【感想】『さらば、佳き日4』茜田 千 (著) そして僕たちは途方にくれる……。【マンガ感想・レビュー】
『さらば、佳き日』4巻出ました!
表紙は珠希ちゃんです。今までの青、緑系の表紙から一転、オレンジ色が鮮やかです。この表紙、すごい好きです。
2巻で修学旅行でみんなが京都に行ったのも紅葉の季節でした。でも珠希ちゃんの服装が違うから、それとは別の紅葉なんですね。あふれるような赤い色のなかで珠希ちゃんは何を思っているのでしょう。
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ペンネーム文乃ゆき先生での「ひだまりが聴こえる-リミット-1」も12月20日にKindle発売予定のようです。ものすごく待ちましたけど、楽しみです。
母親とはほぼ絶縁状態で短大に進んだ晃ちゃん。学費を全部自分で出して、保育士を目指しています。いまはインターンで保育園で働いています。晃ちゃんの涙って破壊力ありますよね。通常は武士モードなので、思わずあふれ出てくる涙に胸が締め付けられます。
3巻で母親とケンカして家を飛び出した兄の桂ちゃん。母親に水ぶっかけられてから風邪気味です。
親のところを飛び出したのはいいけれども、行くところもなく晃ちゃんをさがしに大学まで行ってしまう桂ちゃんですが、風邪をひいてフラフラです。晃ちゃんが家を出てからずっと会ってなくて、姿を見かけても思わず隠れてしまったりします。ようやく会えたとおもったら、晃ちゃんの玄関には男性が!?まあ桂ちゃんの勘違いなんですが、ヘタレの桂ちゃんは一つ一つに逃げてしまいます。
晃ちゃんの泣き顏をみて、思わず桂ちゃんは……。
桂ちゃんはそのまま倒れてしまいます。
眼鏡を外した桂ちゃん。
ぶっ倒れて結局、晃ちゃんのところに転がり込みます。それでも以前とは違って、親から離れて自分の意思で別の道を切り開こうという意思が見えます。桂ちゃん、今までヘタレだったのに、どうした!?そんな桂ちゃんを見て晃ちゃんも一緒について行くことを決めます。
強力な母親から二人は逃げます。桂ちゃんは今の仕事をすでに辞めています。晃ちゃんは就職が決まっていた保育園を辞退します。短大の卒業式をでないまま、二人は富山に行きます。
剛くんと珠希ちゃんはお互いに無い物ねだり。
珠希ちゃんは、ゲイの剛くんが桂ちゃんによせる気持ちに気付いてしまいました。珠希ちゃんは剛くんが好きですけど、自分の気持ちがどこにも届くことがないと知っています。
母親から逃げて、駆け落ちみたく富山まで来た二人。周りは知らない人ばかりです。晃ちゃんと桂ちゃんは二人の関係をどのようにするつもりなのでしょう?兄妹にもどるか、あるいは新しく全く別の関係をつくるのでしょうか。
離れてても思い出せるように
それって、晃ちゃんが桂ちゃんのもとを離れて二度と戻らないかもしれないってことです。今までいろいろなことを決めることができなかったヘタレの桂ちゃんに、きちんと方向を決めてもらうため、晃ちゃんは東京に戻ります。決めるまでは戻ることができません。
いやあ、切ないですね。とくに晃ちゃんが自分の幸せを投げ捨ててでも桂ちゃんが幸せになるように行動しているように見えて仕方ありません。兄妹だから許されない恋。ヘタレの桂ちゃんは一人では生きていけないし、武士モードで自制心がある晃ちゃんも他の人から見たら桂ちゃんのことを特別に思っているのがダダ漏れです。
二人でしか生きられない。でも二人では認められない。どこにも行けない二人はこれからどこへ行くのでしょう?4巻は分岐点の二人でした。ものすごいおすすめです!
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