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勤務医開業つれづれ日記・3

いらないことからコツコツと。新「院長の漫画カルテ」へ移行中です。

【感想】大月悠祐子「ど根性ガエルの娘 1、2」スゴイ必読マンガでた! 壮絶、そしてプロ根性を見た!!【ネタバレ漫画レビュー】

《美術部》マンガ 《購買部》Amazon 【マンガ感想・レビュー】

 


あの有名な「ど根性ガエル」の娘さんが大月悠祐子先生だったんですね。

色々な意味で感動の作品です。


ど根性ガエルの娘 1 (ヤングアニマルコミックス)

 

国民的ギャグマンガど根性ガエル」の作者は、家族をめちゃくちゃにした父親だった!? ギャンブル、DV、娘の財布からお金を盗む、失踪……。衝撃の家族 エピソードを、実娘が描きます。家族崩壊の第1巻。 ※対談記事、描き下ろしマンガ等を追加収録いたしました。作品内容に変更はございませんので、重複購入にご注意ください。



ど根性ガエル」の作者、吉沢やすみ先生の娘、大月悠祐子先生から見た父のマンガです。本当にすごい作品です、これ!


吉沢やすみ先生はあの有名な「ど根性ガエル」がデビュー作。

 

そしてビッグヒットの後、いい作品が描けずにお父さんは仕事から逃げます。13本の原稿を落として、逃げて、逃げて、ギャンブルで身を滅ぼしていきます。


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実際の父をこう描ける大月悠祐子先生がすごいよ……。自分の父親、こう描けるか?プロだよ、本当に。
……涙、出てきた。


それに対して、お母さんがマジ天使。自分もぶっ壊れそうになりながら、子供2人を一生懸命育てていきます。
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お母さんがいなかったら、お母さんが働いていなかったら、そしてお母さんが離婚を選んだら、全ては全く違う方向に進んでいたに違いありません。簡単に描いていますけど、毎日毎日がひどい状況だったに違いありません。そこらへんは描写が本当に上手いと思います。


家の中は穴だらけ。子供の頃のこういう風景って本当にこたえますよね。トラウマになりますよね。大月悠祐子先生の子供の絵が可愛いだけに胸が痛い。
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あとがきで作者も描いていますが、あけた穴は実際は一つだったけど、もっとひどいあんなことやこんなこともあって、けど描かなかったからまだ表現としてはマイルド、ということらしいです。いったいどんな父親よ?



繰り返し描かれるのは、お母さんが子供たちを守るように抱っこするシーン。
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きっと、大月悠祐子先生にとっては本当に重要なことだったんでしょうね。





ど根性ガエルの娘 2 (ヤングアニマルコミックス)

国民的ギャグマンガど根性ガエル」の作者は、家族をめちゃくちゃにした父親だった!? ギャンブル、DV、娘の財布からお金を盗む、失踪……。衝撃の家族 エピソードを、実娘が描きます。家族再生の第2巻。




お父さんとお母さんのラブロマンスもやっぱりお母さん、マジ天使。プロポーズの話です。
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この頃、絶好調のお父さんは何もかも順風満帆です。構成も、お父さんのいい時と悪い時、そして現在の落ち着いていると3つタイミングのことをとてもうまく絡めて描いています。やっぱりプロはすごいね。

後半では自分自身も含めたドロ沼が語られていきます。

娘の財布から金を抜き取るようになったお父さん。そして、それを心の中でごまかしているお母さん。悪くはないのに悪者になっていく大月悠祐子先生。
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どうしたって、どこにも出口はありません。父親はギャンブル中毒で、母親はボロボロになりながら働き続けて、自分はまだ学生で、みんないっぱいいっぱいで余力が全く残っていません。

そしてお母さんの爆発が大月悠祐子先生に向けられます。
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マジ天使のお母さんが壊れていきます。


大月悠祐子先生も精神的に追い詰められていきます。
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さらりと簡単に描いているように思えますが、自分のことを本当によく描けるものだ、と思います。自分のことは親以上に描くことは難しいのではないでしょうか。

 

「さびしすぎてレズ風俗に行きましたレポ」みたいに、真剣に自分のことをさらけ出すのは本当に難しい。思い出すことすらつらいことだろうに、それを他の人に見せて、商品にしていくことに大月悠祐子先生のプロ魂を見ました。



そして、お父さんがマンガ家であったがためにとてつもなく苦労してきた分、お母さんは大月悠祐子先生がマンガ家になることをやめさせようとします。
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お母さんが「医療事務がいい」というのは本当に、ああ、と思ってしまいます。やっぱりお母さんは看護師だし、安定した医療関係の職について欲しいんだ。

 

そして、お父さんだけでなく娘までがマンガ家になってしまうことを、人格を否定してまで止めたかったんだな。きちんとした家族を持ちたかった弟は、医療職につきます。

 

お母さんはきっと弟については一安心だったことでしょう。そしてなおさら、大月悠祐子先生には本当にマンガ家になるのはやめて欲しかったに違いありません。

 

それが言葉の刃となって、実際にどんなに娘を傷つけることになっていたとしても。



読んでいくと分かりますが、大月悠祐子先生の境遇もすごいですが、それを描く視点もすごい。プロ根性で自分の感情をコントロールしながら作品を作っているに違いありません。ふつうに考えたら、作品はもっとこうなってしまうと思います。

・デビュー前、マンガ家になることを全否定したお母さんのこと、あんなに天使に描けるだろうか?

父親と同じマンガ家を目指していることになっている自分は父を理想化しないのだろうか?

・自分とはちがって、お父さんやお母さんから被害を受けないように身を守ることができた弟に対して、嫌な感情は残っていないのだろうか?







肉親を描くということは、ほんとうに、ほんとーに、難しいと思います。実際に大月悠祐子先生も胃潰瘍になったとか。


そういうことを乗り越えて仕上げてきた、まさにプロの一品というすごい作品でした!これはかなりオススメ!速攻、買いです!


しかも、連載再開だと……!大月悠祐子先生、胃潰瘍、大丈夫ですか?それより心折れませんか?いやぁ、プロはスゴイ!!!

 

 

 

 2017年1月21日追記:

やっぱり連載再開で、さらにすごいことになっていました!

ネット民パニック状態です。 15話がアップされていままでの話が全部ひっくり返された感じです。さらに最低な話になってきています。大月先生すごすぎます。15話の速報レポート書いています。

kaigyou-turezure.hatenablog.jp

 

 

 

 

 2016.12.30追記:

ど根性ガエルキンドルアンリミテッドKindle Unlimitedにありました!興味がある方はぜひ!!

 活発な中学生・ヒロシと、彼のシャツに張り付いた平面ガエル・ピョン吉(ぴょんきち)のドタバタな日常を描いた学園&下町人情コメディ。ある日、石につまづいて転んだヒロシは、そこにいたカエルを押し潰してしまう。しかし、ペシャンコになったカエル・ピョン吉は、ヒロシのシャツに張り付いたまま生きるほどのド根性を見せる。そして、最初は反発しあうヒロシとピョン吉だったが……!?

 

 


大月悠祐子先生が楽園で連載していた作品です。

彼女達の最終定理

【問】以下の方程式の解を求めよ。 少年×(美少女+美女)=[    ]かなん改め大月悠祐子が描くピカレスクラブロマン。支配と被支配が激しく交錯する衝撃の全1巻。

 

 




ご参考になりましたら幸いです。