勤務医開業つれづれ日記・3

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【新型コロナウイルス】マスクが足りない『世界的なマスク不足、WHO事務局長が警鐘』【2019-nCoV】

はじめに

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前のマスク記事が皆様にいっぱい読んでいただいているようです。ありがとうございます。多数ご意見もいただいています。はてブの人気エントリーにも載っているようです。 

 

はてなブックマーク - 人気エントリー - 世の中

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Bookmarkに多数の厳しいご意見をいただいております。

ありがとうございます(後述)。

[B! 医療] 【新型コロナウイルス】『一般の人にマスクは効果はありません』という医療関係者にとっては当たり前の事実について科学的に書いてみた【2019-nCoV】 - 勤務医開業つれづれ日記・3

 

目次

 

『世界的なマスク不足、WHO事務局長が警鐘』

世界的にもマスクが足りなくなっています。買い占めたり、輸出禁止にしたりと科学的ではない判断がいろいろと行われているようです。 

罹患(りかん)者や医療従事者ではない人々がマスクを「不適切に使用」し、事態の悪化を招いているとの見解を表明した。

一般の方々が不要不急のマスク買い占めをやっているために、世界中で本当に必要なマスクが足りなくなっているのです。 

最優先は医療従事者です。

2番目の優先順位は、病気の人または病気の人の世話をする人です。

こちらはWHO事務局長の原文訳からとっています(後述)。医療従事者が一番。次に感染者、あるいは感染者の世話をする人です。 

 

つまり、WHO事務局長はパンデミック最前線の医療関係者のマスクが足りないということを言っているのです。その原因は、医療関係者でもなく、感染者でもなく、病気の世話をしている人でもない、一般の人がマスクを不適切に使用しているため、と遠回しに言っているのです。

 

headlines.yahoo.co.jp

世界的なマスク不足、WHO事務局長が警鐘(AFP=時事) - Yahoo!ニュース

 

世界的なマスク不足、WHO事務局長が警鐘 2020/2/8(土) 4:58配信 

 

【AFP=時事】世界保健機関(WHO)のテドロス・アダノム・ゲブレイェスス(Tedros Adhanom Ghebreyesus)事務局長は7日、新型コロナウイルス対策に必要なマスクなどの防護具が世界的に不足していると警告した。

 

 テドロス氏はスイス・ジュネーブで開かれたWHO執行理事会で、「世界は個人防護具(PPE)の慢性的な不足に直面している」と指摘した。WHOによると、防護具の一部は価格が通常時と比べ最大20倍にまで高騰。テドロス氏は記者団に対し、罹患(りかん)者や医療従事者ではない人々がマスクを「不適切に使用」し、事態の悪化を招いているとの見解を表明した。

 

 テドロス氏はさらに「いまや備蓄を使い果たし、4~6か月分の受注残がある状態だ。全世界でのマスクとレスピレーター(防毒マスク)の在庫は不足しており、WHOとその提携機関の需要に対応できていない」と説明し、「これは倫理に関わる問題」との認識を示した。

 

(以下略)

 

 WHO事務局長原文訳

今回もオリジナルソースをチェックしたいと思います。2月7日の事務局長の原文訳を載せてみたいと思います。毎度のことですが、個人的な訳ですのでご了承ください。

 

www.who.int

 

WHO Director-General's opening remarks at the media briefing on 2019 novel coronavirus - 7 February 2020

 

水曜日に述べたように、WHOはテストキット、マスク、手袋、N95マスク、ガウンをあらゆる地域の国々に送っています。

 

しかし、世界は個人用防護用具(PPE)市場の深刻な混乱に直面しています。

 

需要は通常の最大100倍、価格は最大20倍です。

 

この状況は、患者ケア以外でのPPEの広範囲にわたる不適切な使用によって悪化しています。

 

その結果、現在では4〜6か月の在庫と在庫が枯渇しています。

 

マスクと人工呼吸器の世界的な在庫は現在、WHOとそのパートナーのニーズを満たすには不十分です。

 

WHOは、世界的な最前線の健康緊急時対応要員が市場能力の約7〜10%を必要とすると推定しています。この割合は、他の重要な供給品の場合は高くなる可能性があります。

 

中国の最前線の医療従事者には、大量のPPEが必要です。

 

今日の午後、私は製造業者、流通業者、ロジスティクスプロバイダーを含むパンデミック サプライ・チェーンのネットワークと話をし、PPEが必要な人に確実に届けられるようにしました。

 

ネットワークは、極端な需要と市場の圧力のため、当初は外科用マスクに焦点を合わせています。

 

医療専門家にのみマスクを提供することを決定した企業に感謝します。

 

PPEの在庫は限られているため、最も必要とする場所で、最も必要とする人々に確実に届ける必要があります。

 

最優先は医療従事者です。

 

2番目の優先順位は、病気の人または病気の人の世話をする人です。

 

WHOは、伝播が少ない国や地域でのPPEの備蓄を推奨していません。

 

私たちは、国や企業がWHOと協力して、供給の公正かつ合理的な使用と市場の再均衡を確保するよう呼びかけます。(以下略)

 

マスクに関する個人的な意見

多くのマスク至上主義の方から、大量にご意見をいただきました。今回のブログ記事に対してかなり厳しいご意見がならんでおります。

[B! 医療] 【新型コロナウイルス】『一般の人にマスクは効果はありません』という医療関係者にとっては当たり前の事実について科学的に書いてみた【2019-nCoV】 - 勤務医開業つれづれ日記・3

 

おそらく日本の感染症専門医の中で一番有名な先生である岩田健太郎先生(神戸大学教授)が、マスクに関して同意見でした。

https://www.buzzfeed.com/jp/yutochiba/coronavirus-dr-iwata

ーー感染を防ぐため、一般の人にはどのような対策ができるのでしょうか?

まず、新型コロナウイルスに感染することを予防するという目的では、マスクを着用することには全く意味がありません。むしろ、マスクが枯渇しつつある現状ではするべきではないと言えます。 マスクが潤沢にあるときは、着用しても良いかもしれません。でも、現在のような状態では、正当な理由がない場合には使うべきではないと思います。  

私を信じなくてもいいので、岩田先生は信じるに値すると思います。いかがでしょうか。 

 

マスクは有効だろというマスク至上主義の方々に対して、論文的には前回の記事に書いております。そして個人的には、

 

「もし仮にマスクが有効なら、マスク天国の日本でなぜこんなにインフルエンザが流行するのか」

 

という疑問がわきます。

 

日本でだけインフルエンザの流行がおさえられていたら、もしかしたらマスクが有効なのかもしれません。でも日本では毎年1000万人の方がインフルエンザに罹患します。防御できている、予防できているのでしょうか?

 

仮にマスクが新型コロナウイルスに対する感染予防だとしても、マスクをしていてもインフルエンザ同じレベルで感染する可能性があります。

 

日本では毎年数千人の方がインフルエンザで死亡します。マスク至上主義者の方に対しては、

「新型コロナウイルスの心配でマスク買い占めるより、インフルエンザの予防接種を先にしたほうが良いですよ」

と思います。

 

欧米に比べて圧倒的にマスクを予防的に使用している日本では、もし有効ならアメリカやヨーロッパに比べてインフルエンザの流行が阻止されているはずなのではないかと思います。

 

日本での新型コロナウイルスの死亡者ゼロで、感染者はまだ100名に届いていません(2/8現在)。それより数千人死ぬはずのインフルに対応したほうが良いのではないでしょうか。

 

まとめ

WHO事務局長もマスクが足りないという異例の発言を行っています。その元凶は知識不足によるパニックと、欧米では見られないアジアのマスク至上主義によるものだと思います。

 

WHO事務局長の原文にあるように、 

この状況は、患者ケア以外でのPPEの広範囲にわたる不適切な使用によって悪化しています。

医療関係以外で広くひろがっている不適切な使用 (widespread, inappropriate use) が原因でどんどんマスクがなくなっているのです。 

 

みなさんの行動は理性的ですか?本当に科学的ですか?アメリカやヨーロッパに場所が変わっても同じことをしますか?ちょっとだけ考えてみてください。

 

 

 

 

 

補足: WHO原文を載せます(上半分は感染者数の報告のため省略しております)。

英語のせるとそのあとのブログの部分読んでくれない人が多いので、一番下に移しました。本当はキチンと読んでほしいです。

WHO Director-General's opening remarks at the media briefing on 2019 novel coronavirus - 7 February 2020

7 February 2020

(略) 

 

As I mentioned on Wednesday, WHO is sending testing kits, masks, gloves, respirators and gowns to countries in every region.

However, the world is facing severe disruption in the market for personal protective equipment.

Demand is up to 100 times higher than normal and prices are up to 20 times higher.

This situation has been exacerbated by widespread, inappropriate use of PPE outside patient care.

As a result, there are now depleted stockpiles and backlogs of 4 to 6 months. 

Global stocks of masks and respirators are now insufficient to meet the needs of WHO and our partners. 

WHO estimates that global frontline health emergency responders will require approximately 7% to 10% of market capacity. This percentage may be higher for other critical supplies.

Frontline health workers in China require the bulk of PPE supplies.

This afternoon I spoke to the Pandemic Supply Chain Network, which includes manufacturers, distributors and logistics providers, to ensure that PPE supplies get to those who need them. 

The network is focusing initially on surgical masks because of the extreme demand and market pressures.

We are appreciative of companies that have taken the decision to only supply masks to medical professionals.

There is limited stock of PPE, and we need to make sure we get it to the people who need it most, in the places that need it most.

The first priority is health workers. 

The second priority is those who are sick or caring for someone who is sick. 

WHO discourages stockpiling of PPE in countries and areas where transmission is low. 

We call on countries and companies to work with WHO to ensure fair and rational use of supplies, and the rebalancing of the market.

We all have a part to play in keeping each other safe.

Thank you.

 

 

 

ご参考になりましたら幸いです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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