【感想】『寿司 虚空編』巨大数マンガ ついに販売決定! 「天文学的な数字」って小さいよね!!
巨大数についてのマンガ『寿司 虚空編』がついに発売されるという情報が出ました!
まじか。このマンガに需要ってあるとは思いませんでした。いや、世界的には数学マニアに受ける可能性はあるな!アメリカのKindleとかで英語出版したらロングヒットしそう。
この世の中で一番巨大なものを取り扱っているマンガです。よく大きな数字の事を「天文学的な数字」って言いますけど、全然そのレヴェルの数の大きさじゃありません。
天文学的な数字って、小さいっ!
っていうマンガ。第1話からグラハム数でチェーン表記レベルですから、すでに頭おかしいレヴェルです。言っている意味がわからなくても大丈夫。管理人もわかっていません。
とにかく、ごく一部の好きな人だけのぞいてみてください。かなり
ブチ切れた巨大数
についての考え方が寿司を舞台に描かれています。ただただ巨大な数を表現したいという狂った人々のマンガです。しかも、巨大数研究はまさにリアルタイム。管理人は大好きです。発売の8月が待ち遠しいですね!
<追記:ついに発売になります!直前投稿>
kaigyou-turezure.hatenablog.jp
寿司虚空編単行本 8/10 でます pic.twitter.com/lI7lyixDTm
— 小林銅蟲 (@doom_k) 2017年6月18日
うをっ!本当だ!!発売されるんですね。おめでとうございます!
『寿司 虚空編』という巨大数マンガ
こんなマンガです。寿司とは全然関係ないところがすごいよね。
『寿司 虚空編』各話の内容です。
(当ブログ管理人が勝手に書いていますので間違いはご容赦ください)
第1話 グラハム数
第2話 ふぃっしゅ数F1
第3話 ふぃっしゅ数F1 SS変換
第4話 アッカーマン関数 ω
第5話 チェーン表記
第6話 ω FGH(急増加関数)
第7話 FGHのチェーン表記
第8話 アッカーマン関数のチェーン表記
第9話 ふぃっしゅ数F2、3変数アッカーマン関数
第10話 ふぃっしゅ数F1からF7まで
普通は第1話でつまづきます。管理人も数学的についていけなくなりました。でも、読んでいると雰囲気だけでもわかります。そして何回か読み返すと、ほーん、って感じになります。少なくとも巨大数の研究の流れがなんとなくわかります。
「イメージをイメージで越えていけ」
名言だな!
私の少ない知識によると、グッドスタイン関数G(n)がいかなる多重帰納関数をも超える増加スピードを持つ計算可能関数で、ビジービーバー関数が計算不可能関数だ、ということがわかるとマンガ内の数式がわかりやすいかも(そうでもないか……)。
ま、いいか。
『寿司 虚空編』で巨大数って狂った化け物みたいな数の暴力的関数の雰囲気だけでも感じてみましょう。
巨大数について
もしも万が一(万が一、ってこの記事に関してはすごく少ない数ですね)、巨大数に興味を持ってしまったらどうしましょう?
そんな時でも、ネットなら大丈夫。巨大数研究Wikiはきっとものすごく楽しめるサイトだと思います。グラハム数は世界最大の数としてギネスブックに載ったらしいですけど、グラハム数なんか入り口です。
数の一覧
特に巨大数のイントロとしてわかりやすいのはこちら。数って大きくなるとどうなっていくのか、という「数のランキング」の一覧です。
<数の一覧>
クラス0は6までの数
クラス1は1000000までの数
クラス2は無量大数よりかなりでかくて(1000000 - 10100000010100000010^{1000000})
クラス3はバベルの図書館の本の数(101000000−10101000000101000000−1010100000010^{1000000} - 10^{10^{1000000}})
クラス4以降は謎レヴェル (101010000001010100000010^{10^{1000000}} ~ 1010101000000101010100000010^{10^{10^{1000000}}})
クラス5 (1010101000000101010100000010^{10^{10^{1000000}}} ~ 10101010100000010101010100000010^{10^{10^{10^{1000000}}}})
クラス6( 10101010100000010101010100000010^{10^{10^{10^{1000000}}}} ~ 101010101010000001010101010100000010^{10^{10^{10^{10^{1000000}}}}} )
クラス6で終わりかと思ったらさらに上位に、
テトレーションレベル
矢印表記レベル
チェーン表記レベル
多変数アッカーマンレベル
カントール標準形レベル
計算可能レベル
計算不可能レベル
となっております。要するにレベル3ぐらいまでは小学生がやる「ゼロいっぱいつけたら大きい数字」ってやつです。
レベル4以降は「ゼロ書くなら一生書いてろ」って感じです。そして一つレベルが上がるたび、前のレベルの巨大数が「……という小さい数がありましたが」という、太陽だと思っていたら浜辺の砂つぶだった、ということの繰り返しです。
『寿司 虚空編』でもこのクラス分けをベースに取り上げられていると思います。
巨大数論では、ふぃっしゅっしゅ氏の著書を読めます。これがすごいオススメです。ふぃっしゅっしゅ氏は2002年にふぃっしゅ数バージョン1を発表したご本人です。現在ふぃっしゅ数はバージョン7まであるそうです。バージョン4とバージョン7は計算不可能な数ですから、もう何を言っているのかわかりません。
我々の幸運なところはふぃっしゅっしゅ氏が単なる数学的天才なだけではなくて、巨大数についての入門編を書くことができるメジャー性を持っていることです。専門性を追求する才能と、一般的に受け入れられる解説を書く才能は別物ですから。
ふぃっしゅっしゅ氏がその両方を兼ね備えていてくれたおかげで、私たちは巨大数のイントロをなんとなく理解することができるのです。
関連書籍
一般書で巨大数に関する本はあまりないはず。
↑ちなみに自分の持っている本で巨大数に関係するのはこんな感じ。整数論に比べて巨大数は本自体があまり出版されていないですよね。
「無量大数」ってどのくらい大きい数? グーグルの社名の由来となった巨大数「グーゴル」より大きい? アルキメデスが数えたという宇宙を覆う砂の数、仏典の最大数「不可説不可説転」、宇宙の永劫回帰時間、数学の証明に使われた最大の数…などなど、伝説や科学に登場するさまざまな巨大数の文字通り壮大な歴史を描く。
いい本なんですが、なんとなく残念な感じもあります。読んでみると分かりますが、巨大数のめちゃくちゃに狂った数式の感じが、うまく出ていない気がします。『寿司 虚空編』を読んだ後は逆に物足りないかもしれません。
数学を10のカテゴリーに大きく分け、最重要キーワードを1000個選び、それぞれを簡潔に紹介したおしゃれな数学事典です。 それぞれのキーワードは五十音順ではなく、数学のサブカテゴリー(幾何学、代数学、解析学……)ごとに並べられています。気になるキーワードを調べるのに使うのはもちろんですが、サブカテゴリーに含まれるキーワードを一気に読むという楽しみ方もおすすめです。そうすることで、気になるサブカテゴリーの全体像が浮かび上がってくるからです。
事典としての機能とポピュラーサイエンスのように読めるとっかかりやすさを融合させた本書は、事典としてはもちろん、想像力を刺激する数学エッセイとしても楽しむことができるのものです。
マスペディア1000は読み物として大変面白い本です。ですがやはり巨大数の記載は少なめ。P.50前後からグラハム数の他にフリードマンのツリー数列が載っています。でもこれだけ読んでもよくわからないと思います。フリードマンのツリー数列も前述の巨大数論がおすすめです。
数で遊ぼ!
数々の数が君を待つ!算数や数学の嫌いなあなたへ…。幾何よりも代数が好きだったキミへ、2178っておもしろいよ。だって9倍すると8712、4桁が逆に並んじゃう!読んで楽しい遊べる数百科。
この本は古いので巨大数はスキューズ数とグラハム数までです。最終ページに載っています。やっぱり整数論の延長で書かれている本が多くて、巨大数自体の馬鹿げたでかさについてはなかなか難しいですね。
まとめ
『寿司 虚空編』はまだ発売されていない作品ですが、管理人的には大注目です。でも、このタイトルで巨大数マンガってわからないよね。これだけスケールがでかいマンガはそうそうありません。国際的に売れてほしい作品ですね。発売、待ってます!
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