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勤務医開業つれづれ日記・3

いらないことからコツコツと。新「院長の漫画カルテ」へ移行中です。

【感想】「人馬 (一)」墨佳遼 すごい作品でた!これは必見!!【ネタバレ漫画レビュー】

《購買部》Amazon 《美術部》マンガ 【マンガ感想・レビュー】

 

 

「人馬」一巻出ました!これ、すごいいいですね。心を揺さぶるような素晴らしい作品です。読んで泣いたし。

 

戦乱の時代に人馬がいくさに使われます。野生の人馬はことごとく人間に捕らえられます。そんな時代に野生で生き残っている名馬の松風が人に捕らえられてしまいます。

 

墨佳遼先生のデビュー作らしいですけど、これはすごい。しっかりした設定、絵のレヴェルもすごいし、ストーリーもずば抜けて上手い。 

 

これはぜひぜひ手にとって読んでほしい作品です。

 

 

人馬 (一)【電子限定特典付】

 

「生きるために 全力で走れ」

馬よりも勇ましく、人よりも誇り高い、美しき異形「人馬」──。
新鋭・墨佳遼が圧倒的な世界観で描く、驚異のデビュー作。


古来よりこの国に住まう、半人半馬の種族「人馬(じんば)」。
時は戦国。人は彼らを「戦の道具」と見なし、その尊厳を奪った。

「赤毛の岩虎」の異名を持つ雄々しき人馬・松風は、
捕らわれんとする息子を庇い、縄にかかる。
人馬を売買する領主のもとへ、松風を引き連れる隊列……
その中に、人間に使役される俊足の人馬・小雲雀の姿があった。

この出会いが、ふたりの運命を大きく動かしていく――

 

 

すごい作品が出ましたね。しかもこれが墨佳遼先生デビュー作って、信じられないぐらいレヴェル高過ぎです。

 

お話は、野生の人馬である松風が人に捕らえられるところから始まります。 

 

 

 

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人に捕らえられた野生の人馬、松風。

人馬同士で小雲雀に捕らえられます。 あまりの名馬っぷりに例外的に両腕をのこして捕らえられました。逆らわないように両腕は縛られています。

 

表紙見てわかるように松風は赤毛です。赤毛ですごい馬、っていうことで三国志呂布が乗っていた稀代の名馬、赤兎馬を連想しますね。

 

 

 

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人に飼われている人馬の小雲雀。

ちなみに小雲雀は男な。小雲雀も元々は野生の人馬でしたが、6歳の時に人に捕らえられて飼われています。人に逆らわないように両腕を切り落とされています。ふびんだ……。

 

でも実際に人馬がいて戦で使おうと思ったら、人間なら絶対に手を切り落とすぐらいはやっていると思います。冷静で納得いくリアルな設定がすごいです。

 

 

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人と人馬の歴史はおだやかなものでした。でも、いくさが全てを変えていきます。 

 

松風と小雲雀が並ぶとその体格差がはっきりします。一応、二人とも男です。この差はばん馬(重種馬)とサラブレット(軽種馬)ぐらい違います。巻末のおまけ漫画では「山岳の人馬」「平地の人馬」ってかいてありました。

 

松風の妹の小梅もおなじ重種馬です。細身のサラブレット系男子の小雲雀が、重量級の妹の小梅ちゃんの尻に敷かれちゃうもよくわかります。

 

 

 

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ずっと緊張しっぱなしではなく、こういうギャグな場面も結構あります。シリアスな場面にギャグが入り、ギャグっぽいところから本筋が展開します。緩急はつけるけど余分なところがない感じ。なんか本当に熟練の作家さんみたいです。 

 

人に飼われていた小雲雀が松風に教えられていろいろとサバイバル術を身につけていくのもいいお話です。説得力あります。

 

 

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ぼろぼろ泣いて妹の小梅に謝る小雲雀。

 

小雲雀は子供の権田を逃がして松風を捕まえました。自分が逃げるために、豪腕の松風だけを捕まえたのです。逃走後は食中毒を起こすし、危険な場所で遊んで雪崩の原因も作ってしまう。

 

人に飼われていて自然をしらない小雲雀の行動は、まるで自然を知らない現代人の行動そのもの。知らないうちに自然に逆らい、間違いじゃないのだけど結果として権田は行方が分からず、松風を傷つけてしまう。

 

そんな状況でも妹の小梅は、ただ兄の松風を連れてきてくれただけでありがとう、と言ってもらって小雲雀は号泣するのです。

わたしも泣いた。

 

 

 

ようやく妹と再会したのもつかの間、雌の人馬で有腕の速魚が松風と小雲雀を追い詰めていきます。

 

 

 

以上が一巻の内容です。この作品は心理描写がすばらしい。思わずもらい泣きしちゃいます。ものすごいしっかりした設定とキャラで、本格的な作品になっています。架空の生き物なのに、まるで本当にあった歴史物を読んでいるような感覚になります。

 

あと、電子書籍だと特典いっぱい(23個)付いてます。最後のおまけ漫画が二十三番です。 これもとっても魅力的でホロリとさせられました。

 

 

 

いままで半人半馬、ケンタウロスの漫画って意外とあまりないかもしれません。

思い出すのは竜の学校は山の上 九井諒子作品集とか、はたらけ、ケンタウロス! (ゼロコミックス)とか、ギャグ寄りの作品の印象があります。equus (onBLUE comics)は異種恋愛だけど。 「人馬」はいい意味でかなり雰囲気が違います。

 

 

 

一言で言って、この作品は当たりです。

「人馬」は話題にあまり上がっていないようですが、ものすごく評価されていい作品だと思います。二巻以降も目が離せない展開になっています。 すごいおすすめです。

 

 

 

 試し読みはこちらから。

matogrosso.jp

 

ご参考になりましたら幸いです。