【感想】「たそがれたかこ(9)」入江喜和 読むべき人に届いて欲しい名作、終了直前!【ネタバレ漫画レビュー】
(2017.08.11更新)
読むべき人に届いて欲しい、そんなすばらしい作品です!
心ゆさぶる名作です。主人公のたかこさんは中年45歳のバツイチの日陰キャラ、子供は拒食症で登校拒否。河川敷で一人酒飲んだりして、本当にひっそりとしたお話です。
でもロックバンド・ナスティインコ(原型はクリープハイプ)のファンになって、コンサート行って、碧海くんと出会って、娘はちょっとだけ光を取り戻して……。そう、作品のなかのひとつひとつはちょっとしたこと。でもすごく心に響きます。
そんな「たそがれたかこ」が終了直前!今回9巻が出ましたけど、次の10巻で完結だそうです。ああ、終わっちゃうんだ。終わってほしくないなぁ、本当に。
『このマンガがすごい!2015』でオンナ編第8位ですけど、一人でも多くの人に知ってもらって、この作品を読んでもらえたらいいな、という作品です。絶対読んで心に響く人がいっぱいいると思います。そんな人に届け!!
進学先選びの学校見学で、会いたくない人に出会ってしまった一花。また自分の殻に閉じこもってしまうのか――。そんな不安が頭をもたげた矢先、たかこにも一花にも大きな転機が訪れる。そしてサンコートカタオカの住人の人間関係にも大きな変化が…!!
<ついに最終10巻、感想です>
kaigyou-turezure.hatenablog.jp
以下、9巻ネタバレです。
一花、高校見学できず
一花は中学3年生で拒食症で不登校になり、離婚した夫の元からたかこのもとへ移りました。そろそろ進路を決めなくてはいけない時期ですが、見学に行った高校に会いたくない先輩がいて再び自分の殻に入ってしまいます。
たかこさんとエレキギター
たかこさんは一花と散歩しているとき、体の底から湧き上がってきた感情に任せてナスティインコの歌を絶叫します。そしてやったこともないギターを買うことを決意します。
「好き」が世界をかえることを
そう、たかこさんはちょっとだけ変えようとしているのです。自分の「好き」が一花を、そして世界を変えるのを期待しているのです。
まきっぺ、妊娠する
まきっぺは年上の美馬さんと半同棲中。なのに年下の公平くんとも寝てしまいます。まきっぺは美馬さんの元を去ろうとします。物分かりのいい美馬さんにブチ切れるまきっぺは爆弾発言投下。あちゃー。
しかも直後に美馬さん倒れてしまいます。
碧海くんがいなくなる……
たかこさんと同じナスティインコのファンである碧海くんは中学2年。たかこさんは45歳。でも、たかこさんは碧海くんが好き。でも碧海くんは4月から引っ越すことになります。気軽に声をかけたり、ナスティインコの話をすることができなくなります。
一人になるまでなかなか泣けない中年のたかこさんは、一度流れ出すと涙が止まりません。でもね、自分の娘の一花が中3で、碧海くんは中2だからね。
一花と高等専修学校
庭が気になった高等専修学校に見学に行きます。一花はそこでほんの少し不思議な体験をします。知らない人とは極端に話ができない一花ですが、この学校の先生には自分のことを話すことができます。
不登校の一花としてはものすごい進歩です。先生は一花に飛び入りで授業に参加してみないか、と提案しますが……。
10巻予告
うわー!本当にあと1巻で本当にもう最終巻なんですね。みんな、収まるところに収まってくれるのでしょうか?
一花が一番心配。本当にね、かあちゃんの気分ですよ。
たかこさんと碧海くんも一体どうなるんでしょう?3月末の引越直前に一緒にライブ行くことになったみたいですけど、どうするんだ?
まきっぺは美馬さんと公平くんとどうするんだ?それ以上に赤ちゃんどうするの?
いっぱいいっぱい思い入れがありますが、みんなうまく着地してほしいですよね!
クリープハイプを聴きながら
ロックバンド・ナスティインコの原型はクリープハイプです。ブログ管理人はクリープハイプ、結構好きです。車の中でもガンガンかけています。「たそがれたかこ」をクリープハイプを流しなが読むとイメージがかなり変わりますよ。思ったよりロックな漫画だな!
入江先生がクリープハイプの大ファンで、6巻ではクリープハイプの尾崎世界観さんとの対談が収録されています。入江先生はエレカシも好きらしいです。わかるー!
クリープハイプ おやすみ泣き声、さよなら歌姫
この曲はメジャーファーストシングルです。この曲は本当に好き。
管理人はこの曲を聴いて一発でクリープハイプのファンになりました。
クリープハイプ 憂、燦々(ゆう、さんさん)
資生堂の日焼け止めのCMタイアップ曲です。一番有名な曲ですよね。
クリープハイプの始めてのベスト盤。おすすめです。
「たそがれたかこ」はいよいよ次の10巻が最終巻になりますが、本当に楽しみで、しかも残念。決して読者全員が感動する作品だとは思いません。でも、届く人には深く深く刺さるに違いありません。
本当に読んで欲しい人に届いて欲しい作品です。興味があったらぜひチェックしてみて下さい!
試し読みはこちらから。
1巻だけだと生活感が強いかも。できたら2、3巻まで読んで欲しいです。もしくは5巻か9巻を試し買いもいいかも?
たかこは、母と暮らすバツイチ45歳。深川から自転車で新大橋を渡り、社員食堂のパートに通う。とくに大きな原因はない。逆にすべてが原因でイヤになっているのだろうか――。このところ、夜にやられて隅田川のほとりで一人、酒を飲む。ところが、だれもいないと思ったそこで、声をかけてきた男がいて――!? ふんばりざかりをふんばる人に、届けたい物語。