツ☆ラグーン」後半のガイド役として物語を導いていきます。
山田君は山田さんに嫉妬中。孤立した遭難状態ですが、残念ながら山田君はチカちゃんにもノリちゃんにも手を出していません。こんな設定なのにめっちゃビビりです。自分に好意を持っている美女に囲まれて手も出せず、未来の自分に対してもんもんと嫉妬するなんて、海の中でのどがかわくような残念さです。
チカちゃん vs ノリちゃん
陸上部で友人同士のチカちゃんとノリちゃん。無自覚系ヒロインのチカちゃんが恋愛覚醒した瞬間です。山田君(山田さん?)をめぐってバトル勃発です。
ちなみに管理人はノリちゃん派です。え?だって健気だし、かわいいじゃん。サバイバルテクニックもあるし、みんなのなかでも一番無人島で生き抜く覚悟しています。タイプ的にはチカちゃんは天然どじっ子美人キャラで、ノリちゃんは人生詰将棋タイプです。だからチカちゃんのことが好きでも、タイミングが合わないと結ばれません。逆にノリちゃんはじっとタイミングを見計らっています。ある意味怖いな。
一番好きな人に振られて、傷心をかかえているときに自分のことを思ってくれている隣の女の子が綺麗に見えてきてウンヌン……。リアル社会では結局みんなノリちゃんタイプに撃墜されるんですよ。
チカちゃんのお姉さんも含めてみんなかわいい。お姉さんは自覚的なエロさです。高校生&教師で付き合うなんてけしからーん!って思いながらも、素直にいいなあと思います。チカちゃんは天然のかわいさです。ノリちゃんはチカちゃんに負けてなお頑張る健気さがあります。
と・に・か・く、管理人的にはチカちゃんとノリちゃんがなんか話ししていたらそれでいい、そんな魅力的なキャラたちです。
謎・謎・謎のSFミステリ
「レッツ☆ラグーン」は綿密な設定のもとに描かれているSFミステリです。タイムスリップと未来技術のかけあわせだと思いますが、さまざまな仕掛けにあふれています。
山田さんの謎
山田君にとっては山田さんは未知の人です。チカちゃんと親しげに話しをする姿に嫉妬してしまいます。山田君にとっては山田さんの正体を見つけることも重要な要素になっています。
でも違う時間軸の自分が何のために同じ場所にいるのでしょう?山田さん自体の目的と役割も読者には見えていません。山田さんの行動は謎に包まれています。
島の謎
徐々に明らかにされる島の謎。未来のリゾートアイランド、人工島「ザ・ラグーン」。小さな島にもかかわらず、真水がいっぱいあります。野山に食べ物も豊富で、まわりの海にも魚がいっぱいいます。人に危害を加えるような要素がほとんどありません。
(「レッツ☆ラグーン」4巻より)
安全な、管理されたサバイバル。同じ方向から日が昇り、日が沈みます。そして、島の故障と沈没。緊急事態のアラートが島に鳴り響きます。この島ではいったい何が起こっているのでしょう?
時間軸の謎
(「レッツ☆ラグーン」4巻より)
「レッツ☆ラグーン」には時間軸がいっぱいあります。正確にはどうなっているのか結構複雑です。45話で示された図です。
図中に、
1)修学旅行フェリー衝突の3つの”?”
2)追悼船の2つの”?”
3)山田さんの1つの”?”
合計6つの”?”があります。しかし現時点ではすべてが解明していません。これが最終巻のポイントになることと思います。すごい楽しみですが、これだけの数の”?”を回収できるのでしょうか?時間軸は謎だらけです。
山田君たちの時間軸
(「レッツ☆ラグーン」2巻より)
まずは山田君の時間軸。疑問は最初の1巻からあります。山田君は修学旅行の記憶がありません。そもそも山田君だけは修学旅行ではなく、別のタイミングで島に漂着したのかもしれません。
そしてこの図は2回目の霧で起きているタイムスリップです。追悼船という同じタイミングでタイムスリップは起きていますが、島に漂着する時間はみんなバラバラです。なぜバラバラになるのか。順番が一定しないのか。そしてそれは意図したものなのか偶然なのか。
山田さんの時間軸
(「レッツ☆ラグーン」4巻より)
そして未来から来た山田さんはこのストーリーが開始する3ヶ月前からこの島にいます。記憶力のいいチカちゃんの話をもとに、ぴったり時間をあわせてこの島に来ているようです。山田さんは、3ヶ月も一人でいたから髪の毛のびちゃっているんですね。
(「レッツ☆ラグーン」4巻より)
そして山田さんがこの島に来た理由は、漂着した3人が脱出できるように導くことです。しかし4巻に書かれているように、山田さん自身は元の時間軸に戻れないかもしれません。そんなリスクを冒してまで10年の時を超えて、みんなに会いに来たのです。山田さんは果たして脱出できるのでしょうか。
島の時間軸
(「レッツ☆ラグーン」4巻より)
島は2473年製のようです。でもな、みんなが現在にいるわけじゃないからここら辺にどんでん返しの要素があるような気がしてなりません。
島のトラブルは23年前に起きているようです。そして21年前に島の責任者も死亡しているようです。
(「レッツ☆ラグーン」2巻より)
もしかしたら2巻ででてきた白骨死体は、21年前に死亡した最後の責任者なのでしょうか? 島のシステムはいったいどのようになっているのでしょう。そもそも未来製の人工島が山田君たちの前に現れたのはなぜか。謎が謎を呼びます。
霧のメカニズムの謎
(「レッツ☆ラグーン」4巻より)
霧の種類は3つあります。その霧をくぐるとどの時間軸にいくことができるか、3パターンあるということです。
(「レッツ☆ラグーン」2巻より)
そして霧です。
霧がすべての問題を引き起こしています。時間軸を混乱させ、ときには島自体をタイムスリップさせます。修学旅行の時も、追悼船も、霧の中を進んでいるときにあるはずのない島のそばを通ります。
島は徐々にそのシステムを明らかにしていますが、霧はそのシステムが全くわかりません。島のシステムとおなじものが霧にもあるのか。あるいは人工島自体が霧を認識していないようなので、島とは全く別のものなのか。霧は解明される謎なのでしょうか。
3人+1人の脱出劇
(「レッツ☆ラグーン」4巻より)
この物語の最初から最後までのメインテーマは「脱出」です。そして未来から来た山田さんのモノローグで「脱出に成功した」と書かれています。結論から言うと、すべてはうまくいくはずなのです。
でもそれには幾多の困難があるはずです。
「あの脱出はそれなりの犠牲を払って成し遂げた奇跡といってもいい」
(「レッツ☆ラグーン」4巻より)
つまりは最終6巻に”犠牲”と”奇跡”が起こるはずなのです。5巻時点では予想がつかないような、そして未来から来た山田さんなしには成し遂げられないような事態が起こるはずなのです。
未来製の無人島に高校生3人が漂着して、未来から来た自分がそれを導きます。3人の脱出は確定していますが、未来の自分はまだどうなるかわかりません。そう、じつは未来の山田さん自身の脱出も必要なのです。
3人+1人の脱出劇が、いよいよ最後の奇跡を迎えようとしているのです。
そして物語の結末は……
未来の山田さん、かっけー。 いよいよ3人のサバイバルは大詰めです。無人島からの脱出はできるのでしょうか。そしてみんなの恋愛はどこにゴールするのでしょうか。
で、次の6巻で完結なんですよ。すごい楽しみです。いまから読むのは間に合わない?いえいえそんなことありません。逆にずっと追いかけて来たファンからしたら今が読みどきじゃないでしょうか?
ここまで来るのに8年かかっています。2010年に1巻が刊行されて次の巻まで平均2年間必要です。毎回、1巻から読み直して早8年です。今一気読みしたら一番面白いにちがいありません。そして2年後の未来から最終6巻がどのようなメッセージを持ってくるのか、いまからじっくり謎解きしながら待ちましょう。
もー、すでになんども読み返すような名作です。そして完結直前っていちばんいいタイミングじゃないですか?リアルタイムで追いかけられる最後のチャンスだし、しかもやきもきさせられるのはファンのみんなと一緒にあじわえます。「2年間も新刊出ないなんて」とかいいながら2010年から待っている人たちといっしょに最終巻を待ってみませんか。
「恋愛」「SFサスペンス」そして「脱出劇」という盛りだくさんの内容のものすごいガチオススメ漫画です。そんなお話もラスト直前です。なんとキンドルでは1巻が無料です。ぜひぜひ手に取ってみてください。
追記:
な、なんと!岡崎武士先生からお返事いただきました。うれしすぎて鼻血出そう。これからも応援していきたいと思います。頑張ってください。
ブログ拝見しました!有難うございます!こんなに読み込んでいただけるなんて作家冥利につきます。お待たせしてすみません、1コマ1コマ妥協せずに描いてます。今後も応援よろしくお願いします!
— 岡崎武士@レッツ☆ラグーン5巻4/20発売 (@hapoi) 2018年4月21日
いつ、どこかもわからない無人島――。チカは未来山田へ想いを寄せている自分に気がつく。同じ山田を好きになった親友・ノリとの友情に揺れるが、この気持ちだけは譲れない。高校生3人組の関係が大きく変わる中、島に最大級のピンチが訪れる!!
<1巻は無料配信中>
目が覚めたら、そこは無人島だった――!! 詳しい状況は不明、記憶もはっきりしない中、不意に現れたのは同級生の衣舞瀬(いまいせ)チカ!! そして始まる2人きりの無人島生活。ここは男の天国か、それとも……!? そして2人のあいだに暗黙のルールができはじめたころ、新たな漂流者が流れ着き……!? 先読み不可能! 新感覚無人島サバイバルストーリー!!
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