【感想】祝・完結!『レッツ☆ラグーン(6)』素晴らしい恋愛、SFそして脱出劇のフィナーレをぜひ!【名作完成】追記:岡崎武士先生からお返事いただきました!
「レッツ☆ラグーン(6)」祝・完結です!
SF要素があって、ミステリ要素があって、サバイバルで、脱出劇で、しかも恋愛モノってどんだけ盛っている作品ですか、って感じです(褒め言葉)。5巻まで読んで「これは6巻で終わるのか?」と心配しましたが、お話が見事に閉じていく様子は素晴らしかったです。キャラクターは一人ひとりがみんないい味出してましたから、お別れするのはさみしいものです。本当に読んでいてよかったな、と思える作品でした。
それでは最終6巻を振り返ってみたいと思います。
こちらは5巻までのレビュー。3つの要素に分けて読み解いてます。ご参考にしてください。
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目次
レッツ☆ラグーン的恋愛事情
”チカちゃん”問題発生中
無人島は沈みつつあり、いよいよ最後の試練のときが近づいています。そんなときに勃発した大問題が……、あれ、チカちゃんの呼び方かよ!?
(「レッツ☆ラグーン」6巻より)
年上山田「チカちゃん」
高校山田(カチン!!)
神山さんは苗字で呼ぶのに、チカちゃんは下の名前で呼ぶ未来の自分がなんだか微妙に腹立たしい。オレじゃないお前が「ちゃん付け」で呼ぶのかよ、っていきなり自分相手にイラつく高校生の山田くん、どんだけ独占欲強いのよ。
(「レッツ☆ラグーン」4巻より)
実は4巻のころから、チカちゃんは未来の山田さんにちゃん付けで呼ばれていました。「ごめん……つい」って、いつも「チカちゃん」って呼んでいるってことですよね。10年後もそう呼んでるのか!?
(「レッツ☆ラグーン」6巻より)
高校山田くんは、よりにもよって大事なタイミングで「チカちゃん」問題勃発中です。ちゃん付けでモンモンとする高校山田くんを「教えないよ」なんてあしらう10年後の山田さん。昔の自分を思い出して赤面する未来の山田さんもかわいいです。
(「レッツ☆ラグーン」6巻より)
さて、紆余曲折がありましたが、結局山田くん、チカちゃんをちゃん付けで呼んでいるじゃないですか!チカちゃんって呼ばれて怒っていたの、ほんの少し前だよ、山田君。ついさっきまでイライラしてたくせにね。となりに過去の自分がいるんだから、 一度、そばにいる過去の自分にゲンコツで殴られてこい、って感じです。さっきまで
年上山田「チカちゃん」
高校山田(カチン!!)
忘れたのかよ!恋する高校生は無敵ですね。
追記:
ブログにて6巻感想拝見しました!5巻に続き有難うございます!山田くんがチカちゃんと呼ぶまでの1週間の二人きりのバカンス期間になにがあったんでしょうね。無粋になりそうなのであっさり描いてしまいました。次回作の折にはまた感想お聞かせください、有難うございました!
— 岡崎武士@レッツ☆ラグーン最終6巻発売中 (@hapoi) 2019年2月7日
岡崎武士先生からTweetの返事をいただきましたが、やっぱり最後の1週間のバカンスで進展があった模様。そういう設定だったのか、やはり!
山田くんはかつての自分がジェラシー覚えるほどの親密さになったに違いありません。でもノリちゃんは二人のラブラブモードからは置いてけぼりなんですね。ノリちゃんがかわいそう。まあ、10年後に核爆弾のように二人の前に出現するに違いありません。
「私で、僕で、ゴメン」
最終巻もノリちゃん(神山さん)のかわいさが炸裂します。半端ないです。
(「レッツ☆ラグーン」3巻より)
3巻で多くの読者を釘付けにしたシーンがこちら。チカちゃんに想いを寄せる山田くんに「私でゴメン」と健気なセリフをいうノリちゃんに男性読者はハートを撃ち抜かれてしまいました。
(「レッツ☆ラグーン」6巻より)
ノリちゃんは現在高校生の山田くんのことが好き。10歳年上の未来の山田くんはお返しとばかりにノリちゃんに「(高校生の山田じゃなくて、10年後の)僕でゴメン」といいます。うわ、めっちゃいいな、このシーン。お返しかよ。
「もう帰らないとダメっスかね」
(「レッツ☆ラグーン」6巻より)
まてこら、ノリちゃん。
漫画の根本をゆるがすような問題発言です。基本的に「レッツ☆ラグーン」はお家に帰るのがテーマのお話です(場所よりも主に時間ですが)。それなのにノリちゃん、サバイバル無人島でなんぼ山田くんのことが好きだからって「このままじゃお家に帰れない」とか言い出すなんてノリちゃんらしすぎて笑いました。まずは無人島脱出しようよ、ね。
そういうところも含めてノリちゃんは最後まで花丸&二重丸なキャラでした。願わくは未来のノリちゃんも幸せになってほしいです。
時系列問題
『レッツ☆ラグーン』では避けて通れない、めちゃめちゃ入り組んでいる時系列問題です。この作品では霧が出ると別の時間にふっとばされます。違う霧がいっぱいありますので、何が何だかわからなくなります。
(「レッツ☆ラグーン」2巻より)
最初の2巻ですらこのレベルの混乱具合でした。
(「レッツ☆ラグーン」4巻より)
4巻の図ではねじれが入ってきました。ここの時点での考察は前の記事で行っていますのでご参考にしてみてください。
時系列表(完成版)
(「レッツ☆ラグーン」6巻より)
そして、最終6巻の巻末にはようやく全時系列が載ってくれました。いやー助かりました。もしかしたら自分で作る羽目になっていたかもしれません(半分本気)。キーワードは”霧”です。
6つの霧
1) 修学旅行フェリー追突事故の霧(7/1)
2) 追悼線のときに出現した霧(7/8)
3) 未来山田が島に来るために利用した10年後霧(10年後の5/21)
4) 山田とチカをバカンスに導いた霧
5) 島全体をタイムスリップさせた霧
6) いつとつながっていたか不明な霧
時系列を見ると6つの霧が存在します。それぞれ多くの場面で現れて、どれがどれに結びつくのか混乱しますが、6個あって、主に1)-3)が大事な霧です。
4)は最終6巻の最終場面の霧です。5)は島全体が登場人物といっしょにタイムスリップしたため実質、場面展開だけです。6)の霧はスカです。
以上を考慮して、全66エピソード+Epilogueを時系列表に書き込んでみました!
(赤字は管理人によります)
おそらくはこんな感じになるのではないでしょうか?個人的な書き込みですので正確でない部分もあるかと思いますが、これで全体のお話の流れがつかめるはずです。
『レッツ☆ラグーン』を読んでいると、映画『ファイナル・カウントダウン』という古い映画のことを思い出さずにはいられません。 嵐をきっかけにアメリカ空母ニミッツがタイムトラベルしてしまいます。第二次世界大戦に原子力空母が出現するわけです。いろいろなことがあり一人を除いて全員が現代に戻ることができますが、その残った一人が……、というおはなし。
伏線について
魚獲り用のモリ
(「レッツ☆ラグーン」6巻より)
(「レッツ☆ラグーン」1巻より)
伏線について気がついたことを書いていこうと思います。まずはモリ。6巻を読んでいて、モリは置いていけ、ってなんだっけ?と思いましたが、1巻の一番最初にモリを使ってイカダのオールにしていたんですね。それ以降も魚をとるのに大活躍のモリでした。ここで置き忘れると山田くんたちは餓死します。
太陽の昇る方向を変える
(「レッツ☆ラグーン」6巻より)
(「レッツ☆ラグーン」3巻より)
柴田先生の伝言ツッコミはもともとが3巻(チャプター31)です。沈む夕日と同じ海岸で朝日を見たことがあって大混乱、でも先生はあんまりお構いなしで女の子の話ばっかりしてました。
たぶん未来の山田くんが先生の髪の毛をもらいにいって、「実はあのあと実際に島動かしました」 とか言ったんでしょうね。
細かい疑問点
第4のDNA
(「レッツ☆ラグーン」6巻より)
読んでいて気になった点をいくつか書きます。まずは柴田先生のDNA。現時点で生存者は4人ですが、柴田先生のDNAである必然性はないはずです。お姉ちゃんのものでもいいはず。
……っていうことは未来の山田くんは、お姉ちゃんより柴田先生の方と友だちなのか? 髪の毛を切らせてくれるぐらい仲がいいとか?27歳だから一緒に悪い遊びをしているとか?なんて変なことを考えたりしてみました。
タイムパラドックス
(「レッツ☆ラグーン」6巻より)
時系列問題の派生ですね。タイムパラドックスはいつ発生するのでしょう?おそらくは島の時間の流れと通常の世界の時間の流れは違うのだと思います。島ではタイムパラドックスが起こらず、元いる世界に戻るとタイムパラドックスが起こる、という状況なのでしょうか。
この島では同じ山田くんが最終6巻の帰還の場面では、未来の山田くん(隠れている)、バカンス山田くん(水着)、そして最初の山田くん(はじめての漂着)の3人が同時に存在しているはずです。これでタイムパラドックスがあるならメチャクチャです。実際にもどった世界ではタイムパラドックスが働いてしまう可能性がある、ということなのでしょうか。
そして未来へ……
(「レッツ☆ラグーン」4巻より)
4巻で胸がキュンとさせられたシーンです。山田くんとチカちゃん、ノリちゃんにはどんな未来が待っているのでしょう? みんな幸せになれるのでしょうか。
特にノリちゃんはひとり17歳で10年後の未来に戻るのですから、
山田くん 27歳
チカちゃん 27歳
ノリちゃん 17歳
という事になる予定。
冷静に考えたらどうするんだろう?ノリちゃんは高校に戻れるのかな?家族とはどうやって暮らすんでしょう?それより、17歳のノリちゃんと腕を組んで戻ってきた山田くんを、未来のチカちゃん(27)はどんな感じで迎えるのでしょう?
本当にね、ぜひ番外編でもう一巻ぐらい描いてほしいです。未来編、過去編、そしてあり得なかったタイムパラドックス編とか、ぜひ希望です。
まとめ
『レッツ☆ラグーン』全6巻、完結おめでとうございます!
本当に、本当に素晴らしい作品でした。特にずっと追いかけてきたファンとしてはまずは終わってよかった!というのが本心です。11年間かけて連載された作品でしたから、最終巻を読むことができて感無量です。岡崎先生も連載中はいろいろあったと思いますが、本当にお疲れ様でした。
最初からエピローグをめがけてすべてのお話が進んでいたいと思いますし、その作品構成は素晴らしいと思います。しかし、それ以上にキャラクターが良かったです。チカちゃんも良かったですし、途中参戦のノリちゃんが最高にいい味を出してくれていました。エピローグでノリちゃんと山田くんがなんだかいつもののりでフェードアウトしながら島を脱出していくのを見て、ついに終わっちゃったんだなと思いました。祭りが終わったあとのさみしさです。
時系列表を確認するのに全6巻を読み直してチャプターを書き込んでみましたが、一コマ一コマに立ち止まってしまってなかなか読み進められませんでした。あらためていい作品だと思います。岡崎先生の絵がやっぱりいいですよね。見惚れてしまいます。
11年間、お疲れ様でした。岡崎 武士先生の次回作にもすごい期待したいと思います。あー、いい作品でした。まる。
追記:岡崎武士先生からお返事いただきました。
そうか、最後の1週間のバカンスでやっぱり二人は進展があったのか……!それで最後に「チカちゃん」って呼ぶんですね。
『レッツ☆ラグーン』はめっちゃ好きな作品でした。次回作も期待して待っています。本当にご苦労様でした!!
ブログにて6巻感想拝見しました!5巻に続き有難うございます!山田くんがチカちゃんと呼ぶまでの1週間の二人きりのバカンス期間になにがあったんでしょうね。無粋になりそうなのであっさり描いてしまいました。次回作の折にはまた感想お聞かせください、有難うございました!
— 岡崎武士@レッツ☆ラグーン6巻2月6日発売 (@hapoi) 2019年2月7日
レッツ☆ラグーン(6) (ヤンマガKCスペシャル) コミックス – 2019/2/6 岡崎 武士 (著)
無人島の崩壊はもう誰にも止められず、漂着者たちに残された時間はたった2時間弱。山田は元の世界に戻るため、一世一代の勝負に打って出る。果たして山田たちは無事脱出できるのか!? そして恋の行方は!? 絶対見逃せない最終巻!!
ご参考になりましたら幸いです。
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