【風疹流行】「コウノドリ」風疹エピソードを緊急無料公開 首都圏流行で【予防接種で妊婦さんを守ろう】
はじめに
麻疹(はしか)に引き続き風疹が激増しています。対象者の方々は予防接種することを強くお勧めいたします。後述しますが、麻疹風疹(MR)ワクチンを打ったほうがいいのは
31歳から56歳までの男性
働き盛りの男性です。
(『コウノドリ』4巻より)
「コウノドリ」では風疹エピソードを緊急無料公開という非常に勇気ある行動を起こしてくれています。これほど大変な事態なのに、国やマスコミの対応が遅くてやきもきしますが、一人でも多くの人にこの状況を知ってもらいたいです。
風疹急増
風疹が急増し、国立感染症研究所から緊急情報が出ています。
国立感染症研究所 感染症疫学センター
風疹急増に関する緊急情報:2018年10月3日現在
掲載日2018年10月10日
https://www.niid.go.jp/niid/images/epi/rubella/181003/rubella181003.pdf
報告患者の 96%(913 人)が成人で、男性が女性の 5 倍多い (男性 792 人、女性 160 人) (図 8,9,10)。 男性患者の年齢中央値は 41 歳(0~84 歳)で、特に 30~40 代の男性に多く(男性全体の 63%)、女性 患者の年齢中央値は29歳(1~76歳)で、特に妊娠出産年齢である20~30代に多い(女性全体の59%) (図 10)。予防接種歴は無し(230 人:24%)、あるいは不明(648 人:68%)が 92%を占める(図 8,9)。
「大至急、対象者にワクチンを!」
医療関係者はそう強く言っていますが全くマスコミは取り上げてくれません。いままでワクチン反対で動いてきた後ろめたさからでしょうか?
日本ではマスコミを巻き込んで反ワクチンの人たちが引き起こしているトンデモ現象が長く長く尾を引いています。以前、マスコミがワクチンに関して非常に否定的な報道を繰り返し、集団接種から任意接種に切り替えられ、多くの人が予防接種を受けていません。
予防接種をしてこなかったツケがいまきています。大人の男性の風疹の流行です。そしてそのツケを払うのは男性ではありません。風疹をうつされた妊婦さんと先天性風疹症候群にかかってしまった子供たちです。
免疫がない30〜40代の男性が風疹にかかっているのです。こんなこと起きているのは、先進国では日本だけです。
繰り返しますが、マスコミのワクチンに対する否定的な報道のせいで、数十年経ってから男性を中心に風疹が流行しています。
ですからマスコミはあまり風疹の流行について報道しませんし、それによる被害を積極的に報道はしません。もし報道したら、ワクチンを叩きまくった報道機関にブーメランが直撃になってしまいます。
風疹ワクチンを打っていない人は?
厚生労働省のHPからの抜粋です。以下の年齢の方の多くが予防接種をしていません。
・昭和37年4月2日(56歳)~ 昭和54年4月1日(39歳)以前生まれの男性
(妊娠をする女性にだけ予防接種していた世代)
・昭和54年4月2日(39歳)~ 昭和62年10月1日(31歳)生まれの男女
(マスコミがワクチンの副作用を叩きまくって訴訟が起きて、ついにMMRワクチンが廃止になった世代)
つまり、
31歳から56歳までの男性
31歳から39歳までの女性
麻疹・風疹の予防接種打ってこい!
ってことです。
間違ってすでに風疹にかかっている人や、予防接種を実際に打っていて免疫がある人が、さらに予防接種を打っても問題ありません。大丈夫です。
わからなかったら抗体検査で確認するのもありですし、わからなくてもいいので予防接種をして免疫のブーストをかけるのもいい手です。
ただし妊娠中の女性は風疹の予防接種をすることはできません。ですから、妊娠中の女性のためにまわりが予防接種をして守ってあげるのです。
「コウノドリ」風疹エピソードを緊急無料公開
風疹が激増しているのにあまり報道されていない状況で、「コウノドリ」の先天性風疹症候群のお話3話分が無料公開となりました。
このような決断をしてくれた作者、出版社の方々には本当に敬意を表したいと思います。国のモタモタした対応と、とても冷たいマスコミの対応にくらべて、なんと本質的で献身的な対応でしょうか。素晴らしい事だと思います。
こちらがイントロになっています。
<先天性風疹症候群・緊急無料公開>こちらから全3話が読めます。
無料期間は10月11日~10月24日のようです。
もしも読みそびれてしまった方は、先天性風疹症候群についてはTrack 14に載っています。単行本の4巻に収録されています。ぜひ読んでみてください。
サイトメガロウイルス母子感染症は20巻
風疹以外にも多くの注意する事があります。母子感染症としてはいま注目されているのがサイトメガロウイルスです。以前、当ブログで「コウノドリ」20巻のサイトメガロウイルスによる母子感染症について取り上げた事がありました。こちらもご参考にしてください。
日本はワクチン後進国
日本はワクチン後進国と言われています。
(『コウノドリ』4巻より)
次には子宮頸がんを予防するHPVワクチンが反ワクチンとマスコミのやり玉に挙げられています。今後数十年、日本を除く先進国の子宮頸がんが減少する中、日本でだけ子宮頸がんによって多くの命が失われることでしょう。
【HPVワクチン】2000年度生まれ以降は子宮頸がんから守られない? HPVワクチン実質ストップの影響 - 勤務医開業つれづれ日記・3
ノーベル賞の本庶先生もHPVワクチン接種について、日本の対応に苦言を呈しています。
「科学研究費増やして」ノーベル賞の本庶さん、文科相に:朝日新聞デジタル
子宮頸(けい)がんの原因ウイルスの感染を防ぐ「ヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチン」が現在、積極的に勧奨されていないことも取り上げた。「世界中で使われ、有効性があるという結果が出ている。WHO(世界保健機関)も非常に問題視している」とし、「ぜひすすめるべきではないか」と訴えた。
反ワクチンの方は、コクーニングといって周りの人がワクチンを打っているおかげで繭( コクーン)の中に包まれるように守られているのです。これは子供や妊婦さんをを守るための戦略です。反ワクチンの方はワクチンを打っている人たちに守られながら、ワクチンを否定しています。
もしも自分の家族が先天性風疹症候群にかかったり、麻疹(はしか)で亜急性硬化性全脳炎(SSPE)にかかったらどうおもうでしょうか。
注射一本で防げたはずなのに。そう後悔する人が大勢います。
(『コウノドリ』4巻より)
まとめ
ワクチンに関してはマスコミにも国にも言いたいことは山ほどありますが、とにかく
予防接種しよう!
ということだけです。まだ生まれていない見知らぬ赤ちゃんのためにも、お腹に赤ちゃんがいる妊娠中の女性のためにも、働き盛りの男性が積極的に予防接種をするべきなのです。
あと女性も妊娠する前にできるだけ風疹の抗体検査をしておいたほうがいいです。わからなかったら予防接種してしまっても構いません。妊娠している時には風疹は予防接種できませんのでご注意ください。
これからワクチンに対してマスコミが変わって、非科学的なとんでもないことを言わなくなりますように。そして国の対応が世界基準になって、予防できる病気をきちんと予防できる国になりますように。先進国で当たり前にできている事ができる日本になることを希望します。
ヒラリー・クリントンはこう言っています。
「地球は丸いし、空は青い。
ワクチンは有効で、我々は全ての子どもを守らなくてはならない」
ご参考になりましたら幸いです。
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