勤務医開業つれづれ日記・3

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中小企業が新型コロナ雇用調整助成金の特例を申請する手順を調べて分かったポイント【COVID-19】【新型コロナウイルス】

 

 

はじめに

お客さんが激減してしまった。

スタッフが仕事もなく、手持ち無沙汰になってしまった。

そういう中小企業経営者の方は、余っているスタッフを解雇してしまう前に、休業手当を支給することで、国から助成金をもらう制度があります。これが雇用調整助成金です。

 

マスコミでは雇用調整助成金が大きく取り沙汰され、ハローワークにも社労士さんにも問い合わせが殺到しているようです。ようやく4月10日に雇用調整助成金、新型コロナウイルス特例の概要が発表されました。提出書類の記入項目も半分になり、厚生労働省はかなり本気を入れている感じがします。

 

当クリニックは新型コロナウイルスの影響で患者さんが激減しております。以前の記事に書いたように、かなり経営が厳しい状況です。個人クリニックは医療機関ではありますが、企業でもありますので、なんとか生き延びなくてはいけません。

 

今回、わたしのクリニックは雇用調整助成金を使おうと思います。ハローワークと話をしたり、社労士さんと相談しました。そこでわかった雇用調整助成金の全体の流れを書いてみたいと思います。特に「新型コロナウイルス感染症にかかる雇用調整助成金の特例措置の拡大」(新型コロナ特例)を中心にお話したいと思います。

 

目次

 

雇用調整助成金とは

雇用調整助成金とは、従業員を辞めさせないで、どうにか雇用を維持しようとしている企業を助ける制度です。

スタッフを辞めさせずに部分的に休業したら、企業はスタッフに対して賃金の6割以上の休業手当をだします。企業の休業手当に対して、国が助成を行う制度が雇用調整助成金です。

お金の流れは、

 

企業 → 休業手当 → 従業員

国  → 雇用調整助成金 → 企業

 

となります。勘違いしないでもらいたいのは、確かに国からお金はもらえますが、スタッフに休業手当を出した分だけあとから補助が出る、という流れです。

雇用調整助成金は(1)休業、(2)教育訓練、(3)出向の3つに出されますが、中小企業はおもに休業を使うと思いますので(1)休業を中心にお話したいと思います。

 

いままでの雇用調整助成金のポイント

・最初に、労使間で休業協定書を作らなくてはいけない

一方的に休ませてもダメ。ちゃんと従業員と協定書を作る。

 

・休業手当は普通の賃金とを賃金台帳などに分けて記載されていないとダメ

賃金台帳などで普通の賃金と、休業手当が混ざっていたりすると認めてもらえない。

 

休業とは、

・丸1日にわたるもの

・全員一斉に1時間以上行われるもの(※新型コロナ特例あり)のいずれか。

一人ずつなら1日まるごと休ませなくてはいけません。1時間以上短時間の休みなら、全員を一斉に休ませる必要がある。一人を半日休みとか、お店を開けておいてスタッフが数時間ごと休むとかはダメ(※新型コロナ特例あり)

 

・1年間で100日分、3年で150日分 が上限(※新型コロナ特例あり)

 

・労働延日数の 1/20 (大企業の場合は 1/15)以上、休業する(※新型コロナ特例あり)

ちょっとだけ休業する”なんちゃって休業”は対象外。ある程度きちんと休ませないとダメ

 

・10%以上の売上低下(※新型コロナ特例あり)

 

・休業手当は賃金の6割以上を支払う

 

新型コロナ特例のポイント

新型コロナ特例はかなり気合が入っています。まず対象が全業種になっているのが一番です。かなり提出書類の簡素化もされています。

書類の簡素化により、新型コロナ特例では申請からできるだけ早い支給(1ヶ月程度)を目指しているようです。

 

・1年間で100日分、3年で150日分 の上限とは別に、新型コロナ特例分を算定できる。

5%の売上(生産指標)低下でも受けられる

計画届を後で出してもいい

・助成率をアップ(スタッフ解雇をしなければ、90%助成

・労働延日数の 1/40以上の休業でも認める

 

雇用調整助成金の流れ

雇用調整助成金は受け取りまでの流れがなかなか分かりづらく、書類も大量にあります。雇用調整助成金の手続きの流れについては、このようになっています。

 

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(管理人作成)

 

提出する書類は大きく分けて2つのグループで、

(1)計画届

(2)支給申請

に分けられます。

通常は、最初に計画届を出して、実際に休業して、お金の支給の申請をするという流れです。新型コロナ特例の場合、この計画届を後で出してもいいという流れになります。

 

必要な書類(1)計画届

最初の提出する書類です。新型コロナ特例の場合、あとから出してもいいのですが、はじめに2つを準備するのを忘れないようにしましょう。

(1)あらかじめスタッフとの間に休業協定書を作っておく

(2)賃金台帳や給与明細に給与ではなく休業手当の名目で記載

賃金と休業手当を分けていないと、雇用調整助成金は出してくれませんので、毎月の給与を出す前に書式の変更を早めにしたほうがいいと思います。

※休業手当が100%の場合は分けて記載がなくてもいいようです(後述)。

 

以下、提出書類です。

・様式第1号(1) 休業等実施計画(変更)届(事後提出可能)

https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/000498164.pdf

・様式第1号(2) 雇用調整実施事業所の事業活動 の状況に関する申出書(*1)(既存書類のコピーで代用可能)

https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/000498166.pdf

・様式第1号(4) 雇用調整実施事業所の雇用指標 の状況に関する申出書(*2)(提出不要)

https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11600000-Shokugyouanteikyoku/0000080306_1.pdf

・様式第1号(3) 休業・教育訓練計画一覧表(*3)(提出不要)

https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11600000-Shokugyouanteikyoku/0000155393.pdf

(他にB版、C版がありますので注意してください)

・確認書類(1) 休業協定書(個別委任状不要)

・確認書類(2) 事業所の状況に関する書類(労働者名簿のみで可)

 

新型コロナ特例

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(新型コロナ特例「雇用調整助成金の申請書類を簡素化します」より)

 

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(通常版ガイドブックより)

休業手当と賃金の区別について

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(新ガイドブック・簡易版より)

 

必要な書類(2)支給申請

実際にお金をもらう申請です。新型コロナ特例では計画書と支給申請を同時にしてもいいということになっています。

しかし注意したほうがいいのは、「書類を後から提出していい」「6月30日まで適応」という言葉に惑わされて「6月30日までに書類をまとめて提出したらいい」と勘違いしないことです。

ガイドブックに書いてある「申請の期日は、「支給対象期間」の末日の翌日から2か月以内です」という記載については変更がいまのところ無いようです。

つまり、

3月15日締めで25日支払いの給与に対しては、3月16日から5月15日までに申請、

4月15日締めで25日支払いの給与に対しては、4月16日から6月15日までに申請、

を行わなくてはいけません。

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(通常版ガイドブックより)

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(新ガイドブック・簡易版より)

 

逆に2ヶ月以内ですので、2ヶ月分ずつを一度にハローワークなどに申請するのもありです。ただし期日に絶対遅れないようにしてください。ガイドブックには「締切日を1日でも過ぎると、支給申請書を受け付けることができませんのでご注意下さい」とかなりきつい調子で書かれています。

 

以下、新型コロナ特例での提出書類です。

・様式第5号(1) 支給申請書(休業等)(記載事項の大幅削減)

https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/000498170.pdf

・様式第5号(2) 助成額算定書(記載事項の大幅削減)

https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/000498172.pdf

・様式第5号(3) 休業・教育訓練実績一覧表及び所定外 労働等の実施状況に関する申出書(*1)(記載事項の大幅削減)

https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11600000-Shokugyouanteikyoku/0000155399.pdf

・様式第13号 雇用調整助成金支給申請合意書https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/000555610.pdf

・共通要領様式第1号 支給要件確認申立書(記載事項の大幅削減)

https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/000555610.pdf

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/kyufukin/index_00018.html

・確認書類(4) 労働保険料に関する書類(提出不要)

・確認書類(5) 労働・休日及び休業

・教育訓練の実績に 関する書類(手書きのシフト表、給与明細コピーでも可)

 

新型コロナ特例

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(新型コロナ特例「雇用調整助成金の申請書類を簡素化します」より)

(※管理人注:通常版ガイドブックの確認書類4、5を上記新型コロナ特例では1、2と記載していると思います)

 

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(通常版ガイドブックより)

新しい厚生労働省からの通達リンク

4月12日現在、厚生労働省から4つの新しい雇用調整助成金についての通達が出ています。とにかく、まずは(1)雇用調整助成金ガイドブック(簡易版)を読んでください。

 

(1)雇用調整助成金ガイドブック(簡易版)※新型コロナ特例対応https://www.mhlw.go.jp/content/000621038.pdf

(2)新型コロナ特例 リーフレット

https://www.mhlw.go.jp/content/000620875.pdf

(3)新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえ雇用調整助成金の特例を拡充しますhttps://www.mhlw.go.jp/content/000620879.pdf

(4)新型コロナ特例 雇用調整助成金の申請書類を簡素化しますhttps://www.mhlw.go.jp/content/000620880.pdf

 

雇用調整助成金の申請書類についてのリンク

いままでの通常版ガイドブックと申請書類のリンク先です。共通要領形式と、雇用調整助成金の様式があります。

 

雇用調整助成金ガイドブック(3月1日版)

※こちらが通常版。上記の簡易版の方が新型コロナ特例対応です。

https://www.mhlw.go.jp/content/000611773.pdf

共通の要件等に関する申請書類はこちらhttps://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/kyufukin/index_00018.html

雇用調整助成金の様式ダウンロードhttps://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000080400.html

 

まとめ

多くの事業主に期待されている雇用調整助成金です。ようやくその全容が明らかにされました。

 

もともと雇用調整助成金は大変ややこしいですし、4月10日に新しい制度がはっきりしたばかりですのでよくわからないことがいっぱいあると思います。可能でしたら社労士の先生とご相談することをおすすめいたします。

 

いまハローワークは大変電話がつながりづらくなっています。(1)簡易版のガイドブックや(2)〜(4)までのリーフレットを熟読してから電話をすることをおすすめいたします。

 

そして隠れたポイントは、今回の新型コロナ特例による雇用調整助成金については、

・社労士さんにお願いする

のも手なんじゃないかと思います。私は開業時からお願いしている社労士さんがいますが、その先生にも新しく相談をしている方が何人もいると言っていました。「雇用調整助成金はかなり面倒」と社労士の先生も言っていました。かなり簡素化されたとはいえ、しくみを理解するのも大変です。

 

のんびりしないで、早く情報を集めることが大切です。必要な書類はありますか?そしてすぐにでもやらなくてはいけないことがあります。

・休業協定書を作る・休業手当として賃金と分けて記載

・締切は6月30日ではなく、それぞれの2ヶ月後(3月15日締めなら5月15日までに申請)

ネット上には散発的に書かれた文章が多いのですが、本記事では厚生労働省の新しい情報やハローワーク、社労士さんとの話をまとめて、申請から支給までの流れについてみました。この大変な時代を乗り切れる参考になりましたら幸いです。

 

 

略号

本記事で使用した略号です。

「新型コロナ特例」: 新型コロナウイルス感染症にかかる雇用調整助成金の特例措置の拡大「通常版ガイドブック」: 雇用調整助成金ガイドブック(2020年3月1日版)

「新ガイドブック・簡易版」: 雇用調整助成金ガイドブック簡易版

(新ガイドブック・簡易版は新型コロナ特例に対応した時限版です)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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