【感想】加納 梨衣「スローモーションをもう一度 1 」今季、最高作品出たな。最高に最強【ネタバレ漫画レビュー】追記:加納梨衣先生からお返事いただきました!!
これは、今季最高得点が出たね!
80年代好きのマンガ、ふーん。って感じでした。
が、正直、こんなにラブコメ成分120%でがっつり心奪われるとは思いませんでした!!
■スローモーションをもう一度 1
スローモーションをもう一度 1 (ビッグコミックス)
80年代大好き高校生の胸キュン恋物語!
クラスではイケてるグループに属している、一見 リア充な高校一年生・大滝くん。
だけど実は彼には、誰にも言えない「秘密」があった…
それは、アイドルや歌、おもちゃなどの「80年代文化」が大好きということ!
自分が大好きなものを誰とも共有できず、一人だけで楽しむ毎日を送っている大滝くん。
そんなある日、クラスで隣の席の地味な女の子・薬師丸ちゃんが自分と同じ「秘密」を持っていることを知って!?
同じ趣味を持った同年代の人間とはじめて会った二人が、一緒に遊ぶようになり、そして、恋に落ちていくという、みずみずしくて胸がキュンとするラブストーリーです。
主人公の大滝くんはスポーツ万能で、結構人気があるけどちょっとつっぱった感じのある高校1年。で、80年代文化が大好き。ふとしたタイミングで中森明菜の曲を聴いているのがバレてしまいます。
大滝くん、泣いてるのか。まあ、わからんでもないが。
薬師丸ちゃんはまったく誰とも話をしない無口な同級生で、大滝くんの隣の席に座ってます。全然、印象がないのだけど、じつは大滝くんよりコアな80年代ファンで、コスもガンガンやったりしています。ある意味、大滝くんの師匠的存在なわけだ。ベタな展開から大滝くんは薬師丸ちゃんのコスプレしているところを見てしまいます。
「いつの時代のアイドルだよ……」と言われて、
動揺する薬師丸ちゃん。大滝くん、そっちに振っておいて、
いったん、タメを作って、
これだもん。
「すごくいい」
きゃーーー!
もう、どうしてくれよう、このラブコメ度の高さ!!右に振ってから左に振るという、まさに奥義が一話目から炸裂しています。この振り幅は、花の慶次の
「だがそれがいい」
に匹敵するといっても過言ではない。純度からして目が潰れるレヴェルだね。ラブコメの教科書に載せたい(もしあるのなら)!!!
しかも、いったん話をそらした大滝くんが、もう一度しどろもどろになりながら言うんだな。
「そのカッコも……
……悪くないとおもう……
し……」
大滝、まじかお前、これ最終話じゃないんだぞ(怒)!もろ告白じゃん。いきなり第一話で終わらせるな!!!!
でかい揺れが一度だけじゃなくて2回来ましたね。右に振って左にがつんときて、もう一度右に振ってからさらに強いのがガツンときましたから、心臓わしづかみですよ。
80年代文化が好きな読者は、みんな動脈硬化すすんでるんだから、こんだけ若い魂にゆさぶられたら下手すりゃリアル心肺停止よ。
でも結局は80年代文化の師匠と生徒的な感じで、ドキドキしただけでこの場面は終わっちゃうんだけど、ここからいろいろと話が進んでいくわけです。
それも、タイトル通りの超スローモーションで!!
髪型の回もすばらしかった。
大滝くんんが無自覚に薬師丸ちゃんの前髪をいじり回します。
「やっ……」
これがまた、いいんだな。この段階で、読者は薬師丸ちゃんにメロメロなわけです。
体育の授業で足をくじいた薬師丸ちゃん。大滝くんはリア充ポジションなんだけど、薬師丸ちゃんはあまりクラスには馴染めてなくて、かなり外れモード。大滝くんはそんな薬師丸ちゃんのことをすごい心配しています。
結局、助け舟を出すわけだけど、大滝くんもスーパーマンじゃないから周りの目を気にしながら、おそるおそる行動するわけです。
でもね、大滝くんが偉いのは、なんだかんだ言っても自分で行動している点です。ちゃんと言葉にするし、なにかあったら薬師丸ちゃんを助けに行くし。
この7話が神回だった。管理人史上、最高のおんぶですよ。
ウブな二人の反応を見て、もう誌面を直視できません。
なんかもう、一ページ一ページ、ため息ついて視線外してからじゃないと読めない感じ。
はー。
これなんていうんだ?青春?
加納 梨衣先生は結構注目していました。でも注目していたのは先生の持つ、独特の作品の雰囲気でした。
スターライトウーマン : 1 (アクションコミックス)
深夜のコンビニで働く、フリーターの星さん。一見地味で平凡な彼女だが、その体にはスーパーマン顔負けの超人的パワーを秘めていた!その気になれば、世界を救うことも滅ぼすことも出来る彼女が律儀にシフトを守る理由はいったい…?
星さん(サンプル214号)は人体改造されて、住む場所もなく本当にひどい生活をしています。
そんな星さんの七転八倒を描いたのがスターライトウーマンでした。アメコミ風で、独特の世界観があって私は好きです。
この加納 梨衣先生が「スローモーションをもう一度」ですから、正直ビックリです。
すごいな、この加納先生の器のでかさ!
ということで、「スローモーションをもう一度」が素晴らしい作品であることは、もう疑う余地がない。読者はスローモーションで寸止めな大滝くんと薬師丸ちゃんにニヤニヤするしかないじゃないか。
そして願わくは、君にも胸キュンを。
追記:加納梨衣 先生ご本人からコメントいただきました!本当にありがとうございます!!
ブログでのご紹介、ありがとうございます…!!嬉しい( ; ; ) https://t.co/7H571abG1N
— 加納梨衣 (@kanoukanouk) 2016年11月6日
本当に素晴らしい作品ですね!薬師丸ちゃんにすっかりやられました。頑張ってください。応援しています!
ご参考になりましたら幸いです。