【感想】『熊西美術部らふすけ先輩(1)』おにお (著) あなたがなぞる、私のライン【マンガ感想・レビュー】
『熊西美術部らふすけ先輩』 1巻出ました!
あらやだ、なにこれ。すごくいいんじゃない?試し読みしたら「あ、これキタ!」と直感的に思いました。
絵のモデルと画家の関係って、一種独特ですよね。自分の体を見られて、感じて、そして画家の感覚で自分のラインが変換されていくって、完全に受け身。 なされるがまま。
で、恵ちゃんもすっかり受け身を取らされちゃいます。ケンカっ早くて、タイマン好きなヤンチャな女子高生が、毎日2時間じっと絵のモデルをするのです。しかも年下の美術部員に口説かれまくりながら!
「攻め」が「受け」に回ったシチュで意外と自分が「受け」だったとか、そういう感じの素晴らしさがある作品ですね。特殊な作品だと思いますけど、これはオススメです!
放課後のひっそりとした部室でおずおずとポーズをとるヤンキー娘。普段は強気な彼女が画家の前ではなんだかムズムズ。絵筆をとる後輩の視線がどうにもこうにもこそばゆい……。じんわりきちゃう美術部コメディ。いま恥じらいのヴィーナス誕生。
嵐恵ちゃんは結構ケンカ好きのヤンチャな高校2年です。放課後に美術部の高校1年、江田誠二くんのモデルをしています。モデルを始めてまだ2週間です。
江田誠二くんは「野望を持ってる」という美術部部員です。恵ちゃんをどうやって口説いたかは1巻では明らかにされてません。江口くんは取り憑かれたように恵ちゃんばっかり描きまくります。
恵ちゃんはモデルやりながら恥ずかしい感じがじゃんじゃんあふれ出てきてしまいます。江田くんは無意識に恵ちゃんの恥ずかしいと思っているところをズバッと言ってしまいます。 もし江田くんが意識してセクハラ発言を言っているなら、とんでもないおっさんか、エロ天才だな。
「あたしのもも….描かれている気がして……」
個人的にはこの絵も好きだ!ヒザうらの角度が、ね!!
恵ちゃんは毎日毎日こんな感じで妄想だらけです。江田くんは江田くんで作品作るのに没頭していて、恵ちゃんのこといじったり放置したりと、ある意味ひどい男です。別な意味では攻めとしてはすごい才能かも。
「なんで あたしなんだよ」
ねー?なんでしょうね? みんなそこが知りたいけど、たぶん2巻以降のお楽しみですね。
「僕はありのままの 先輩の体が 一番好きだから」
なんかしれっと言っているけど、すごいぞこのセリフ!江田くん、君まだ高校1年生なんだからね!
江田くんがなんで恵ちゃんをとんでもなく気に入って、毎日毎日恵ちゃんのことを描いているとか、どんな野望を持っているとか、まだわからないです。
そして気になるのは恵ちゃんのこれからですよね。
毎回、江田くんの無自覚の愛の告白のような、それでいて放置プレイのような状況におかれています。
もう恵ちゃんはノックアウト寸前だよ!
この美術部の無自覚羞恥プレイがどうなっていくのか、非常に心配です。
もっとやれ。
ということで、個人的にはどストライクでした!
恥ずかしがりながら断れないヤンキー娘が絵のモデル。そして体を大絶賛する後輩、というなんだか訳がわからない作品です。ギャップがいいですよね。絶対に2巻は買うなぁ。オススメです!
おまけ:
あまり難しく考えすぎたらダメだと思うけどこの作品を読みながらエゴン・シーレが頭に浮かびました。クリムトに師事し、28才で亡くなったエロスの天才です。
シーレはクリムトから絵のモデルのヴァリを紹介してもらいます。ヴァリは17才。シーレは実の妹のゲルティをモデルにしていて、妹とは関係していたらしいですから、画家とモデルって業が深いですよね……。
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