勤務医開業つれづれ日記・3

「このマンガがすごい!2021」参加してます。あふれる”好き”を形に。マンガ感想とか書評を中心にしたブログです。

【感想】『ライアーバード(3)』 脇田茜 (著) それはまだ恋とは呼べない……。【マンガ感想・レビュー】追記:脇田茜先生からコメントいただきました!!

『ライアーバード』3巻出ました!

これ、すごい、すごい!しびれた!!

音楽を平面に表現するってすごいことだと思いますけど、脇田茜先生の表現の仕方はオリジナリティあふれています。音がこんな形している、って感じることができるすごい作品です。

 

とくに3巻ラストがいいです。なので、ぜひ3巻まで読んでみてほしいです。ハートに直撃するタイプの作品なので、万人受けする作品ではないと思いますがハマったら最高にすごい作品だと思います。これはオススメ!

 

 

京都の音楽喫茶『ライアーバード』で働く心を閉ざしたギター青年ヨタカの前に突然現れた、音が見える天才少女コト。ヨタカとのすれ違いで、コトが突然姿を消してしまった。京都中を探しかけまわり、ヨタカの中でコトの音楽の才能に対する思いが募っていく。ライアーバードに縁深い元アイドルの唯にゃんやヨタカのバンドメンバーたちの音楽に対する思いに触れる、いびつな二人の青春音楽ストーリー第3巻。

 

 

1巻

君の奏でる音

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どう?どう?この音の感じ?すごいよね。しかもまだ作品のイントロだから。もっとすごいのあるよ。 

 

ボーイ アット ライアーバード

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ヨタカ君19歳。 ライアーバードの店員さん。マスターのギターに惚れ込んで押しかけました。バンド「コッカリーキ」もサポートで参加しています。

 

ヨタカ君はいろいろと家族関係が複雑そうです。ギターだけが彼のよりどころです。ヨタカ君はマスターのギターをコピーしようと一生懸命になっています。

 

ボーイ ミーツ ガール

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コトちゃん16歳(年齢がわかるのは3巻)。ボーイミーツガールは、橋の上からコトちゃんの飛び降りでした。危ない娘だな。いろいろあってコトちゃんはマスターのライアーバードに住み込むことになります。コトちゃんとヨタカ君はぶつかりあってばかりです。

 

 

2巻

ヨタカ君、コトちゃんとライブ

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急に戻ってきたマスターの元奥さん、はとちゃんにたきつけられてヨタカ君はコトちゃんと定期ライブをすることになります。

 

うれしはずかし、コトちゃん

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ヨタカ君はコトちゃんのこと全然ないがしろにしていたのに、予想もしなかった定期ライブのOK。びっくりしたコトちゃんのうれしはずかしの表情がとってもいいですね! 

 

 ふたりぼっちの夜

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なのに、二人の初ライブはぐずぐず。

一瞬、扉が開いたんだけどね。なかなかうまくはいかない。ヨタカ君はコトちゃんみたくなりたくて、なれない。コトちゃんはヨタカ君みたくなりたくて、なれない。

お互いに足りなくて、お互いにありあまっていて、ふたりぼっちです。

 

このあと、コトちゃんはいたたまれなくなってライアーバードを飛び出してしまいます。

 

 

3巻

コトちゃんは昔いた、ちょっとヤバイ感じの施設に戻ったけどヨタカ君が連れ戻してくれます。その施設のヤクザくさい人や、ヨタカ君の腹違いの兄弟ベンヌのカホトが出てきて、いろいろと入り乱れてきます。カホトは1巻から伏線を張っていた重要人物でしょう。はじめにヨタカ君がフラッシュバックを起こしているのはたぶんカホトです。

 

さらにはコトちゃんの友達でもあるつぐみちゃんがヨタカ君のことが好きだったり、アイドルの唯ちゃんが突然おとずれたりします。個人的にはつぐみちゃんが好きだな。

 

コトちゃん、歌い始める 

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前から歌うようにお願いされていて、バンド「コッカリーキ」でコトちゃんははじめて一曲歌います。笑顔でMCをいれるコトちゃん。

 

なのに歌い始めると……。

 

コトちゃん、暴走

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「笑おう」「笑おう」「笑おう」「笑おう」「笑おう」

→コトちゃん、大爆発!

 

2巻で、はとちゃんから言われていた「喜びを歌うなら 本気で笑え!!それが音楽家や」という呪縛を振りほどいて、ついに爆発するコトちゃん。苦しくて、痛くて、つらくて、泣きたくて、壊したくて……。そんなの隠してまで笑えないコトちゃんがついに暴走します。

 

ああ 最ッッッッ高

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このライブシーンの素晴らしさったらないです。読んでいて泣けてきましたね。

コトちゃんの暴走を一番理解してたのはヨタカ君ではなく、皮肉にもベンヌのカホトでした。これから色々な意味を持ってくるようなファーストライブです。

 

 

 

 

まとめ

というわけで、すごいなこの漫画! 

コトちゃんもヨタカ君もものすごい才能なのに、自分をまったくコントロールできていません。そしてお互いに無い物ねだりをして、まるで才能の原石が磨かれないまぶつかりあうように傷つけ合ってしまいます。

  

なにもかもままならないまま、音楽だけが疾走します。コトちゃんとヨタカ君の音はほんのたまにしか共鳴しないけど、それは確かに存在しています。

 

わかるだろ、わかってほしい。届くべき人に届いてほしい作品です。わからない人には全然わからない作品だと思いますが、ハートに来る人にはズガンとくるはずです。ちょっとだけでも興味がある人は手にとってほしい作品です。

個人的にはかなりかなりオススメです!最高でした!!

 

 

 

 <追記>脇田茜先生からコメントいただきました!本当にありがとうございます!!これからも応援させてもらいいます。頑張って下さい!

 

 

 <試し読み>