【感想】『すこしふしぎな小松さん』大井昌和 女子高生・小松さんのSFハマりっぷり!【ネタバレ漫画レビュー】
『ど根性ガエルの娘』(大月悠祐子先生)を読んでいる人なら知っている、大月先生の旦那さんが大井昌和先生です。その大井昌和先生が5月に3冊、3社から新刊が出るようです。すごいですね!
その中の一冊が『すこしふしぎな小松さん』。大井昌和の描く女の子が、SFについて無駄に詳しい話をするって、ウキウキしませんか?読書好きにはビリビリときましたね!
無駄に濃くて、でもSFファンなら誰もが聞いたことがある代表作ばかりというラインナップもいいです。コラムと最後のページ見て「あれ?最終話にイーガン出てた?」となんどもめくり直したりしましたので、まだまだ気づいていないところも多いはず。タイトルの『すこしふしぎ』も藤子・F・不二雄先生のすこし・ふしぎ=SFから取っているに違いありません。表紙の小松さんも宙に浮いているしね!すこし・ふしぎだ!!
SFファンならぜひ読んでほしいおすすめ作品です。
SF小説のとりこになってる女子高生・小松さんは、少し不思議な女の子。小松さんとなら少し難しいSF小説も読んでみたくなる、そんな読書コメディです☆クラーク、アシモフ、ハインライン、ディック……SFの世界へようこそ!
大井昌和先生のTwitterでは”5月は三社で新刊の三社祭”
5月17日グランドジャンプに矢吹健太朗×大井昌和対談掲載
— 大井昌和 5月は三社で新刊の三社祭 (@ooimasakazu) 2017年5月14日
5月19日明日葉さんちのムコ暮らし5巻おくさん12巻すこしふしぎな小松さん同時発売!
5月21日高円寺文禄堂 師走の翁×大井昌和 https://t.co/aBflfhFTQO
5月28日コミックzin 配信サイン会 pic.twitter.com/MLYjsLgCEI
大井先生は『ど根性ガエルの娘』にでてくる旦那さんですね。
(ど根性ガエルの娘 大月悠祐子先生 第18話より)
明日葉さんちのムコ暮らし5巻、おくさん12巻、すこしふしぎな小松さんの3巻が5月に発売されます。すごいです!
小松さん
小松さんはSFファンの女子高生です。一般視点からするとすごいSFにはまり込んでいますが、自分ではそうではない様子。
なにせSFファンは「青背1000冊」といって青い背表紙の早川文庫を1000冊よんで初めてSFファンを名乗っていい、という変な伝統があります。夏目漱石全集を持っていないと漱石好きって言えないようなものです。おかしいね、小松ちゃん。
宮内くん
宮内くんは小松さんの同級生。SFはまるで素人ですが小松さんに興味がる様子です。小松さんにちょっとSFのおすすめ聞いてみました。
SFおすすめパニック
ハイペリオンも夏への扉も本当にいい作品ですよね。「機龍警察――自爆条項」は日本SF大賞をとってますが、たしか審査員が「いい作品だからSF以外の他の賞を取られるぐらいなら一番最初に賞を出しておこう」とか言っていたはず(うろおぼえ)。管理人はハードカバーで持っているけど読んでないです。ごめんなさい。
SFファンってかなり自発的にSFワールドにはまり込んでいるので、紹介するまでもなく自発的にSFファンになっているので紹介し慣れていません。
愛崎明日霜
学級員の愛崎さんも隠れSFファンでした。ブラッドベリの「火星年代記」について小松さんにズバズバとSFファン的な問題点を指摘されちゃいます。
「超人ロック」ヒットコミックス版
そうかロックも範囲内になるんですね。
三田SF研究会(MSK)
提督(中央)、少佐(右)、軍曹(左)。提督は42歳らしい。もし続編があるなら、小松さんはこのなかに入っちゃうんだろうか……。
ということで、すごい読んでいて楽しい作品でした!純粋にSFが好きな人が読んだらとっても楽しめると思います。そしてSFにはまったことがない人でも、これだけみんながはまってしまうSFってどんなだろう?って思うに違いありません。
個人的には「今日の早川さん」と「バーナード嬢曰く。」などの読書紹介系マンガは結構好きです。紹介される作品を読んでなくても読んでいても楽しいです。「今日の早川さん」はよりSFマニアック度が高く、サンリオSF文庫やスプラッタ系も載ってます。本当のSFファン向けですよね。「バーナード嬢曰く。」はSFに限らず文芸作品の紹介としてめちゃくちゃ笑えます。
今回の『すこしふしぎな小松さん』もSFのイントロとしてすごくいい作品だと思います。なによりSF作品に対する愛があるのがいいですよね。ラインナップも大御所もあり、最近の作品もあってバランスがいい感じがします。かなり楽しんで読めた作品でした。おすすめです!