勤務医開業つれづれ日記・3

あふれる”好き”を形に。おすすめ漫画8割、ライフハック2割の院長ブログです。

【COVID-19】【新型コロナウイルス】なぜ、ほとんどの人は、コロナウィルス感染予防のためにマスクを着用してもほとんど効果がないのか?【2019-nCoV】

 

 

医療関係者がマスクをつけると感染症の予防効果があるのに、一般の方がマスクをつけると予防効果がないのはなぜでしょうか?

 

まずマスクの種類が違うのです。

 

感染症の予防効果を目的として作られているのは「防じんマスク」であり、そのなかでいちばん有名なのは「N95マスク」です。ドラッグストアやコンビニで一番売られているのは「衛生マスク」です。手に入りやすい「衛生マスク」は、予防効果のある「N95マスク」とは別物なのです。

(N95マスクの一例)

 

ではN95マスクを入手できたら、一般の方でも感染症を予防できるでしょうか? 

 

N95マスクを予防効果が出るようにきちんと使用するためには、専門的な知識と訓練が必要です。感染症に関して十分な知識と訓練を受けた専門の医療関係者のみがN95マスクで予防効果を出すことができるのです。

 

一般の方のマスク使用時は、多くの方がきちんと使用できていないことがわかっています。「衛生マスク」を一般の方が使用すると漏れ率が85%以上になります。つまり100ある外の粒子の85以上を吸い込んでいるのです。

f:id:med2016:20200214110948p:plain

「マスクの品格」大西一成(著)より) 

 

さらに漏れ率100%の人が約半数います。100ある外の粒子を全て吸い込み、マスクの効果がない人が、一般の方のおよそ半分なのです。トレーニングされていない一般の方のマスクの予防効果は控えめに言って、”かなり限定的”というのはこのためです。

 

漏れを少なくさせるには、マスクを顔にフィットさせて正しく着用することが大切です。マスクによる漏れが少なくなったときに、初めて「衛生マスク」と「N95マスク」に比較されるような、マスクそのものの機能の差が出てきます。

 

 

御存知の通り、N95マスクはかなり苦しいマスクです。これを仕事以外で好き好んで使用するのはかなり抵抗があります。ちょっと楽に呼吸ができている場合は、逆にどこかにすき間が空いて正常な使用方法になっていない可能性があります。

 

まずマスクの着用する前から、病原体の付着を避けるため手を洗わなくてはいけません。着用時の訓練も必要で、顔にフィットするように正確な手技が求められます。そして使用する前に漏れがないかユーザーシールチェックかフィットテストを行います。

 

その上で使用後は、病原体が拡散しないためにもマスクの表面に触れず、紐の部分のみを持って捨てます。マスクを外したあと、テーブルの上などにおいたりしたら、そこに病原体が付着して感染を引き起こすことになります。

 

実は二次感染は、マスクを外したときにマスクの表面に触れることで起きていることが多いとされています(エボラ出血熱など)。マスクは着用だけでなく、外し方がとても大切になっているのです。廃棄する場所も、他のゴミなどを捨てるときにホコリが舞い上がったり、不用意に触れてしまうと二次感染を起こしてしまいますので注意が必要です。

 

ここまでやって、ようやくマスクによる感染の予防効果が出るというところなのです。論文で一般の方のマスク使用による予防効果のエビデンスがなく、医療従事者に効果があるのは、知識とトレーニングによるものだと思われます。

 

日本で義務教育で基本的な医療を教え、正しいマスクの選択、着用や廃棄方法などをトレーニングしたのなら、マスクで予防効果が出るとおもいます。それは日本人全員が医療関係者と同等なレベルの知識を持つということです。

 

日本の義務教育で医学を教えるべきだということを個人的に10年来提唱しています。小さなころから正しい医学を学ぶことで、ものすごい人生のメリットが出てくるはずです。

 

日本に住む人々にとって、健康で幸せな生活を送るために何が正しくて何が正しくないか、自分で判断できることはとても大切です。新型コロナウイルスのマスク騒動を通して、感染症対策のほんの入口を理解していただけましたら幸いです。

  

(今回の記事は「マスクの品格」大西一成(著)を参考にさせていただいております。ほかに「マスクと日本人」堀井光俊(著)前記事で引用した論文なども参考にしております)

 

 

ご参考になりましたら幸いです。

 

追記:WHOも本記事と同じ趣旨のHPを新たにつくりました。日本語訳しております。

kaigyou-turezure.hatenablog.jp

 

 

 <関連記事>

kaigyou-turezure.hatenablog.jp

 

 

 

 

 

 

Copyright © 2016-2020 kaigyou-turezure All Rights Reserved.