【感想】『さよなら、またね。』優 がもの凄く良かった件【ネタバレ漫画レビュー】
(2017.09.25追記)
2017.07.01に優先生が亡くなられたそうです。本日9月25日にご主人がTwitterで報告されました。
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本当に優先生の作品が好きでしたので、とてもとてもショックです。
優先生の短編集『さよなら、またね。』がもの凄く良かったです。
7編プラスカバー裏のおまけマンガでオールカラーです。なので、ちょっと短め、お値段高め。でも買って良かったです。
自分でも気づかないほんのちょっとした心の傷を優しく包むような良作。優先生のほんわか具合があふれてきています。
あと、おまけマンガが素晴らしすぎました。第1話『さよなら、またね。』読んでから、最後におまけマンガ見たらうるっと来ちゃいました。
ちょっとこれ、名作なんじゃないですか?
絵は、今も描いていますか? 私が寄せ書きに似顔絵を描いた篠原くん。難しい病気にかかってしまった君に、私はテキトーな絵を描きました。ひょろりと背が高くて、猫背で、めったに学校に来ないから、「透明人間」って言われてた君が、化けて出てくるなんてね。切なくてほろ苦い思い出をつづった表題作『さよなら、またね。』の他、大好きな先生の為にウエディングドレスを試着する『なつのいと』。中学の時、つけられたアザがいつまでも消えない『きずあと』など、美しいイラストで紡がれた、切なくて懐かしいフルカラー作品集です。
第1話『さよなら、またね。』
病気の篠原くんと、絵が上手な井上さんのお話です。
病弱な篠原くんは生まれ変わる前に井上さんに会いに来ました。 コミック表紙でアイス食べているのが井上さんで、後ろからにょろりと出ているのが篠原くん。
井上さんは篠原くんにちょっとだけ悪いことをしたと思っています。
篠原くんは井上さんに感謝しています。
お互いの感じのすれ違いをうまく描いていて、二人の感じがとてもいいです。ちょっぴり切なくて温かいお話になっています。
そして最後におまけマンガを読んだら、ちょっとうるっときました!
ここにオチがあるなんて、予想外すぎて不意打ち食らいました。いいお話でした。
第7話 『きずあと』
小山ゆいちゃんは絵が好きな女の子で、自己評価低め。クラスでは孤立して一人で絵を描いています。
彼は能天気で楽天家。別に彼女がいるらしいけど、小山ちゃんを応援します(たまに)。ちなみに名前が出てこない。
応援されちゃった小山ちゃんはふてくされながら、頑張って一緒の高校に進学します。他に彼女がいても彼のことが気になります。
心にあるちょっとした傷と、おでこに残ったきずあとが小山ちゃんの初恋のなごりなんだね。 ほろ苦い高校の一ページ。
優先生はAmazonではちゃんと検索できません。「優」って入った本がバクで大量に引っかかるか、『さよなら、またね。』だけがぽつんと出てきます。Amazonさん、どうにかしてください。
優先生はおおかみこどもの雨と雪のコミカライズ全3巻と、五時間目の戦争が連載中です。3月4日に4巻が新刊予定です。
『五時間目の戦争』は戦いの状況が全然わからないのですが、比較的ウツ展開なので今回の短編集もちょっと心配だったのですが、買ってみて本当に良かったです。
その他の短編もSF的な設定もありますが、異世界にジャンプするようなものではありません。メインで描かれているのはちょっぴり切ない心の動きです。
優先生の素晴らしい作品がでましたので、皆さんもぜひ手に取って見てください。
かなりおすすめ。
(2017.09.25追記)
優先生が亡くなられたなんて、残念すぎて言葉になりません……。
「さよなら、またね。」ってタイトルの通りのセリフを優先生がどこかで言っているような気がしてなりません。泣けてくるね。
……やっぱりさ
生まれ変わったら
今までのこと全部忘れちゃうの?
いつもこういうこと考えていたのかな、優先生は。はぁ、切なすぎますね。もう優先生の新しい絵を見ることができないのは本当につらいけど。きっと優先生は生まれ変わっても絵が好きな子になるよね。
「さよなら、またね。」
ただただご冥福を御祈り致します。合掌。
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