【感想】『サンストーン vol.1』 (G-NOVELS) ステファン・セジク (著), 上田 香子 (翻訳) ”待って! 閉じないで! これは……”【マンガ感想・レビュー】
『サンストーン vol.1』でました!
”待って!
閉じないで!
これは、ホットなレズビアンの
ボンデージ・xxxを描いた本よ”
これすごいキャッチコピーですね!百合界隈ですごい話題の『サンストーン』、百合の黒船来襲です。アメコミで活躍中のステファン・セジク氏のレズビアン&ボンデージの作品です。(追記:キャッチコピーをタイトルに入れていたら、案の定グーグル先生に無視されました。この記事、検索外になっています。とほほ)
ど直球のレズビアンのお話ですが、文化が違えば表現も違うんですね。ボンデージは前半は比較的マイルドですが、きっちり後半には入って来ています。『サンストーン vol.1』はネットで知り合った二人が初めて直接会うところから始まります。
とにかくすごい人気です!
実本で結構前に予約していたのですが、発売当日でも予約受付中の表示のままで発送日未定でしたので実本をあきらめてKindleで購入しました。ぜひぜひ自分の目でお確かめください!
(以下、性的な表現がありますのでご注意ください)
ところでタイトルの”サンストーン”ですが、宝石の一種です。
日長石(サンストーン)
日長石(にっちょうせき、sunstone)は、長石グループに属する宝石。 灰曹長石のジュエリー級のものがサンストーンと呼ばれる。紅色の長石でアベンチュレッセンスを持つので、アベンチュリン[1]フェルドスパーとも呼ばれている。月長石と対になることから日長石(サンストーン)の名がついた。ギリシア語で「太陽の石」という意味のヘリオライト(heliolite)という名もある。
サイド・ストーリー 古来より太陽の力を宿す石として扱われる。古代ギリシャでは太陽神の象徴として崇められ、お守りにしたり、毒を中和させる目的で杯や皿に使用された。インドではお祝いの儀式の時に使われていたという伝承がある。またリウマチの治療などにも用いられていた。 十二星座では獅子座、天秤座、惑星は太陽に関係が深いと言われる。
(日長石 - Wikipediaより)
アリー&リサ
ネットで知り合った二人が初めて出会った夜です。メガネのアリーが女王様、後ろから抱きかかえられているのがリサです。
二人を止める言葉は、”サンストーン”
二人の関係がスタートする前に、二人は合言葉を決めます。その言葉が出たらアリーは女王をやめ、リサは奴隷をやめます。関係をストップするための合言葉が”サンストーン”です。
”今夜は長く楽しい夜”
アリーに支配されながらリサは思います。
”ありがとう、神様!彼女、最高のヘンタイだわ!”
二人はラバーのボンデージを身にまとい、今までにない夜を過ごします。
”アフターケア”
初めての夜を越えた二人。ゆっくりとクールダウンしようとしますが、一度燃え上がった二人はまたお互いを求めます。
2日目の夜、女王と奴隷
ここからさらにボンデージ炸裂です!
2日目はキャットスーツ。リサが膝にしているのは足を閉じることができないようにする”拘束棒”とか”棒枷”と言われるものです。両手も首輪につながれて拘束されています。個人的にはボンデージのキャットスーツ系なら本当は色は黒でハイヒール着用が最高です。ボールギャグに注釈が付いていたりして、なんとなく翻訳者のやさしさが心にしみました。
2日目の夜を越えて
たった2度の夜。それでもリサはアリーが今までの人生にない大きな存在になっていることに気づきます。アリーも同じように思っています。二人は別れたあと、お互い喪失感を感じる空虚な時間を過ごします。そして二人はまたお互いに求め合うことになるのです。
まとめ
以上、『サンストーン vol.1』なかなか読み応えがありました。
アメコミなど海外の漫画を全然読んだことがなかったのでセリフのふきだしもなんか変な感じだし、アリーとリサの口元の表現がちょっと違和感あったり、電書でも読む方向が日本の作品と逆だし、情報が多すぎてコマ割りも見づらくて、とまどうことがいっぱいありましたがそれを超えるような作品の内容の深さがありました。やっぱり、
海外+百合+ボンデージ+拘束
っていうものを見て見たいじゃないですか!ここにその一つの答えがあります。そしてやっぱり性的にマイナー趣味のヘンタイであっても、やっぱり大切なのはお互いを思う心です。今回の作品もきっちりリサとアリーが恐る恐る、確かめながらお互いを求めあって、相手を大切に思っているのがとてもいいです。
なかなか実本が入手しずらい状況のようですが、それも納得の一冊でした。すぐに見たい人はKindleがオススメです。セリフがかなり小さいので、できたらiPadなどで見たらいいかもしれません。
コミックやエンタメ、芸術などの表現が世界的にこういうものを受け入れるようになってきたのでしょう。この作品は新しい時代の幕開けを予感させます。手にとって新しい風を感じてみないか?オススメでした!
「待って! 閉じないで! これは、ホットなレズビアンのボンデージ・セックスを描いた本よ」 彩色耽美のオトナ百合アメコミ! 「LGBTQ*」と「BDSM**」を描く、ちょっとエッチなロマンティックラブストーリー、待望の邦訳化!
仕事で成功を収めているアリーは、支配者タイプの女王様。 一方、作家志望のリサは、縛り上げられ服従したいという秘密を持っていた。 ネット上で出会った2人は、数ヵ月間チャットでの会話を愉しんだのち、実際に会って相性を確かめてみることを決意する… SMという淫らな欲求を押し隠してきたアリーとリサの恋の行方は? 女王様と奴隷の関係を越えて、お互いの心を開ける?
アメリカの大手コミック出版社で活躍するアーティスト、ステファン・セジクが描く、官能的でエロティックな登場人物が魅力のコミック本編に加え、巻末では「制作秘話」「ボツ表紙」「ラフスケッチ」「ピンナップ」を収録。 さらには、ステファンの妻リンダのコミック『Blood Stain』とコラボし、アリーとリサをネットゲームのキャラ化させた「デザインシート」など、盛りだくさんのアートワークにも大注目!
*「LGBTQ」:レズビアン、ゲイ、バイセクシャル、トランスジェンダー、ジェンダークィア等の性的少数者を示す言葉
**「BDSM」:ボンデージ、ディシプリン、サディズム、マゾヒズム等の嗜虐的性嗜好を示す言葉
ご参考になりましたら幸いです。