【感想】つくしあきひと「メイドインアビス(5)」心に突き刺さる大傑作、最高峰冒険マンガ、出た!かわいい絵とは正反対で超ド級、心えぐられる!【ネタバレ漫画レビュー】
(2018.06.24更新)
度し難し!
かわいい表紙ですよねぇ。でも、超ド級にトンデモナイ作品です!!
2巻のラストでジーンときて、
3巻で泣いて、
5巻でさらに号泣、
という冒険系最高峰のマンガです。心をえぐられます。
人の探究心、相手を思いやる友情、そして信念。
どれほどまでに残酷な現実が目の前にあっても、折れない心。簡単に書けるけど、実際にどれだけ大変なことか、この作品は教えてくれます。
心や体が傷ついても逃げずに前に進むということがどれほどまでにつらいことか。多くの犠牲をはらいながら、リコやリグ、ナナチは前に進みます。
注意:かわいい絵柄ですが、残酷な表現があります。精神的にダメージを受ける方がいるかもしれません。ちなみに、性的な描写はほとんどありません。”ちんちん”のことを「パパ棒」っていうぐらいかな(笑)。
1巻
隅々まで探索されつくした世界に、唯一残された秘境の大穴『アビス』。どこまで続くとも知れない深く巨大なその縦穴には、奇妙奇怪な生物たちが生息し、今の人類では作りえない貴重な遺物が眠っていた。アビスの不可思議に満ちた姿は人々を魅了し、冒険へと駆り立てた。そうして幾度も大穴に挑戦する冒険者たちは、次第に『探窟家』と呼ばれるようになっていく。アビスの緑に築かれた街『オース』に暮らす孤児のリコは、いつか母のような偉大な探窟家になり、アビスの謎を解き明かすことを夢見ていた。そんなある日、リコはアビスを探窟中に、少年の姿をしたロボットを拾い…?幻想と機械が入り混じる大冒険活劇、第一巻!
主人公はリコ12歳。
伝説の探窟家、白笛のライザがリコのお母さん。お母さんがいるというアビスの最下層、『奈落の底』をめざします。
もう一人の主人公、ロボットのレグ。記憶を失っており、ロボットなので『アビスの呪い』をうけない。ロボットなのに泣き虫で、動揺しやすい。ちんちんは生。金玉も生、らしい。
『アビス』直径1000メートル、深さ2万メートル以上の縦穴。『アビスの呪い』という上昇負荷があり、深くなるほど帰還時に障害が出る。深界七層からの帰還は”確実な死”を意味する。
2巻
深く潜った者を決して帰さない、呪いを湛えた大穴『アビス』。底知れぬこの秘境の大穴に、少女・リコは挑もうとしている…。偉大な探窟家であり、生き別れの母・ライザに会うために。存在するかも定かではない『奈落の底』への到達…。極めつけに無謀な挑戦だが、リコには、ひとり勝算があった。アビスの中で出会った、記憶喪失の機械人形(ルビ:ロボット)・レグ。見た目は小さな少年だが、その身体には恐るべき力を秘めている。彼と協力すれば、必ずや道は開けるはずだと…。レグもまた、自身の正体を知るため、無謀な少女を守るため、冒険に駆り立てられていくのであった…。友人たちの協力を得て、深界一層へと踏み出したリコとレグ。追っ手の影を気にしつつ、素早く、確実に潜っていく。まだ見ぬ深さに期待を募らせる彼らであったが。魔窟『アビス』は、ふたりを容赦なく飲み込んでゆく…。
深界二層。リコなどの赤笛が深界二層に入ると、”自殺扱い”になってしまいます。そんなとんでもない世界が広がっています。
各巻の深界の入り口のシーンがすごいです。いままでが大変だったのに、深い層はさらに予想を超える困難が待ち受けています。新しい深界に立つとき、二人の緊張感がビリビリ伝わって来るようです。
不動卿オーゼン。リコの母、白笛のライザの師匠であり、かつての仲間。
リコの出生の秘密を知っているオーゼン、かなり怖いです。
2巻の最後、お母さんのライザの見開きシーンがとてつもなく素晴らしいです。
3巻
恐るべき呪いを秘めつつも、人々を魅了して止まない底知れぬ大穴『アビス』。母・ライザに会うべく少女・リコと機械人形・レグは、この大穴に人生をかけて挑んでいく。手探りながらも順調に探窟も進めていくリコとレグ。深界ニ層の監視基地〈シーカー・キャンプ〉で伝説の白笛『動かざるオーゼン』から厳しい指導を受けるなどしつつ、二人は徐々に穴に対する理解を深めていく――。そして舞台はついに深界三層から深界四層に・・・深くなるにつれ、この世の物とは思えぬほど凶暴になっていくモンスターに襲われて、冒険の大ピンチに陥ったリコとレグ。そんな絶体絶命の状況の中、二人の前に現れたのは…?友情と悲哀が入り混じる大冒険活劇、第三巻!!
メイドインアビスは3巻からトンデモなくなります。
この作品はぜひ3巻までは読んでほしい!3巻以降がこの作品の本当の凄さが出てきます。
深界三層。『タマウガチ』に襲われ、手には毒、さらに上昇負荷がかかったリコはあらゆる穴から血が噴き出します。
そこに『ナナチ』が登場します。
たぶんファンも多いはず!ふかふかの見た目からは想像もつかないほど、すごくいろんなことを背負ってしまっています。
ミーティを背負ったナナチ。ナナチにとって、宝物であるミーティのために深界五層の「筋金入りのろくでなし」白笛ボンドルドから逃げ出します。
そして、このシーン!
もう、もう、もう、もう、ナナチと一緒に読者も号泣です。
心に刺さったトンデモナイ3巻です。
4巻
タマウガチの毒に侵され、昏睡状態に陥ってしまったリコ。 だがレグとナナチの献身的な介抱により、無事回復を遂る。 そしてナナチのアジトで再び体勢を立て直した三人は、アビスの下層を目指し、さらに過酷な冒険を続けていく――。 そんな中、六層への入り口・前線基地(イドフロント)で、三人の前に現れた少女・プルシュカ。 彼女はなんとナナチの宿敵ボンドルドの娘だった――。 必然と奇跡が入り混じる大冒険活劇、第四巻!!
深界四層。リコのお母さんであるライザの好きなお花畑を失います。
深界五層。「筋金入りのろくでなし」白笛ボンドルドの娘『プルシュカ』です。
……5巻読んでから4巻のプルシュカ見ただけで涙出てきた。
プルシュカの父、超ド変態、筋金入りの外道、『黎明卿』ボンドルドです。
言葉遣いは丁寧ですが、やっていることは人の道を大きく外れています。
5巻を読んだ後に、4巻のラストシーン、プルシュカが横たわっている姿を読み返すと、いたるところにあるカラダの×印にどうしようもなく涙があふれてきてしまいます。プルシュカ、いい娘すぎるやん!
5巻
さらなる深界六層を目指し、大穴『アビス』の深窟を続けるリコとレグ、そしてナナチ。 前線基地に辿り着いた三人の前に、悠然と立ちはだかったのは黎明卿・ボンドルドであった。 死力を尽くし打倒せんとするレグに対し、ボンドルドは圧倒的な力を見せていく――。 一方、リコ達と一緒に冒険することを切に望んでいたプルシュカ。 しかしその思いもむなしく、ボンドルドの恐ろしい実験の対象となり…。 愛情と憎悪が入り混じる大冒険活劇、第五巻!!
そしてついに 最新5巻が出ました!
これすごい傑作、出ちゃいましたね……。
すごすぎて、心がへし折られそうです。
みんな、感想とか結構平気で書いているけど、すごすぎます。管理人はボロボロ泣きながら書いてます。
ナナチはボンドルドの外道の行いを知っています。
えっ……、カートリッジって????
そして、深界六層に行くための『命を響く石』の原料って????
レグの再起動は、地上とは全く異なりました。意識を失ったレグは暴走します。
そして、『前線基地』よりふかい『黎明の箱庭』もおぞましいことになっています。リグとリコ、ナナチは持てる力を振り絞ってボンドルドに立ち向かいます。あまりにも人として狂っているボンドルドを倒さねば、みんなの旅はここで終わりになってしまいます。
プルシュカは父ボンドルドに寄り添っています。そしてリグやリコと戦いながら、ボンドルドを思い、そしてリグやリコと一緒に冒険に行くことを夢見ます。すでに、決して行くことのできない夢なのです。プルシュカは父に語ります。
「パパ… もう どんなにつらいことも
どんなに暗い夜も 一緒に越えていけるよ」
「一緒に 冒険に……」
ぶわっっっっ!(涙)プルシュカいい娘すぎるやん!
めちゃくちゃにひどい、本当にひどい状況であっても、父にも、リコたちにも、前向きで優しく接します。そして、プルシュカは自分自身を、自分の夢を、リコに託します。
表紙の、前に進んでいくプルシュカとリコのふたりを見ると、またポロポロと涙が出てきます。もう、読者は子供を見守るお父さん、お母さんの気分です。
このマンガ、
すごい!
すごい!!
すごすぎる!!!
あまりに度し難し!!!!
ということで、あまりの衝撃に放心状態の5巻でした。
非人道的で残酷なのに、それでも純粋で、勇気をもらって、愛情を感じて、一緒に行きたい、前に進むことは素晴らしい!と思うことができるこの作品は奇跡に近いと思います。この素晴らしい作品を知らないなら、本当にもったいなさすぎ。マンガが好きならぜひ、読んでみてください!!!
追記1: 祝・アニメ化!
追記2: 6巻感想追加しました!
kaigyou-turezure.hatenablog.jp
ご参考になりましたら幸いです。