【感想】『パーム(40) TASK V』獸木 野生 (著) ジェームス絶不調!そしてアンディとの別れ……?【マンガ感想・レビュー】
『パーム(40) TASK V』出ました!
ジェームスが絶不調です。
マフィア組織を継承し、殺人鬼とタイマン張るぐらいの体力の持ち主ながら、じつは体が弱いジェームス(←ここ笑うところ)。ジェームスは精神的にジョゼとシンクロしているし、アリスとも、アンディーとも会わないでいると自分か相手が死んでしまいます。なんていうか、共依存体質?
ジェームスと新婚のジョイはカーターさんの妹。でも殺人事件に巻き込まれて、旦那のジェームスは水責めの後で三途の川をわたりかけちゃうし、ジェームスとアンディの♂x♂関係の複雑さに結婚したばかりなのに悩まされてしまいます。
今回は特にジェームスとアンディの関係が大きく動いた40巻でした。さまざまなトラブルを起こして来たジェームスとアンディのボディタッチを見ることはもうないのでしょうか?みんなが幸せになれるか、とっても不安になった40巻でした。話に引き込まれてしまいます。次巻がすでにまちどおしです!
FBIやフロイドらによって無事救出されたアンディとジェームス。だが、ジョゼはさらわれ、ジェームスは謎の昏睡が続く。やがてジェームスは目覚めるものの、アンディとジェームスの関係は、不可逆の流れで変化しようとしていた――。
※ 電子書籍と実本では巻数が1巻ずれているようです。今回は実本で40巻。電子書籍は39巻になるようです。ブログでは実本を元に記載していきますので、ご注意ください。
ジェームス、目を覚ます
今回はジェームスはアンディと一緒に水責めを受けます。ジェームスはずっと徐脈のまま目を覚ましません。ようやく新婚のジョイのまえで目が覚めます。
ジョゼ、目が覚める
ジョゼはジェームスと精神的にシンクロしていますから、ジェームスが目を覚ましたのでジョゼも意識を取り戻したのでしょう。
ジェームスを水責めしたウルフは、次にジョゼを誘拐します。ジョゼの幼少時から虐待をしていたあったウルフはジョゼを使ってジェームスをおびき寄せようとします。
ジョゼが消えそう
幽霊体質なジョゼは、存在が消えかかっています。ジョゼの肉体の実体があまりないような感じです。ジョゼを誘拐したウルフの方が逆にジョゼから逃れられなくなっています。実体が薄くなっているジョゼ。それはシンクロしているジェームスもヤバいってことなんでしょうか?
ジョゼは死にかけている パーム37巻
(パーム(37) TASK IIより)
彼女(ジョゼ)は死につつあるんだ
思い出されるのは、37巻のフロイドとジェームスの会話。ジョゼは死につつあるといったジェームス。つまりは自分も死につつあるんでしょうか?昔のパームブック見たらわかるんですけど、どんどんと話が進んでいるのがこわいですね。
フロイドはある意味すごい不幸です。
ジョゼに結婚申し込む→ 激しく振られる→ ジョゼは結婚を断ったことも忘れる→ ジェームスに相談→ ジョゼ、死につつある→ ジョゼ誘拐される→ 病院飛び出し捜査
なんか、ジョゼに振り回されています。かわいそすぎる。
ジョゼ、お泊まり パーム24巻
(パーム(24) 愛でなく Xより)
ジョゼ史上最高にハートが飛び交っていた24巻がなつかしすぎます。
ジョゼは無表情な能面なのに、24巻はかわいいなぁ。あんなふうにフロイドとずっと幸せになれたらいいのに。でも、ふたりの蜜月は長くは続きませんでした。
アンディ(バイ)、ジョイ(奥さん)を問い詰める
彼には言ってないだろうね?
こいつらは!
ジョイはジェームスと新婚です。常識からすると、結婚したばかりの新婦さんに旦那さんのことが好きだってゲイが告白するってどうなのよ?三角関係・異種格闘技戦みたいな感じです。アンディったらバイセクシャル(女性も男性もいける)で、24時間以上ジェームスと接触をしていないとジェームスの命に危険が起きます。
ジェームスは性的にはストレートで古典的な恋愛関係を理想としているようですが(……ちがうのかな?)、どうもまわりはヘテロも、ホモも、コンピュータまで、ジャームスが好きすぎです。
アンディは愛してる パーム39巻
(パーム(39) TASK IVより)
愛してる(ジェームスのことを)
「(ジェームスのことを)愛している」って、アンディは奥さんのジョイには言うのに、ジェームス本人には言わないのかよ?こじれまくっています。
パームシリーズの第7話は「愛でなく」です。英語でのタイトルは、
Not Love, But Affection.
となっています。愛ではなく、愛情。
パームシリーズで描かれている強烈な個性とそれを取り囲む愛と愛情はまるで奇跡のように思えます。
40巻にでてくる人物だけも、みんな強烈すぎます。濃いキャラたちはみんな一生懸命生きています。仕事も恋愛も。そしてお互いに愛情をもって尊重して、そしてぶつかりあっています。
でもジェームスの結婚やトラブルでおおきく人間関係が動いています。「愛でなく」と言っていたのは遠い昔。最終話に入ってからは「愛」Loveと「愛情」Affectionが大きく動き出しているように思えてなりません。
ジェームス、再び倒れる
さて、ベッドで一緒に寝ているジェームスとアンディ。ちょっとあやしい雰囲気になったところで、またジェームスが倒れてしまいます。
ジェームス、三たび倒れる
ジェームスが倒れるのは3回目。なんとなく倒れる原因がアンディではないかとジェームス本人は気付き始めています。隣で見ていたカーターさんもそれに気付きます。
実は、水責めにあってからアンディと接触すればするほどジェームスの調子は悪くなっていたのです。いままでは24時間以上接触していないと命に関わっていたのですが、逆に水責め以降はアンディに接触するとジェームスは倒れてしまいます。
物理的に距離を取るためアンディはロスに帰ることになります。いままでずっとジェームス&アンディの24時間縛りをずっと見ていた読者としてはさみしい限りです。
アリスvsアイラ
パームシリーズの最初っから登場しているアリスちゃん。アイラさんとバトルになります。アリスとアイラさんは、めちゃくちゃ相性が悪そうです。これからアイズとの戦いで、アリスの自己学習型コンピューターの意味合いが大きくクローズアップされてくるに違いありません。
さて、これから以降はパーム劇場です。どこのシーンがどこにつかがっているか、昔からのファンならきになる引用先をチェックしてみました。
アンディの反抗期には慣れている、の巻
登場人物のこんな掛け合いが好きです!
「タスク」に入ってからはシビアな展開ばかりで、こういう感じが少なかったです。自分たちのこと、作品名で引用するなよ。
アンディの反抗期 パーム17巻
(パーム(17) 愛でなく IIIより)
「愛でなく」 のアンディは不安定極まりなかったですね。そのせいでゲイ(というかバイ)に目覚めてしまいました。個人的には環境会議にアフリカから来てアンディと付き合ったオクヨルン(♀)がかわいそう。
病院抜け出すフロイド (前科あり)
杖が要らない分 今回の方がマシだ
足をケガしたフロイド パーム17巻
(パーム(17) 愛でなく IIIより)
フロイドはこの爆破事故の後、病院を抜け出します。足のケガなので杖をついていました。これが40巻での会話です。彼の場合、背は小さいけど情熱家で直線的な性格なので病院のシステムは合わないでしょうね。病院に入っても抜け出します。
病院に順応しているのはやっぱりカーターさんとジャネット。ジャネット(カーターの婚約者)は看護師で、性格も天使。カーターは医師でしたが何を思ったか探偵やっていました。パームのキャラはあんまり病院に長居するタイプはいないかもしれません。
まとめ
やっぱりパームはいいです!
注目はやはりジェームスとアンディの関係です。いままでは24時間縛りがあったのに逆に今度は接触したらダメとか、一体どうなるんでしょう?このままアンディはジェームスと距離を保って、パームから退場?いやいや、そんなバカな!
ジョゼがとっても気になります。ジョゼはジェームスにシンクロしていますから、ジェームスとジョゼは二人して調子悪くなって、二人して気を失って、変なところばっかり同じタイミングになってしまいます。ジョゼはフロイドと幸せになって欲しい!でも無理なんでしょうね……。
アリスが自己学習型コンピュータとして急に注目されています。でもこれってもしかしたらアリスがアイズと同化するってことなんでしょうか?ジェームスの敵であるアイズをアリスが取り込むことになったらどうなることでしょう。
結構出てきているけど、現時点では動きがないサロニーJrがどんな役割をはたすのでしょう?これからのキーパーソンになりそうな予感。そしてアンジェラとカーターさん。とくにカーターが意外と動きが少ないですね。いまは状況の実況中継の係な感じになっています。
パームシリーズは素晴らしい良質な海外ドラマを見ているようです。最終話である第10話「TASK」も5巻まで来ました。第7話「愛でなく」が12巻でした。最終第10話はそれ以上の長編になるらしいですから12巻以上。そうなるとようやく序盤というところでしょうか。
特にパームシリーズでは毎回毎回、コアなファンにしかわからないことばかり書いてすみません。でもとても深くて面白い作品です。知名度は低いかもしれませんが、本当にオススメだと思います。すごい面白いからハマっちゃえよ!ごく一部のコアな漫画ファンにのみオススメです!!
ご参考になりましたら幸いです。
<PALMシリーズ構成>
第0話 お豆の半分
第1話 ナッシング・ハート
第2話 胸の太鼓
第3話 あるはずのない海
第4話 スタンダード・デイタイム
第5話 星の歴史
第6話 オールスター・プロジェクト
第7話 愛でなく
第8話 午前の光
第9話 蜘蛛の紋様
第10話 TASK<タスク> ←いまここ
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