勤務医開業つれづれ日記・3

「このマンガがすごい!2021」参加してます。あふれる”好き”を形に。マンガ感想とか書評を中心にしたブログです。

【感想】『彼方のアストラ 5』篠原健太 (著) 5巻完結!素晴らしい作品に出会えました!!【マンガ感想・レビュー】

『彼方のアストラ』5巻出ました! 

 

いやあ、名作誕生ですね。

少年誌では珍しいSF&ミステリ作品ですが5巻と短めですし、一気に読んだら1巻からの伏線も全部スッキリ回収しているので本当にオススメです。しかもラブがコメているし。

 

いま、書店で在庫切れて大変みたいです。リアルタイムで追っかけてきましたけど、登場人物9人みんなとお別れするのは本当に残念でした。篠原健太先生の作品ってキャラクターが生きていますよね。『彼方のアストラ』の最終話を読んだときには、『SKET DANCE』の最終32巻を読んだ時を思い出しました!ボッスンとカナタがダブってしまいましたね。

 

完結して最終巻まで読みきってみて、すばらしい作品だと感動しました。ぜひ多くの人に読んでもらいたい作品ですね。文句なしにオススメです! 

 

 

 

 

 

 

 

 

近未来のお話です。高校生のカナタ、アリエスたち9名は“惑星キャンプ”に行きます。学生たちだけで5日間過ごすはずの“惑星キャンプ”に予想外の事態が起こってしまいます。 

 

カナタ・ホシジマ

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10種競技のスペシャリスト。いまは宇宙探検家を目指しています。B5班の班長。シリアスなこともあるけど、かなり楽天家で情熱家。

 

 

 

アリエス・スプリング

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左右の目の色が違うオッドアイのおっちょこちょい。映像記憶能力があります。でも言葉がかなりめちゃくちゃで天然キャラです。

 

 

 

シャルス・ラクロワ

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貴族出身で美形で、優秀で、しかも料理もうまいけど、ものすごい生物オタク。

 

 

 

ザック・ウォーカー

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超天才で宇宙船の操縦免許を持っています。

 

 

キトリー・ラファエリ

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大病院の令嬢で、自分も医師を目指しています。ザックとは幼なじみです。ちなみに星付きのヘアバンドしています(後述)。

 

 

ユンファ・ルー

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とにかく引っ込みじあんで自分を出さない性格です。

 

 

ウルガー・ツヴァイク

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一匹オオカミのウルガーは射撃の名手。帽子に星はついていません(後述)。

 

 

 

フニシア・ラファエリ&ルカ・エスポジト

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フニシアはキトリーの義理の妹です。今回の”惑星キャンプ”には小さい子供が一緒にいるのが課題で、そのためにキトリーと一緒に来ました。ちなみに星のヘアピン?をしています。これも星か……。

 

ルカは手先が器用で芸術的センスがあります。この旅ではみんなの散髪はルカが担当しています。ユンファの髪を結ったのもルカです。あと弓とかも作ったりします。

 

 

 

いろいろなことが起こり、9人は宇宙船アストラ号に乗り込みます。そしてみんなで協力しながらふるさとを目指しますが、いろいろな謎が浮かんで来ます。最初の予想外の事態、宇宙船の通信機の破壊、そしてこのメンバーの共通点とは?

 

そしてみんなは10人目の人間に出会います。

 

ポリーナ・リヴィンスカヤ 

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4巻初登場のポリ姉。アーク6号の搭乗員です。

 

 

みんなが抱えている謎とは?そしてこの予想外な出来事はいったい誰が何のために仕組んだことなのか?そしてみんなの未来は一体どのようなことになるのでしょうか?

 

 

 

コメディ路線も健在

SFとサスペンスの設定をうまく使った作品です。そして篠原健太先生の前作『SKET DANCE』(以下、スケット・ダンス)を読んだことがある人ならわかると思いますが、篠原健太先生のギャクが随所に出て来ます。 

 

一番びっくりしたのは先生のこのTwitterでした。 

 

 

なにこの未完の打ち切りみたいな絵は!?

めっちゃびっくりしたんだけど。篠原健太自らウソ絵、描かないでほしいw

 

 

みなさん、カバー下見ていますか?

 

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(『彼方のアストラ』4巻カバー下より) 

 

いいか!これがアイドルの登竜門

熱湯風呂だ

 

いや、マンガが違いすぎるだろ……。

作中のコマに適当なセリフをぶっこんでいます。全部の巻にこういうお遊びが入っています。

 

 

 

 

 

『SKET DANCE』との比較

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(『SKET DANCE』32巻より)

 

うわっ。このシーン見ただけで涙出てくる……。読み返してもこの後の、

「キミ達を誇りに思う」 

とかで絶対に泣きますね。32巻の「ラスト・ダンス」から「キミ達を」は最高でした。スケット・ダンスはジャンプの隠れた名作だと思います。

 

 

さておき、前作と比較をしてみます。スケット・ダンスはほとんどが1話完結でしたが、今回の『彼方のアストラ』は完全に脚本があったストーリー物でした。あと、スケット・ダンスは学園ものでしたが『彼方のアストラ』は登場人物たちは高校生ですが、設定はSFでありサスペンスでした。

 

スケット・ダンス最終32巻のあとがきに書かれていますが、ジャンプ連載のスタートダッシュに失敗し、女性読者の支持も少なく、一度もブレイクしないまま来たと書かれています。敵もいなく、全国大会もない、縦軸がないままの連載。それでも6年間の長期連載とアニメ化を勝ち取っている作品です。篠原先生がゆっくりと育てて来たキャラクターのスイッチが最後に自分を超えるシーンにジャンプファンは感涙したのでした。

 

一方、『彼方のアストラ』は完全にスタートからフィニッシュの形は決まっていたはずです。設定も伏線も全ては最終話につながることがきまってるお話です。このような全く異なるシステムのお話を作りあげた篠原健太先生の漫画的な力量はすごいものだと思います。1話完結システムと完全なストーリー物を両方描けるって一流の証だと思います。

 

共通点としては前作、今作ともシリアス展開にギャグがはいり、ギャグ展開にシリアスが入るという、いい意味でのギャップがありました。キャラクターもスケットダンスのボッスンは今作のカナタに、スイッチはザックに、そしてヒメコはアリエスに引き継がれていると思うのですが、それぞれまたちょっとテイストが違っています。前作とは別に、愛すべきキャラクター達になっています。

 

そしてラブコメですよ。

一番の違いは、『彼方のアストラ』はちゃんとラブがコメていた!これだけは言っておこう。素晴らしすぎる。スケット・ダンスはボッスンとヒメコが「じれったいわね、あんた達!」的な展開で、チュウさんとレミおねえさんもテレテレな感じでしたが、『彼方のアストラ』は違う!ど直球なラブコメ入っていました。めっちゃニヤニヤしました。本当はカナタ&アリエスのラブコメも見たかったけど、それは次回作以降のお楽しみということで。篠原先生のキャラでラブコメがもっと見て見たいわ。

 

前作と今作では、いろいろな共通点と相違点があると思います。篠原健太先生としてはあとがきにあるように作業体制をデジタル化したことで大幅な変化があったようです。ご苦労様でした!

 

 

 

 

 

残る疑問点 

管理人的に残る疑問点は2つ。一つは、ウルガーの兄がどうして殺されたのか、ということですね。まあやばいネタにいろいろ突っ込んでいたでしょうから、ある程度は納得です。

 

そしてもう一つは余計なお世話だけど、ウルガーは一体誰を選ぶんだ?

最大の疑問はウルガーのモテっぷりですよ!てんで協調性のないやつだったのに、いつのまにこんなふうに成長したんだ。

 

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フニちゃんのヘアバンドに星マーク。よく考えると星付きのヘアバンドは作中ではキトリーのものでしたから、もらったんでしょうか。ちなみにキトリーはツインテールで、フニちゃんはポニーテールのようです。ウルガーとショッピングしたいんだってさ!

 

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ウルガーの帽子にも星マーク。

あれ?亡くなったお兄さんから帽子をもらった時には何もついてなかったし、アストラ号に乗っていた時も星マークは付いていませんでしたよね。フニちゃんからもらったのかな?それを常時身につけているのはあやしいです。でも口では高校生とショッピングなんてまっぴらとか言ってますけどね。

 

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ルカちゃんはウルガーを家に泊めている様子。おいおい、一体どうなんているんだ、このウルガーのモテっぷりは?危険な匂いのするワイルドな男はやっぱりモテるのか?

 

ウルガーはドラゴンボール的に言うとベジータなんですよね。敵役として登場したのにいつのまにか地球に定住してブルマと結婚してトランクスまで生れちゃうし。ウルガーも一匹オオカミで、この旅ではずっと敵のようにふるまっていました。みんなと仲良くなれなかったのにいつのまにやらこんなことに。

 

 

 

 

まとめ

『彼方のアストラ』全5巻、とくに最終5巻はどのシーンをとってもネタバレばっかりですので、とにかく読んでみてください!管理人は素晴らしい作品だと確信しています。ミステリ系の話ばかりしてましたが、めっちゃラブがコメていますしそれだけでもニヤニヤです。

 

そして最後のユンファのコンサートの歌詞がとても素晴らしいので、ぜひみんなじっくり読んでください。ああ、もうネタバレばかりなのでなんにもしゃべれねー!でも読んでもらったらきっとわかると思いますけど、あの歌詞がこの冒険の総決算なんです。

 

5巻という長さに篠原健太先生の才能がぎゅっと詰まったような作品です。最後にキャラクター達とお別れするのはさみしい感じを受けました。そういう意味でストーリー展開だけではなく、スケット・ダンスのようなキャラクターに愛情を注げるような作品でもあります。

 

最後にこれだけは言おう、

スッキリするエンディングだった!!

ぜひ読んでほしい作品です。すごいおすすめです。

 

 

 

 

<試し読み>現在は試し読み増量中で350ページ以上です! 

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【ページ数が多いビッグボリューム版!】「アストラ」と「地球」――似て非なる2つの母星の存在、食い違う歴史に動揺を隠せない一行。困惑の中降り立った最後の惑星で、遂に「刺客」の正体が…!! 旅路の終わりに待つ、全人類激震の真実とは!? 衝撃のサバイバル×コメディ×ミステリー、堂々の完結!!