【感想】仲谷鳰「やがて君になる 3」好きになっちゃいけない、好きになってしまいそう。好きになったら全て壊れてしまう……【ネタバレ漫画レビュー】
(2018.01.27更新)
大人気コミックの3巻が出ましたのでご紹介します!
人を好きになれない侑ちゃんと、侑ちゃんのことが好きな生徒会長の燈子先輩。侑ちゃんが人が好きになれないからこそ、燈子先輩は侑ちゃんのことが好きで、もしも侑ちゃんが燈子先輩のことを好きになったら、すべてが壊れてしまうかもしれない。
本当にすばらしい作品です。ぜひ、手にとってみてください!
七海燈子と小糸侑。
徐々に距離を近付けるふたりに、佐伯沙弥香は焦燥感を募らせていた。
だが、燈子が望む形で彼女の傍にいることを決めた侑は人を好きになることを諦めようとしていた。
「わたしは誰も好きにならない。これまでも、これからも。」
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↑こちらが2巻あとがきで書いていたPVですね。いますごい人気、爆発中です!
燈子先輩はクールビューティー、というのは外面だけで、侑ちゃんといるときは完全にデレッデレ、とろけて原型をとどめませんです(褒め言葉)!
「プスー」って、燈子先輩は風船人形か、鉄腕アトムか、っての。
下の名前で呼ばれては壊れ、
侑ちゃんの素顔の写真をゲットしては、足ぱたぱたしています。
3巻も燈子先輩がとにかくかわいい!
他のキャラを寄せ付けないほどの可愛さです。自分で演じている外向きの完璧キャラと、侑ちゃんといるデレデレした燈子先輩のギャップ萌えですね。
でも、ここに燈子先輩の闇の部分も隠れているに違いありません。侑ちゃんにだけ見せるデレが、ほんのすこしだけあやうさがいっしょにあるように見えてなりません。
雨の日に侑ちゃんは、燈子先輩と一緒に帰る。
好きではない。
好きじゃいけない。
でもこの楽しい気持ちはいったい、どうしたらいいのだろう?
そんな、とっても迷いのある侑ちゃんです、
3巻メインイベントは体育祭です。
「今はもう寂しくないかな」
そう言いながら寂しそうな、侑ちゃん!!
侑ちゃんは優しくて受け身。そして、年上の燈子先輩を優しく包み込みます。でも、それは愛情ではなく親切に近いような感情です。「そのままでいい」って燈子先輩に言われて、ほっと安心した侑ちゃんがいるわけです。
でも、いまは少しずつ変化してきているかんじ。
侑ちゃんが燈子先輩に対して持っている感情は、きっともう親切だけじゃない。もっと違う感情も出てきているように思えます。
体育祭のあと、体育倉庫で密会。
「心臓の音がする ……わたしのじゃないな 先輩の音だ
だってこれじゃ 速すぎるから」
反語表現が多いね、侑ちゃん!!
寂しくない、って寂しかったり、わたしの心臓の音じゃない、っていいながら、自分の心臓がドキドキしたり、もー!!!!!
ただ、このラブコメは禁断のラブコメでやんす。
侑ちゃんのラブがコメてくると、燈子先輩の愛情が引っ込んでしまいます。だから、侑ちゃんは、燈子先輩に対する好意にブレーキをかけなくちゃいけないんだね。切ない恋愛の形です。
とにかく設定がうまいし、心理描写もうまい。なにより燈子先輩がかわいい。ゆっくり愛をはぐくんでいるのが燈子先輩ただ一人で、他のキャラは愛情フルブレーキング状態で置いてけぼり、という客観的に見たらすさまじい状況をモノともせずに侑ちゃんにはがんばって欲しいものです。
それにしてもタイトルの『やがて君になる』、が気になって仕方がない。”君”って誰だ?だれが”君”になるんだろう?いろいろ考えてみた。
・侑ちゃん → 燈子先輩: 侑ちゃんが燈子先輩のように”好き”ってことを知ることになるのかな?
・燈子先輩 → 侑ちゃん: この矢印の方向って、単純に”モノにする”っていう意味ですか?
・燈子先輩 → 燈子先輩のお姉ちゃん(故人): これはある意味、すでになっている。
・侑ちゃん → 燈子先輩のお姉ちゃん(故人): 新しいお話が必要ですね。燈子先輩にとってお姉ちゃんの存在が大きいはず。侑ちゃんがそのポジションに入れるのかな?
『やがて君になる』ってタイトルだから、たぶん他のキャラはないと思います。まだ見ぬ新キャラとかだったら困るけど、いったいどうよ?「3月のライオン」なみにタイトルの意図が不明だ。絶対、何かありそう。かなり気になりますね。
ご参考になりましたら幸いです。