勤務医開業つれづれ日記・3

あふれる”好き”を形に。マンガ感想とか書評を中心にしたブログです。

【感想】『さよならしきゅう』岡田有希 (著) 笑って泣けて元気が出る、子宮頸がん闘病記!【マンガ感想・レビュー】

岡田有希先生の『さよならしきゅう』出ました!

 

岡田先生は33歳の時、子宮頸がんになってしまいます。もともと先生自身パニック障害があり、ご主人も漫画家で超多忙。そんななかでのガンの診断で心身ともに限界になってしまいます。

 

岡田先生は友達と相談して、子宮頸がんのことを別名「ぴろっち」と呼びます。

……「ぴろっち」ですか!

 

大部屋で他に入院している患者さんたちとなかなかうまく交流できなかったり、手術後の大変な状況や、術後の放射線治療などひとつひとつ乗り越えていくお話です。笑って泣いて感動する闘病記です。

 

深刻な闘病記が多い中、岡田先生は持ち前の明るさとおかしさでいろいろな出来事を笑いに変換してくれています。元気が出る子宮頸がん闘病記として、本当に多くの人に手に取ってほしい作品です。オススメです!

 

 

  

 

子宮頸がんと診断された33歳、漫画家。同じ病の人のブログなどをたくさん読んだが、いつも最後は絶望することになった…。元気になれるものが読みたかった。その思いから生まれたこの作品。家族、友人との絆、同じ病室の人達の温かさに支えられた闘病エッセイ。 

 

 

目次

 

 

岡田先生は33歳既婚、子供が一人 

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 ご主人も漫画家です。幸せな日常を送っていました。しかし突然、病気はやってきます。

 

 

子宮頸がん告知

 

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生理不順で婦人科を受診すると悪性の結果でした。子宮頸がんです。外来の先生は大きな病院を紹介します。早期発見はなにものにも代えがたいのです。ほんのちょっとの差で治療法が大きく変わってくることも岡田先生はこのあと知ります。

ママ友、癌をオタク変換する

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癌を癌と言わないって斬新ですね!これはなかなか医療関係者からは言えないです。

命名ぴろっち(=子宮頸がん)

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癌=ぴろっち

ネーミングセンスがすごいですね。

 

ぴろっち治ったらロリィタ

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突然、何を思ったか岡田先生はぴろっち(=子宮頸がん)治ったら、ロリをばっちり決めて原宿歩くって決心しました。

 

リサコは子宮頸がん再発

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豪快なリサコさんのほかにもいろいろ濃すぎる患者さんがいっぱいいます。大部屋なのでプライバシーもなかなか保てませんが、一方で同じ病気をしている仲間としていろいろ励ましてもらっています。みんな治療で大変なのに明るい病棟でした。

 

岡田先生の子宮頸がんは手術の後、退院して放射線治療を行うことになります。ほんの少しのステージの違いで抗がん剤の化学療法をする必要はありませんでした。作品中では治療後五年を経過しているようです。岡田先生、本当におめでとうございます。

まとめ1・早期発見、早期治療 

病気に関しては、早期発見、早期治療が本当に大事です。なんか変だったら病院にいくことです。そして医師と相談してほしいです。

 

とにかく早く病院にいくことで助かることがすごくいっぱいあります。逆にこんなになるまで我慢して……、ということがまだまだあります。

まとめ2・標準療法はベストプラクティス

早期発見しても早期治療を放棄したらいけません。医療に携わっていると、特別な地位がある方にとって標準療法という言葉は、標準じゃ無い特別な治療もあるのでは?と思わせていると感じることが時々あります。病気の説明をしていて標準療法を誤解しているような時、

 

標準療法というのは別名”ベストプラクティス”

 

といいかえましょう。ものすごい患者さんの治療データを集めて、がんの治療だけを専門にやっている医師がガイドラインをつくって、これが患者さんにとって現時点のベスト!っていうのが標準療法です。標準は決して特上、上、並の並って意味じゃありません。十分医師と相談してもらって、そして治療方針を決めてください。

 

まとめ3 病気の知識

病気の治療には正確な知識が必要です。国立がん研究センターなど、公的な機関を中心にしたほうがいいと思います。

 

<国立がん研究センター:子宮頸がん>

子宮頸がん 基礎知識:[国立がん研究センター がん情報サービス 一般の方へ]

 

病気に関するネット情報は、混沌としています。医療をよく知ってもらって、うまく使ってもらう。自分でも知識があって無駄にパニックになったり不安にならないようにしてもらう。知識が必要です。

 

 

がんに関しては国立がん研究センターのがん情報サービスなど公的なものを使って情報を集めることをオススメいたします。

 

<国立がん研究センター がん情報サービス>

HOME:[国立がん研究センター がん情報サービス 一般の方へ]

 

出版されてる闘病日記などは極端な間違いはないとおもいます。とくに「さよならタマちゃん」は精巣腫瘍だけでなく、闘病記として傑作だと思います。

 

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■感動しました「さよならタマちゃん」武田 一義 精巣腫瘍闘病記(でも重くはないです) - 勤務医 開業つれづれ日記・2

 

まとめのまとめ 

ペニシリン(抗生剤)が発見されたのが1928年、胃カメラ開発が1950年ですから百年前の人からしたら今は奇跡の時代です。たった3、4世代前はインフルエンザや風邪でバタバタと人が死んでいて、昭和四十年ぐらいまでは胃癌も子宮頸がんも死の病でした。それがいまでは治る病気になってきています。

 

岡田先生は早期に病院に行って、早期に標準治療を行なっています。知識もなく、いろいろな不安を抱えながら前に進んでいます。その姿勢にすごい共感を覚えます。大変な病気ではありますが、少しでも多くの人に正しい知識を持ってもらい、早く診断を受けてほしいです。オススメの一冊です!

 

 

 

 

ご参考になりましたら幸いです。