勤務医開業つれづれ日記・3

おすすめ漫画8割、ライフハック2割の院長ブログです。

【40〜54歳男性・注目】風しん 第5期定期接種が始まります【中年男性4人に一人は風疹免疫なし】

風しんの第5期定期接種が始まります。対象は40〜54歳男性になります。対象の方は、まず抗体検査を行って、抗体価が低ければ予防接種を行うことになります。

 

風疹と先天性風疹症候群

風疹はワクチンで予防可能な感染症です。

 

先天性風疹症候群といって、妊娠中に風疹に感染すると生まれてくる赤ちゃんに異常が起こることがあります。

 

妊婦さんは妊娠したら風疹ワクチンは打てません。そのため抗体価が低い妊婦さんはかからないようにするしかありません。 

 

 

f:id:med2016:20190302180949p:plain

f:id:med2016:20190302180957p:plain

『コウノドリ』4巻より) 

 

中年男性がいま風疹にかかっている中心

40〜54歳の男性はちょうど女性しか風疹ワクチンを打っていない時代で、男性に風疹の免疫がない人が多い年代になっています。今はワクチンをきちんと打っている人が多いのですが、40〜54歳の男性は風疹の免疫がないことが多いのです。76%の抗体価陽性率のようですから逆に言うと、中年男性の4人に一人は風疹の免疫がないことになります。現在、風疹に罹患しているのはこの年齢の男性なのです。

 

つまり、

40〜54歳の男性が風疹流行の中心

そして

風疹の免疫がない40〜54歳の男性が

妊婦さんの最大の敵

ということなのです。こんなことおきているのは先進国では日本だけです。

 

中年男性が妊婦さんの敵でなくなるには、

 

・母子手帳でワクチン歴を確認する

・採血して風疹の免疫(抗体価)を確認する

・風疹ワクチンを打つ

 

のいずれしかありません。

 

 

 

 

風しん 第5期定期接種(厚生労働省)

風しん第5期定期接種が4月から始まります。みなさんの市町村でも広報されることでしょう。いま、全国に通達が行っているところです。各地方自治体は体制を整えているところです。

 

風しんの追加的対策に係る手引きについて(協力依頼) 

https://www.pref.saitama.lg.jp/a0701/kansen/kourousyou/documents/fusinnotuikatekitaisakunikakrutebikinituite.pdf

 

 

風しん 第5期定期接種

期間:平成34年3月31日まで

対象:昭和37年4月2日(57歳) から昭和54年4月1日(40歳)までの間に生まれた男性

(年齢は細かいこと言うと、現時点で39歳11か月~56歳11か月になります)

 

対象男性にはまず風しんの抗体検査を受けていただく必要があります。 

 

 

厚生労働省 

風しんの第5期の定期接種の実施に向けた手引き(第1版)

https://www.mhlw.go.jp/content/000477973.pdf

 

 

 

現在の風疹の流行状況

いま男性の方が女性の2.9倍風疹にかかっています。東京、神奈川、千葉で流行しています。風疹患者の中心は小児から成人へと変化しています。

 

 

f:id:med2016:20190302180052p:plain

 

kansensho.jp

 

オリジナルはこちらです。

風疹急増に関する緊急情報:2019年2月20日現在 2019年2月26日掲載 

国立感染症研究所 感染症疫学センター 

https://www.niid.go.jp/niid/images/epi/rubella/2019/rubella190220.pdf

 

風しん・先天性風しん症候群 国立感染症研究所「風疹急増に関する緊急情報:2019年2月20日現在」全文

 

2019年2月27日更新

 

 国立感染症研究所 感染症疫学センターは、2019年2月26日「風疹急増に関する緊急情報:2019年2月20日現在」を公開しました。

(略)

 地域別には東京都(141人:第6週から15人増加)、神奈川県(81人:第6週から10人増加)、千葉県(53人:第6週から6人増加)、大阪府(46人:第6週から7人増加)、福岡県(39人:第6週から4人増加)、埼玉県(37人:第6週から7人増加)、兵庫県(18人:第6週から3人増加)、愛知県(11人:第6週から4人増加)、三重県(10人:第6週から3人増加)からの報告が10人以上と多く(図4、7)、第7週は福井県、沖縄県(3人)、北海道、群馬県、京都府(各2人)からも複数報告された(図5)。人口100万人あたりの患者報告数は全国で4.2人であり、東京都が10.4人で最も多く、次いで神奈川県8.9人、千葉県8.5人、佐賀県8.4人、福岡県7.6人、福井県6.4人、三重県5.5人、大阪府5.2人、埼玉県5.1人が続いた(図6)。関東地方からの報告数が322人で最も多いが、近畿地方から87人、九州地方から59人、中部地方から33人、中国・四国地方から15人、北海道・東北地方から12人が報告された(図4,7)。

 (略)

 2018年1月から届出票に追加された職業記載欄では、会社員と記載されていた人が198人と最も多いが、特に配慮が必要な職種として医療関係者が5人(看護師2人、薬局勤務2人、看護助手1人)、保育士が7人、教職員が6人報告された。

 

 報告患者の93%(492人)が成人で、男性が女性の2.9倍多い(男性393人、女性134人)(図8,9,10)。男性患者の年齢中央値は40歳(0~75歳)で、特に30~40代の男性に多く(男性全体の60%)(図8)、女性患者の年齢中央値は30歳(0~69歳)で、特に妊娠出産年齢である20~30代に多い(女性全体の62%)(図9)。

(略)

 風疹はワクチンによって予防可能な疾患である。今回報告を受けている風疹患者の中心は、過去にワクチンを受けておらず、風疹ウイルスに感染したことがない抗体を保有していない集団である。予防接 種法に基づいて、約5,000人規模で毎年調査が行われている感染症流行予測調査の2017年度の結果を見 ると、成人男性は 30 代後半(抗体保有率(HI 抗体価 1:8 以上):84%)、40 代(同:77~82%)、50 代 前半(同:76%)で抗体保有率が特に低い(図 12,13, 14-1)。2018 年の風疹患者報告の中心もこの年齢層 の成人男性であることから(図 15)、この集団に対する対策が必要である。一方、妊娠出産年齢の女性の 抗体保有率(HI 抗体価 1:8 以上)は概ね 95%以上で高く維持されていたが、妊婦健診で低いと指摘され る抗体価(HI 抗体価<1:8,1:8,1:16)の割合は 20 代前半で 20%、20 代後半で 24%、30 代前半 で 16%、30 代後半で 12%、40 代前半で 16%、40 代後半で 19%存在することから(図 14-2)、特に妊 娠 20 週頃までの妊婦の風疹ウイルス感染には注意が必要である。

(略)

 これらのワクチン政策の結果、近年の風疹患者の中心は小児から成人へと変化している。妊娠20週頃までの女性が風疹ウイルスに感染すると、胎児にも風疹ウイルスが感染して、眼、耳、心臓に障害をもつ先天性風疹症候群の児が生まれる可能性がある。妊娠中は風疹含有ワクチンの接種は受けられず、受けた後は2か月間妊娠を避ける必要があることから、女性は妊娠前に2回の風疹含有ワクチンを受けておくこと、妊婦の周囲の者に対するワクチン接種を行うことが重要である。

(略)

 風疹第5期定期接種対象の昭和37年4月2日~昭和54年4月1日生まれの男性は、積極的に風疹抗体検査を受け、必要に応じて予防接種を受けることが勧奨されている。風疹はワクチンで予防可能な感染症である。

 

まとめ

日本のワクチン行政は世界の三流と言われています。反ワクチン宗教団体が麻疹を広げていたり、日本だけMMRを受けられなかったり、HPVワクチンがほとんど行われていなかったり、困ったことだらけです。

 

ワクチン行政の遅れは明らかに国益を損ない、反ワクチン運動は国民の健康を害しています。しかしほとんどマスコミでは報道されません。反ワクチン団体やそれに加担するマスコミの報道しない姿勢は、日本の国力を削ぐことを目的としているようにすら思えます。

 

どうか40〜54歳男性は注目してほしいです。きずな、とか言っているなら周りの人に多大な迷惑をかける事になるのですから、わからなければ検査を行い、必要な予防接種は必ず受けてほしいです。 

 

ほんとうに医療関係者のお願いです。風疹は予防できますし、予防しかありません。頑張って一人でも多くの人が対応してくれることを希望します。 

 

 

こちらが風疹について描かれているコウノドリ(4) です。 

コウノドリ(4) (モーニング KC) コミックス – 2014/3/20 鈴ノ木 ユウ (著) 

首に痣を持つ妊婦がやってきた。本人は否定しているが、夫からDVを受けていることは明白。ソーシャルワーカーも入って、妊婦にDVを自覚してもらうよう働きかけるが――。一方、日本での風疹の流行に伴い、“先天性風疹症候群”を持って生まれる赤ちゃんが増えていて……。 

 

関連記事 

【反ワクチン】麻疹(はしか)を広げる反ワクチン宗教団体が、なぜか報道されない - 勤務医開業つれづれ日記・3

 

【反ワクチン】今度は反ワクチン本。近藤誠先生に、もう日本人は怒っていいと思う。文藝春秋社のスポンサーにクレーム入れてもいいと思う。【反医療】 - 勤務医開業つれづれ日記・3

 

【HPVワクチン】2000年度生まれ以降は子宮頸がんから守られない? HPVワクチン実質ストップの影響 - 勤務医開業つれづれ日記・3