■『魔女のやさしい葬列』黒釜ナオ が”ブレイク前夜”な作品だった!【マンガ感想・レビュー】追記:黒釜ナオ先生からお返事いただきました!!
魔女のやさしい葬列がすごいいいです。オススメ作品ですね。
19世紀ヴィクトリア女王治世下の大英帝国。舞台は帝都ロンドンの片隅に店を構える、墓場のような“ブレイロック骨董店”。店内には陰気な若店主“ブレイロック”と、何も知らない無邪気な少女“リラ”がいる。花を届けに毎日店を訪れる花売り娘の“ナンシー”は、ある日、店の奥に秘匿された【人類最初の魔女】“リリス”の謎に触れてしまう…! 構想2年、満を持して世に問うゴシックファンタジー超大作!!
『解剖医ハンター』でデビューした黒釜ナオ先生の連載作です。もう、ブレイク前夜ってかんじです!黒釜ナオ先生のマンガはすごく魅かれますね。『解剖医ハンター』のときもすごかったですけど、基本は優しい絵なんですが、ファンタジーに突入するととんでもない絵が出てきます(褒め言葉)。
本作品は「リリス」「19世紀ヴィクトリア王朝」「魔女」のキーワードに反応するならぜひ読んでみてください。
長髪の冴えない骨董店の店長ブレイロックと、無邪気な少女のリラ、そして花売り娘ナンシーとのお話です。
第1巻ではおてんば娘のナンシーが、ブレイロックとリラに出会います。
ナンシーは現場から抜け出したくて、銭を集めるのに必死です。
リラはと無邪気な少女で、素性がよくわからない骨董店の店主であるブレイロックと暮らしています。
リラは人類最初の魔女「リリス」を取り込んでいるのか、リリスの一つの形なのか、同じ体に二つの存在が同居しているような感じに読めます。
不死鬼「シスカ」同胞「ヴルコラク」と、見知らぬ単語が入り乱れますが、2巻のカバー下のネタバレ解説からすると、不死の「シスカ」と吸血の「ヴルコラク」とに分かれているようです。
謎が謎を呼び、読んでいて全体像がつかみづらいです。一気に2巻まで読むのがオススメです。で1巻はキンドルアンリミテッドKindle Unlimitedですから、ちょっと興味が湧くようなら2巻に進んで欲しいです。2巻からいよいよ本領発揮、って感じです。
そして第2巻ですよ。
いつのまにやら骨董店の使用人になったナンシーですが、この作品、実は本当にすごくなるのは2巻からなんです!
この絵!どうですか、まがまがしい感じ!すごい、いいです!!
さらには、2巻で登場する「伯爵夫人」こと「エルジェヴェト・バートリ」です。
相棒の「ベルタ」が、これまた狂気なんですよ!!
「伯爵夫人」は「ベルタ」とともに永遠に生きる方法を探しています。はぐれ「シスカ」のダニエルがブレイロックとリラのところに乱入し、命からがら逃げます。
どうよ、この絵!背筋にビリビリきませんか!!
ブレイロックも傷を負います。
傷ついたブレイロックは、ダニエルをきっかけとした、まだ見知らぬ新たな戦いを予感しています。
そして逃げ出したダニエルを捕まえたのが「伯爵夫人」です。いよいよ、「伯爵夫人」「ベルタ」vs 「ブレイロック」「リラ」という構図ができてきた感じです。
この作品がブレイク前夜という感じがするのは、もしかしたら登場人物のしたいことが全てまだ描かれていないからではないでしょうか?管理人的に興味があるのは以下の点です。
・ヒロインのナンシーは守銭奴だけど、なんでゼニに執着するのでしょう?
・ブレイロックはリリスの子供である、不死鬼「シスカ」を殺していますが、なぜ彼が殺すのでしょう?そしてなぜ彼は「リラ」と一緒にいるのでしょう?
・リラとリリスの関係は?そしてリラは何を求めているのでしょう?
・伯爵夫人が不老不死を求める理由は?2巻で残酷な見開きがありましたが、これはきっと昔のはなしですよね?
・ベルタはなぜ伯爵夫人と一緒に行動しているのでしょう?ベルタが伯爵夫人の「シスカ」?
いま、狂った伯爵夫人とベルタのコンビがめちゃくちゃに話を動かしてきています。みんなの動きと心がぴったりと腑に落ちると、とんでもない作品になっちゃうんじゃないだろうか、と思っています。
ちなみに伯爵夫人は「エルジェヴェト・バートリ」ですから、処女の血の風呂浴びた残虐このうえない実在の人物です。吸血鬼とも噂されていた人ですから、確かにキャスティングとしてはうってつけです。
いやー、まだ2巻ですけど、先が楽しみな作品です!
追記:黒釜ナオ先生からお返事いただきました!本当にありがとうございます!!お返事いただけるなんて、最高にうれしいです!!!!
@2008med 紹介ありがとうございます!期待して頂いて本当にうれしいです!
— 黒釜ナオ (@kurogamanga) 2017年1月11日
ひとつだけお答えしますと、ナンシーが守銭奴なのは「貧乏人だから!」です(^^)
そっか、貧乏か(笑)!
いやいやいやいや、そこにナンシーの出生の秘密とか、なぜ母親がいないのか、とか入ってくるんじゃないですか?先生にミスリードされている気がする……。考えすぎ?
しかも、『狂気の山脈にて』の田辺剛先生にこのツイートにいいねされちゃいました。うれしくて、鼻血出そう。
ご参考になりましたら幸いです。
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